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第12話 熱狂

 窓を打つ雨音に、ガルは目を覚ました。

 さすがに土砂降りとあっては、宮城遙拝も免除とされていた。年に数回しかないことであり、ほとんどの人々はこの日がいつ来るか心待ちにしている。だが、それが安息日と重なった場合、朝ゆっくりと寝ていられる代わりに、この一日は家に篭もっていることを強制される子供たちは、複雑な思いを抱えていた。

 二日酔いで痛む頭を振りながら、ガルは隣の布団を見た。


 何度も目を擦り、そこを確かめる。

 だが、目に映る光景が、変わることはない。深呼吸。瞑想。もう一度深呼吸。


 なんで、エルミが寝てるんだ?


 もちろん、ガルはエルミを引っ張り込んだ記憶はない。

 昨夜真っ先にできあがったエルミを、間違いなく女子部屋に放り込んだはずだ。チェルがエルミを引きずっていった光景を、ガルははっきりと覚えていた。

 そして自分はレグルと話しながら寝床に付いたはずだ。天地神明に賭けて、女子部屋に乱入などしていない。第一、自分の衣服はきちんと枕元に畳んで置かれているではないか。ガルは布団の上に胡坐を掻き、必死になって昨夜の行動を思い出そうとしていた。だが、痛む頭は冷静な思考を中断させ、考えれば考えるほど今の状況にガルは混乱していった。

 突然、襖の向こうから聞き覚えのある笑い声が響いてきた。


 大きく襖が開け放たれ、涙を流さんばかりに大笑いしたレグルとチェルが入ってくる。

 やおらエルミが布団から起き上がり、憤懣やるかたないといった表情でそこに座りなおした。


「何?」

 突然のことに、ガルは一言言うのがやっとだった。


「もう、なんで入ってこないのよ。

 こんな美女が隣に寝てるなんて、千載一遇の機会でしょうよっ!」

 もちろん、この時代に婚前交渉などもってのほかであり、万が一ガルの理性が吹っ飛んでいたらすぐさまレグルが止めに入るつもりではいた。

 もし、ガルが二日酔いでもなく冷静であれば、常識が行動を縛り、エルミの布団に潜り込むなどあろうはずもない。

 誰もがガルがこの状況に狼狽することを、笑い飛ばすつもりでいた。


 学生であるガルが安息日に二度寝もしくは寝坊することは当たり前だが、士官学生であるレグルとエルミは、この二年五ヶ月の間に日の出前に起床する習慣が血肉と化している。

 チェルにしてみても料理の仕込み等朝早くからやることは山ほどあり、朝食時の開店に間に合わせるためには日の出前には仕事をはじめている必要があった。昨晩したたかに飲み、手荒く酔ったとはいえ、身体に染み付いた習慣、それも鉄拳とともに染み込まされた習慣は、半ば恐怖心としても発揮されていた。

