ちょっと苦しくなってきたかな?
「3」「2」「1」「ドカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものようにスタジオが映し出され、まきぐも君と和美が映し出される。
「やっほー、元気だったぁ? 解説の和美お姉さんだよー。そしてぇー」
「護衛艦の妖精まきぐも君だよー、みんなー、おはこんばんちはー」
「さて、今回はいよいよ最後の4直です。早速張り切っていきまっしょい!」
「ちょっと待ってお姉さん」
「な、なにまきぐも君、質問はまだ受け付けないわよ、後にしてね」
「違うよお姉さん、僕は先週本当に驚いたんだ。まさか和美お姉さんがあんなー」
「ゴメンまきぐも君、でもあんなのに引っかかるまきぐも君も悪いんだよ。まさかあんなに上手くいくなんて」
「えっ、あれは誰でも引っかかるでしょ? いきなり僕の後ろを指さして『あ、ユーホォ!』とか言うんだもの。僕がUFO捜しているうちに消えちゃうなんて、緻密で巧妙な作戦だね。僕お姉さんのこと見直しちゃった」
「本気で言ってるそれ? ・・・・・・まあいいわ、時間が無いから解説行くわよ」
「うん、お楽しみは後にしよう」
「・・・・・・げ、玄門4直なんだけど時間帯は八時から十時までの二時間なの」
「あ、たしか4直の本番は朝だって言ってたからー」
「そう、十時から十二時まで1直がやって十二時から二時まで2直、二時から四時までが3直で四時から
八時までが4直なの。基本的には夜は玄門の所にある椅子に座っているだけだけどね」
「夜の間は何も無いの?」
「フフッ、基本的にはと言ったでしょ。母港に居るときは上陸員は下宿や自分の家に帰るんだけど、呉や横須賀なんかに入港していたら上陸員は帰って来るの。酔っ払って」
「あー、酔っ払いが大量に戻ってくるんだね」
「ほろ酔いぐらいで戻ってくるのが大半なんだけど、中には泥酔して戻ってくる人も居るのよ。そんな人は何をするか分かった揉んじゃ無いわ」
「な、なにがあったの?」
「ええ、玄門にある鐘を叩くわ、マイクで叫ぶわ、最終的には玄門にあるアラームのスイッチを入れたりするの」
「アラームって、戦闘配置の?」
「いいえ、艦には二種類のアラームがあるの。一つはカーン、カーンてぇ鳴る戦闘配置用のアラームなんだけど、もう一つがガスや放射能用のアラームで、ブォー、ブォーって鳴るの。それを入れちゃうのよねぇ」
「うわぁ、夜中に大変だ」
「スイッチは特殊で戦闘のスイッチが赤でガスのスイッチが黄色に塗装されているわ、スイッチはレバー型でいつも右側に固定されていてアラームを鳴らすときは先端の取っ手を引いて固定されているレバーを外して左へ半回転させると鳴り出すわ。これが鳴り出したらレバーを元に戻しても暫く鳴り止まないの」
「それはー、最悪だね」
「あら、まだ4直の途中なのに時間になっちゅったわ。今日はここまでね」
「来週は玄門当番の最終回だね、楽しみだね。うまくいけば・・・・・・」
「な、なにその意味ありげなー」
「それじゃあみんなぁ、次回も宜しくぅ」
「あ、それじゃあみんなー」
「「バイビーーー」」
ガタン! と終わりのテロップが落ちてくる。
「待て! どこに行く」
「いや、終わったから帰ろうかなってー。手放してまきぐも君、なんか食い付かれてるみたいでヤダ」
「ヤダじゃない、詳しく聞かせて貰うぞ。あれはお前がやったことだろう、やつが見つかったのはハワイのグランドキャニオンと呼ばれている山奥だった。そこで半分気がふれた状態で見つかって、猫が、猫が・・・・・・、と言って震えていたそうだ」
「クッ、やり過ぎー」
「そうか、やり過ぎたか。認めるんだな? 自分がやったと」
「ちがー、あれは・・・・・・、お姉ちゃん達なの! 私は関係無いのよ」
「ね、姉ちゃん?」