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遠航からの手紙。

今ここに一通の封筒がある。封筒の端には白赤青の縞模様があり、これが国際便である事を示している。


 これは何かと言うと最初で最後の家族からの手紙だ。


 多分フィリピンかそこらで届いたと記憶している。


 なぜ外国で貰ったのかと言うと私が遠洋航海中に出した手紙の返事、である。


 そうあれはー、軍資金が無くなってしまったのでお金を送ってほしいと書いて送ったのだ。


 現金二万円と共に今は亡き父と母、兄がそれぞれ一枚の髪に短くコメントの様に書かれていた。


 あ、兄貴はまだ生きてた。


 父の字は達筆で読みずらい。母が書いた字は始めて見た。柔らかく優しい字だ、所々間違ってたけど。


 こちらも熱いがそちらはもっと熱いだろう、めげずにがんばれ。と書かれてあった。


 兄はお見上げを買ってこい、とだけ書かれてあった。


 母より、さようなら。と書かれた文字に涙する。なんか育ちの良さみたいな物を感じるが……。


 父の文字を何とか解読すると、私の字が汚くて読みずらいと書かれてあった。


 私としてはそれはお相子だと言いたい、あなたの字は特殊だと。


 まあ自分でも後で見ると、なんだこの解読不能な文字はと思ってしまうのだが。自分が書いているのに。


 まあ、一つ言える事はー、これは数少ない私の宝物だろう。



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