 気持ちよさそうに眠りこけるガルを見て、レグルが悪戯を考え付いたのだった。


「酷ぇなぁ、お前ら。

 人を弄んで楽しいか?」

 腹立たしくも自虐的な楽しさを感じていたガルは、朝食を掻き込みながらとりあえず笑った。


「ごめんね、ガル。

 本気で笑わせてもらったわ。

 あんたたちも、もうちょっと入ってくるのは自重しなさいよ。

 すっごく面白かったんだから」

 内心ガルの常識と二日酔いを恨みながら、エルミがレグルとチェルに文句を言った。


「だって、あれ以上は我慢できなかったのよ。

 ガルの顔ったらなかったわ」

 とりあえず口の中の物を飲み込んでからチェルが言う。

 万が一にも、何か飲み食いしながら思い出しでもしたら大惨事は確実だった。


「すまん、エルミ。

 二人置いて帰るつもりだったんだが。

 まさか、お前一人に勘定を押し付けるわけにもいかないと思ってな」

 いち早く食事を済ませたレグルが、ゆったりと茶を飲みながら言った。


「もういいけどさ。

 でも、チェル、昨夜は慌しくて聞けなかったけど。

 よく安息日に休ませてくれたな」

 漸く落ち着きを見せたガルが、何の気なしにチェルに聞いた。


「そうね、やっぱり、物資が滞ってるのよ。

 魔鉱石もそうだけど、いろんなものがね。

 今年の七月に贅沢禁止令って出たでしょ。

 お客様自体減ってるのよ。

 その上、ウチなんかはそれほど影響ないんだけど、お客様にお出しできる料理の値段の上限が決められちゃったの。

 だから、高級店っていわれるお店にお客が流れちゃってねぇ。

 ここぞとばかりに、ね。

 勝手なもんだわ、贅沢禁止って言って外食減らす割には、安くなった高級店にみんなで行くなんて。

 材料抑えるしかないから、味はそんなに変わらなくなってるのに」

 チェルは負け惜しみで言っているわけではなかった。

 自身の味覚を鍛えるため、時間があれば他の店で食べることは欠かさない。

 値段を抑制されてしまった高級店にも、幾度となく足を運んでいる。


 自身の舌で確かめた結果、調理の技術や手間隙は落としていないが、材料の質が明らかに低下している。

 もちろん値段に釣り合わない料理を出すわけにはいかないためだが、当然物資の流通が滞っていることも原因にある。贅沢品と見られる食材の販売禁止もあるが、軍関係が優先され流通に係る魔鉱石が足りなくなっているのだった。


「だから、俺たちの俸給でもお前に奢れるっていうわけだ。

 ありがたいような、ありがたくないような理由だけどな。

 軍にも、いろいろ歪が出てきているがな」

 溜息をつくようにレグルが続けた。


 もちろん、この場だけの話であり、これ以上続ければ軍機に関る内容だ。

 当然士官学生であるレグルが軍機に触れる機会などあるはずもないが、時折漏れ伝わってくる内容のどこに極秘の事項が含まれているかは分からない。このときレグルが念頭に浮かべていたのは、西の軍都と呼ばれる砂海軍工廠がある町に赴任していた先輩から聞いた噂だった。


 軍縮条約の失効を見越した新型戦艦は、『あ―一四〇』計画の四隻の建造が予定されていた。現在は西工廠と南工廠、そして帝都工廠の三ヶ所で起工され、それぞれが必死に建造が進めている。

 一〇八号艦と呼称された西工廠で建造された艦は、ふた月半ほど前の八月八日に進砂を完了し、現在日に夜を継ぐ突貫工事で儀装が進められている。同型艦の一〇九号艦は南工廠で船体のほとんどは完成されており、まもなく進砂の予定だった。一一〇号艦は、六年に亘る帝都工廠ドックの拡大工事の完了を待って、この六月に起工されている。そして、一一一号艦は一〇八号艦の完成を待って西工廠で起工される予定だ。一番艦である一〇八号艦の不具合を二番艦の一〇九号艦で修正し、その結果を以って一一〇号艦、一一一号艦は改一〇八号艦型として建造する予定でいるため、起工の時期にずれが出ていた。

 もっとも、戦艦を建造できるドックが三ヶ所しかないため、どうしても一一一号艦の就役は数年後にずれ込むことはどう足掻いても変えられない現実だった。


 理想で言えば同時起工同時就役なのだろうが、就役後に不具合を抱えたままの艦を四隻も同時に運用することは効率が悪すぎる。

 改装を施そうにもこれほどの艦を収容できるドックが現在使用中の三ヶ所しかないため、現実的には無理な話でしかない。今からドックを建設しようにも、もともとあるドックの改修だけで六年を要したことから、これも現実的な話ではない。本来であればインフラの整備も同時進行してしかるべきであり、そのように計画を立てるべきなのだが、ソル皇国の気質として攻めを重視し後方を軽視する風潮があり、攻撃兵器の製造整備が優先される一方で防御が軽視され、インフラ整備を含む兵站は後回ししなりがちだった。このような風潮や気質に加え、魔鉱石やくず鉄の禁輸が徐々に影響し始め、どの艦の建造も予定通り進んでいない。

