111/654
だれも助けてくんない。ぐすん。
ブウン!
スタジオが映し出され衝立の前に正座する和美と、衝立の上から和美を見下ろすまきぐも君が映し出される。
「……そうか、無理やり聞き出して悪かったな」
「いいのよまきぐも君、でもビックリ、まきぐも君があの人の息子だったなんて。そしてー、後を継いでいるなんて」
「いや、親父はそのことをあまり語らなかった。正義の味方はいつも孤独だとか言いやがって肝心な事を話さない」
「フフッ、あの人らしいわ。でも私達……このままじゃー」
「分かってる、しかしここでは解説のお姉さんと護衛艦の妖精まきぐも君だ。さあ、立つんだ。始めよう最後の、最後の解説を」
ゆっくりと立ち上がる和美。微笑みながら衝立の向こうを見る。
「えぇ……、最後の解説を。……えっ! ちょっと待って、どうして最後なの?」
「お前ー……、そうか、そうだよな、分かってるから心配するな!」
「いやまきぐも君、たぶん分かってないよ! 私最後にする気ないからね」
「そうか、それじゃあしょうがねえなぁ。始めるぞ! タイトル!」
「ま、待ってー、物凄く不安なのー」