安全ピンを使ってシーツを張ってます。
ザッバァーン! ドドーン! 航海中みんなが寝静まった第六居住区にズドドド・・・というエンジン音と共に波の音が響く。
--と、思っていました。
この水の音は艦に当たる波の音だと、でも違いました。この音はなんと貯水タンクの真水が跳ねる音だったのです!
第六居住区の下にはいつも私達が飲んでいる真水があったのです。艦の動揺でタンクの真水が移動してこの音をたてていたのです。
何でわかったのかと言うと、なんと私のベッドの真下に人一人が通れるほどのボルトで止められたハッチがありました。
余談ですが私は本を数冊ベッドの下に落とし込んでいたので格納していたので、怒られました。少し数が多すぎたかな? ハハ。
私達はそのボルトを開けて真水タンクの中を掃除することとなりました。
デッキブラシを持って入ってみると全体は薄緑色に塗装され、広さは八畳程度で天井がメチャ低い。
なんか家の床下みたいな雰囲気でした。私達はゴシゴシと水垢を取るのです。
ベッドの話が出ましたので三段ベッドについて話しましょう。
三段ベットはハッキリ言って狭いです。一応カーテンで仕切られていますがプライベートはありません。通路も狭いし頭の上にあるライトは豆電球です。
それでもシーツにシワを付ける事は許されません、陸上なら霧吹きで濡らすことによりシワを取りますが、艦内では湿気は厳禁で霧吹きは使えません。
どうするかと言うとシーツを安全ピンで止めるのです。
まず緑色のシートを取り出して少し広い所へ移動させます。そこでシーツを巻き付けて裏側を安全ピンで止めるのです。この時に確り引っ張ってシワが出来ないようにします。
もう一つはモーフです、これはオレンジ色をしています。
普通の大きさのモーフですが、これは二つ折りにします。そうするとだいたいシートの横の大きさと合います。モーフにもカバーが付いています。
これ等を休みの当直の時に数人で協力して交換するのです。
大きな安全ピンで止めるの……、難しかったなぁ。もし外れたら背中に刺さりそうで怖かった。