 そのような噂が、西工廠から僅かずつではあるが広がっていた。


「砂海軍が賛成したのも、あれとあれの進砂と運用開始が理由のひとつなんでしょ、レグル?」

 辺りを見回すようにしてからエルミが言った。


「ああ、多分、それで間違いない」

 困ったヤツという顔を顰め、目でエルミを叱り付けるようにしてレグルは頷いた。


「何よ、あれとあれって」

 興味津々といった顔でチェルが聞いた。

 きな臭い雰囲気を感じたガルは、聞こえない振りをして味噌汁を啜っている。


「あれっていったらあれだ。

 悪いな、チェル、こればかりはお前にもいえないんだ。

 解るだろ、それで」

 心底申し訳なさそうにレグルが言い、エルミに厳しい目を向ける。


「だって、新聞発表もあったんだから、言っちゃいけないことじゃないでしょうよ」

 口を尖らせてエルミが文句を言った。


 あれとは一〇八号艦の進砂であり、戦力化の目処がついたことを指している。

 そして、もうひとつのあれとは、零型艦上戦闘機と呼ばれる新型戦闘機の実戦配備だった。新聞発表では一〇八号艦は新型戦艦、零型艦上戦闘機は新型戦闘機としか記載されていなかったが、メディエータとの長引く戦争に一筋の光明を見出すかのような、希望に溢れる記事だった。もちろん、艦や戦闘機の詳細など発表になるはずもなく、ただ進砂と配備の事実だけが小さく書かれていただけだったが。

 だが、一部ではそのふたつの事実が三国同盟に反対していた砂海軍が態度を変えた理由だと、半ば真実を言い当てた噂も流れていたのだった。


「ああ、あれとあれね。

 エルミはあれに乗るの?

 レグルもかな?」

 チェルは無邪気に聞いた。

 店を訪れる客からの伝聞も合わせ、ある程度のことは知っている。


「私は、七艦攻を希望してるの。

 やっぱりさぁ、守りより攻めよ。

 この手で敵戦艦を沈めてやるんだから」

 胸を反らせてエルミは答えた。


 この時代、軍の航空機は幾つにか用途を細分化されていた。

 零型艦上戦闘機を始めとする戦闘機は、敵の爆撃機や攻撃機、それを守る戦闘機や偵察機、輸送機といった航空機を叩き落すための機体だ。

 これに対してエルミが希望している攻撃機は、砂雷と呼ばれる砂中を突き進み敵艦の土手っ腹に炸薬を叩き込む兵器や、大型爆弾の水平爆撃を行う機体で、爆撃機は急降下型と緩降下型に分類されているが、比較的小型の爆弾をピンポイントに投下し、敵艦や敵兵器を効率よく破壊するための機体だった。


 呼称に艦上とつけば、航空母艦からの運用も可能であることを意味し、陸上とつけば航空母艦からの運用はできないが、その分大型でありより長大な航続力と大きな攻撃力を有していることを意味している。この他に敵の情勢を探る偵察機や兵員や物資を運ぶ輸送機、主翼下にぶら下げた巨大なフロートで砂上を滑走し、舗装整地された滑走路を必要としない砂上機等、様々な機体があった。

 現在のソル砂海軍は、六型艦上戦闘機の旧式化に伴い三年前から開発を進めていた三七式試戦の実用化が成功し、零型艦上戦闘機の実戦配備がようやく始められている。攻撃機は三年前に実戦配備された七型艦上攻撃機、爆撃機は前年に実戦配備が完了した九艦上爆撃機が主戦航空兵力だ。


