まだまだ続くよ。
「3」「2」「1」「ドカーン」
「わーい」「なぜなに自衛隊」
テロップが上がりスタジオが映し出される。そこに猫耳メイドの和美とまきぐも君が並んでいる。
「は、はーいなぜなに自衛隊、解説の和美おねーさんだよー。あ、にゃんにゃん」
両手で元気いっぱいに手を振る和美。
「護衛艦の妖精まきぐも君だよー。いゃあ和美お姉さん、なんか・・・・・・久しぶりだねこの感じ」
まきぐも君はヒョコヒョコと動いた後に和美と向き合う。
「そ、そうね、みんな覚えてるかな? 前回までのこと。まきぐも君は覚えてる? あ、にゃん」
「もちろんさ! 玄門の当直で1直から2直まで話して、次は3直からだよ」
「凄いわまきぐも君! その通りよ。じゃあ早速解説を始めるわね。にゃん」
「うん、お願いしまーす」
和美とまきぐも君が同時に前を向く。
「さて、1直が八時に護衛艦旗を揚げて2直が日没に艦首の国旗を下げたので、3直は護衛艦旗を下げるの。この時は十五分前に2直の海士と先任海曹に。日没十五分前になりました、本日の日没ヒトナナサンマル。と報告するの。にゃん」
「あーそうだよね、いきなり五分前ってえ言われても制服に着替えないといけないしね。てぇ言うかお姉さんもうその、にゃんは止めても良いんじゃないかな」
「そ、そうね・・・・・・止めとく。で、そうなの。そして艦内マイクがー、自衛艦旗降ろし方五分前。と艦橋から入るので先任海曹と並んで旗が付いている紐を持つの」
「ラッパの君が代と一緒にゆっくりと降ろすんだよね」
「まきぐも君、気が早いわ。その前にー」
「あ、十秒前。か」
「そう、十秒前と号令が入って、つけぇー! のラッパが入るの」
「えっ、つけ?」
「自衛隊は始めの『きよ』は言わないのよ」
「あ、そうだったね。忘れてたよお姉さん。ゴメンゴメン」
「もう確りしてよね。そしてさっき言ったとおり君が代が終わるまでゆっくりと降ろすの」
「降ろした後はちゃんと旗をたたまないとね」
「そう、それも重要よ。たたみ方知ってる? まきぐも君」
「任せてよ、いい? まず横に細く四等分ぐらいにたたんでから、ヒモが付いていない方を二十センチほどたたんでから斜めに三角になる様にたたんでいくんだよね?」
「わぁ、大正解! 流石護衛艦の妖精。たたんだ後は先任海曹室に持って行って箱の中に納めのよ」
「箱の中には他にも内火艇用の旗とか国旗とか色々入っているから持ち出すときには注意が必要だよ」
「あら、詳しいわね。何かあったのかしら? 旗で」
「えっ、あ、いやぁ、あ! 大変だよ和美お姉さん。もう時間だって」
「えー、3直最後まで解説出来なかったわね。残念」
「じ、じゃあ次回は3直の続きからだね。それじゃあみんな」
「「バイビーー」」
ガタンと「終わり」と書かれたテロップが落ちてくる。
「ねえ和美お姉さん、チョット聞きたいんだけどさ」
「なあにまきぐも君。お金なら貸さないわよ。てか無いわよ」
「誰がお前から借りるか! ・・・・・・この間神崎のー」
「叔父様のこと?」
「そう、叔父様とか普通に言うからやっぱりお前良い所のー」
「やあね、あれは私が小学校の時にー」
和美の回想。
幼い和美がコスプレをしている男性の前に立っている。
「俺のことは叔父様と呼んでくれ、できればお姫様になった気分で胸の前で手を組んで下から見上げるようにして」
「こう? ・・・・・・叔父様」
「そう! いいね、最高だ! …リス」
和美の回想終わり。
「因みに私をパチンコに連れて行ってくれたのも神崎のー」
バキッ!
「キャ! なに衝立壊してるんですかっ」
「いいから今度神崎連れてこい!」
「えっ、えーー」