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歓楽の館 二

「いかがでしたか? ヤハルカの胸は?」

「へっへっへ、気持ちよかった!」

 カスケルがくすくすと笑っている。

「なんだったら、メス犬を探してきましょうか?」

「メス犬! そいつはあんまりだ。中身は人間の男なの」

「はいはい」

「ああ、でもあの胸、ペロペロなめたかったなあ」

 その時、護衛の一人が言った。

「良ければ、私が一緒に娼館に入りましょうか?」

「え? 娼館って、あのお金払って女を買う所? あるの? そういう場所」

「はい、ありますよ。えーっと、あそこの扉、用心棒が二人いる……。あの奥が娼館になっているのです。娼婦に犬に舐められている所が見たいと言えば、やってくれるかと」

「ええ! だけど、おまえ、それじゃあ変態になっちまうぞ」

「変態? それはなんですか?」

「なんというか……、うーん、あぶない人って意味だ」

「武術で鍛えた体。あぶないと思ってもらった方が警護が楽になります」

「いや、そのあぶないじゃなくて……」

 俺は護衛の顔をながめた。太い眉、大きな眼、きりりとした口元が実直そうだ。任務まっしぐらのタイプだな。

「ま、いいだろう。おまえ、なんて名前だ? まだ、名前を聞いてなかったな」

「は、近衛部隊所属、アシアン・カチョーサであります」

 直立不動になりそうになったアシアンを書記官カスケルが慌ててとめる。

「あ、すいません、いつもの癖で」

「アシアン、娼婦は嫌がらないかな?」

「金を弾めばやってくれるかと。ここの娼婦達は大抵の事は仕事と割り切ってやってくれると聞いています。そのかわり、娼婦がその気になったら、私に抱かせてくれますか?」

「おお、いいぞ! 3Pだな。カスケルはどうする? おまえ達も来るか?」

 カスケル達はにやにや笑いながら、仕事中なので遠慮すると言う。

 羽目を外したっていいじゃないかと俺は思ったが、まあ、彼らには彼らの事情があるのだろう、俺はアシアンとわくわくしながら、娼館の扉をくぐった。

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