「俺は、まだ希望は出していないんだが、一応砲術に進むつもりだ。

 やはり、最新鋭の戦艦には憧れるが、最初はいろいろな艦から経験豊富で優秀な兵や下士官、士官を引き抜くんだろうしな。

 うまくいけば帝都停泊地を母港にする戦艦に配属になるかもしれないな。

 そろそろ、出ようぜ。

 たまには、繁華街でぶらつくのもいいんじゃないか?」

 機密には触れないように気遣いながらレグルは言葉を選び、話題を変えるように促した。


「そうだな。

 帝都に戻ろう。

 今夜も、ぎりぎりまでは飲めるんだろ?」

 きな臭さが増した気がして、ガルはわざと陽気に遊びに行くことに同意する。


「いいわね、ガル。

 なんか良いモノあったら買って頂戴よ。

 それくらいはいいでしょ?」

 そこはかとなく自分の発言を危ないと感じ始めていたエルミも大きく頷く。


「じゃあ、ここは任してね。

 親方が、心配しなくていいからって言ってくれてるの」

 満面の笑みでチェルが言った。

 修行期間はたいした給料が出ない。

 その僅かに給料も、味覚を鍛えるための食べ歩きに消えるのが常だ。そんなこともあり、どのひとかどの料理人も、時々弟子に大盤振る舞いをすることがある。今回は久し振りに幼馴染みと許婚に会う弟子に、夜の食事代を丸々持ってやると親方は言っていたのだった。さすがに最初に言ってしまっては遠慮もあるだろうし、楽しめないと判断したチェルは、いざ勘定の場になってそれを言い出したのだ。


「それは、いくらなんでも拙いだろう、チェル。

 ここは、俺たちが払うよ。

 なぁ、エルミ?」

 レグルが慌てて財布を取り出した。

 同時にエルミも財布を出しているが、店の女将が笑ってそれを制した。


「いいのよ、もうお支払いいただいてるの。

 領収書も出しちゃったし」

 ここで無理強いしても、親方に恥じ掻かせるだけよ、と諭され、レグルとエルミは財布を収めた。




 またのお越しをお待ちしております、という声を背に、ガルたちは料亭を後にした。

 駅までゆっくりと歩き、浮遊車を乗り継いで帝都一番の繁華街へと、ガルたちは昼前に到着する。通学途中や夜の街では目立たなかった贅沢を戒める看板が、あちこちに立てられているのが目に付く。既に言い掛かりとしていえないような品々が贅沢品と槍玉に挙げられ、メロンやイチゴといった果物まで販売の自粛を強制されていた。不足しがちな軍事物資の生産に、少しでも労働力を振り向けるための政府と軍が一体となった施策だ。

 メディエータとの戦争など半年で片が付くと騎兵軍は豪語したが、その言葉とは裏腹にメディエータを攻めあぐねたまま三年の月日が過ぎていた。


 一定価格以上の装飾品や、オーダーメイドの服も同様に販売禁止となっている。

 贅沢禁止令以前に所有していた服や装飾品の使用までは禁じていなかったが、それらを着飾った者を非難し、使用をやめさせるために贅沢品全廃運動委員会なるものまで設立されていた。教育を司る文部省は、学生の映画や演劇観覧を安息日に限ることを、各学校長に対しての通達を出している。

 ソル国内は、確実に息苦しくなっていた。



 ドラゴリー大岩盤ではアレマニア共和国がゴール共和国を始めとした周辺諸国に対し電撃侵攻を敢行し、一気にその版図を広げている。

 サピエント王国に対する宣戦布告もなされ、先の大戦の再来を思わせる戦乱が渦巻いていた。往くとして可ならざるアレマニアの快進撃は止まることを知らず、半年以内にドラゴリー大岩盤をその手中に収めてしまうのではと見る騎兵軍の将軍もいた。これを受けてソル皇国政府は、大本営政府連絡会議は、武力行使を含む南進政策を決議する。本国を踏み荒らされたドラゴリー大岩盤列強が、遠くベロクロン大岩盤東南地域に有する植民地を省みる余裕などあるはずもなく、ソルの南方進出を阻む壁は唯一サピエント王国の植民地マーレイヤに配されたベロクロン艦隊だけと見られていた。

 オリザニアによる魔鉱石禁輸は、この動きに呼応したものだった。

 これら一連の流れが、三国同盟締結への背中を押したことは間違いない。



 オリザニア共和国が三国同盟締結を受けて態度を完全に硬化させていたが、外務省では禁輸の解消に向けて必死の対オリザニア交渉は続けられていた。

 だが、貴族の地位にある総理大臣や、その下で外交を一手に取り仕切ろうとする外務大臣自体が対オリザニア強硬派であり、三国同盟の積極的な推進者である以上、オリザニアが求める三国同盟からの脱退やメディエータ共和国から撤兵といった最優先に揚げられた条件を飲むはずもない。結果としてところだらだら交渉は引き延ばされ、まったく交渉の打開策を見つけられないソル政府も、オリザニア共和国も痺れを切らし始めている。

