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#0.誰?

初夏の風が頬をすり抜けて行く。

ゴールデンウィーク明けの昼休み、いつもの様に会社の屋上で昼寝をしていた。

ベンチに足を投げ出して壁にもたれ腕を組んで眠る。

他の社員は会社の前にある公園か社員食堂で昼休みを過ごす。

そ故、屋上には俺以外に誰もいない。

毎日、独りだけという訳ではないが殆ど皆無と言った方が良いかもしれない。


しかし、その日は違った。

確かな視線を感じる。

欠伸をして投げ出している足を組みかえるが。

それでもまだ視線を感じた。

「誰?」

目を開けようとすると太陽の光がもろに飛び込んできた。

片目を瞑り薄目を開ける。

「ん?」

誰かが俺の顔を覗き込んでいる。

それもかなり至近距離で。

ポニーテールにしている黒い髪が風で戦いでいて。

そして端正な整った顔つき、綺麗な瞳が優しく見つめている。

まるで可愛い子犬か子猫を見るように。

「えっ?」

驚いて目を開けたとたん、頬に何か柔らかい物が触れて黒いスーツ姿の女性は立ち上がり踵を返す。

髪の毛が孤を描きキラキラと光っている。

夢現で見ていると消えるように彼女は屋上を後にした。

「なんだったんだ?」

時計を見ると1時までまだ20分程あった。

仕方なく起き上がり伸びをして頭を掻きながら営業部に戻る。



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