 無責任に対オリザニアの戦争までぶち上げる新聞が、全国主要紙の他地方紙でもちらほらと見られ始めていた。



 安息日の繁華街は多くの人々で賑わっているが、戦争の影響ははっきりと見え始めている。

 ソル皇国で最大の繁華街が、どう見ても地味な街になっていた。街角では辻説法に立つ代議士たちがそれぞれの主張を声高に叫び、不当にソルの経済を封じ込めようとしているオリザニアを非難している。人々がその声に同調し、やがて街角は熱狂的なシュプレヒコールが繰り返されていた。


 人々の熱狂とは裏腹に、その身なりは誰もが同じような格好だ。贅沢禁止令は華美な服装を禁じただけでなく、同時に強制とは書かれていないが没個性な国民服が奨励されていた。

 贅沢品全廃運動委員が道行く人々を無理矢理呼び止めては、少しでも気に入らない格好のものを見つけては人前に引きずり出し、吊るし上げていた。それに合わせて非国民と罵る人々と、眉を顰めつつ通り過ぎる者に目を光らせる者がいる。吊るし上げの対象者に眉を顰めた者はそのまま見過ごされたが、贅沢品全廃運動委員や罵声を放つ人々に眉を顰めた者を、鋭い目つきの男たちがそっと尾行を始めている。

 密かな動きを諜報の教育を受けていないレグルたちが気付くはずもないが、それでも世情がどうなっているかくらいは理解している。

 人々は、当たり障りなく周囲に合わせていなければ危険だと、突然消えた知人友人の動向からいつのまにか悟っていた。




 連合艦隊旗艦『アーストロン』の長官公室で、ゴトム大将は苦りきっていた。

 彼の前には、先程に届けられた軍令部が策定した戦争計画書が置かれている。彼の脳裏には、それに則り作戦を進めた結果、オリザニア共和国の圧倒的な物量に飲み込まれていく連合艦隊の姿がありありと浮かんでいる。先任参謀が薄ら笑いとともに届けてきたが、一読しただけでどの作戦も画餅であることが見て取れる。

 三国同盟を背景にオリザニア共和国が出てこないことが前提であるものや、敵の戦力を過小評価もしくは自軍戦力の過大評価で埋め尽くされていた。


「先任、いつから軍令部は莫迦の巣窟になったんだ?」

 溜息とともに、彼は目の前で人を小莫迦にしたような表情を浮かべている先任参謀に声を掛けた。


「皇室が軍令部総長から降りない限り、無理でしょうなぁ。

 彼の宮様のご機嫌取りがこの結果です」

 不敬罪に問われても文句を言えない発言が、先任参謀の口から飛び出した。


「南に行けば長くなる。

 短期決戦で、オリザニアの継戦意欲を挫き、有利な条件で講和に持ち込むしか、我が軍の活路はないということが、なぜ奴等に理解できんのだ。

 こんなことをしては、必ずオリザニアの大東砂海艦隊が押しかけてくる。

 サピエントの大東砂海艦隊と連合されては、どう足掻いても我々に勝ち目など万に一つもない」

 声は低いが、辛うじて激昂を抑えた結果であることは、ゴトムの表情を見れば明らかだった。


「そのための連合艦隊であり、漸減作戦だと、彼らは言っております」

 先任参謀が口にした漸減作戦とは、ソル皇国砂海軍が長年研究してきた対オリザニア艦隊作戦のことだ。


 広大な大東砂海を押し渡って来るであろうオリザニア艦隊を、潜砂艦による雷撃と航空機による攻撃で補助艦艇を討ち減らし、主力である戦艦に傷を負わせた上で艦隊決戦を挑みこれを撃滅するというものだ。

 この時代、航空機は未だ発達途上の兵器であり、ある程度完成され尽くした技術の集大成である戦艦を、砂海上で沈めることは不可能と認識されていた。


「そんなカビの生えたような作戦が、こちらの思い通りにだけ行くと、奴等はまだ信じているのか。

 これからは航空機の時代だ。

 あんな戦艦を何隻も作るくらいなら、その分空母と飛行機を作れば良いものを。

 あの四隻に使った資材があれば、オリザニアの戦艦などすべて砂海に沈められるというのに」

 対ロス戦争終結後に立案され、細部の修正を繰り返してきた漸減作戦は、ゴトムの目には古臭いものにしか見えていない。

 憤懣やるかたないという表情のゴトムに、相も変わらず人を小莫迦にしたような表情の先任参謀が言葉を選び始めた。


「ですが、今のところ航空機に沈められた戦艦で作戦行動中のものはなく、すべて停泊中か降伏し投降する途上のものばかりです。

 それが彼らの言い分ですな」

 先任参謀の言葉は、戦艦の優位性を示す大鑑巨砲主義者の論拠だった。


「莫迦な。

 いつまで過去の因習に囚われているつもりだ。

 先任参謀、連合艦隊独自の案を作っておく必要がある。

 貴官に叩き台を作ってもらいたい。

 実現可能かどうかは後で良い。

 誰もが思いつかんような案を、貴官なら捻り出せるだろう」

 停泊していようが作戦行動中だろうが、戦艦が航空機によって沈められたという事実は事実だ。

 ゴトムももともとは大鑑巨砲主義者ではあったが、ドラゴリー大岩盤で繰り広げられた全大戦の戦訓から、航空機が次世代の主戦兵器になると確信していた。




 ソル皇国連合艦隊は、現在二個艦隊で形成されている。

 砂海軍すべての艦艇が所属しているわけではなく、連合艦隊以外にも軍令部が直接指揮する艦隊や、主要停泊基地司令長官所轄の掃砂海艇や砂海防艦といった小型艦艇を中心にした近海警備艦隊、輸送航路警備艦隊も多数あった。すべての艦艇を連合艦隊司令長官が指揮することは効率が悪いだけでなく、艦隊決戦に臨んで近海警備や航路警備などにかまけている余裕などあるはずがない。

 砂海軍は、ソル皇国を守る楯であり、来寇する敵を撃滅するための矛であると認識されていた。


 第一艦隊は一〇隻の戦艦が基幹戦力で、本土防衛を主任務としている。

 連合艦隊司令長官直率の第一戦隊は、砂海軍最強の攻撃力を持つ戦艦で構成され、艦隊決戦の先頭に立つ最重要戦力だ。

 第二艦隊は一二隻の重巡洋艦が基幹戦力で、南方方面作戦全般の援護を主任務としている。

 いざ艦隊決戦となれば、潜砂艦や航空機による漸減作戦で討ち漏らした補助艦艇や、敵主力戦艦に夜間肉薄し、必殺の雷撃を見舞う露払いの役割を担っている。

 この二個艦隊がソル皇国砂海軍の主戦力であり、砂海軍に奉職した者はどちらかへの配属を望んでいた。


 それ以外に軍令部が直接指揮する各方面艦隊と、各地に分散配備された基地航空部隊が存在した。

 ゴトムは、万が一オリザニア共和国と開戦するならば、これらの方面艦隊や基地航空部隊も連合艦隊司令部が統一指揮すべきと考えている。また、各艦隊に分散配備されている空母を一括運用し、強力な航空打撃部隊を編成すべきとも考えていた。

 三国同盟成立後、首相から対オリザニア開戦後の見通しを問われた彼は、『それは是非やれと言われれば初め半年や一年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、二年三年となれば全く確信は持てぬ。三国同盟が締結されたのは致方ないが、かくなりし上は日米戦争を回避する様極極力御努力願いたい』と答えている。これはほとんどすべての艦艇を隷下に収めることが条件であった。もちろん、対オリザニア戦争に勝てるとは思っておらず、こういった意見を述べることで首相が避戦に傾くことを望んでの発言だった。


 しかし、できぬといって職務を放棄するわけにも行かず、万が一開戦となった場合に備えて作戦計画に沿った訓練や演習はやっておかなければならない。だが、戦争指導を担当する軍令部から出てくる作戦案は、ゴトムの考えとは正反対の長期持久戦を前提としたものばかりだった。

 そこで彼は、先任参謀には、既存の艦隊編成には拘らず、また必要な艦艇が連合艦隊に所属しているかどうかに拘ることなく、どのような作戦が考えうるか検討するように命じたのだった。



 先任参謀は相変わらずひとを小莫迦にしたような表情は崩さず、だが見事な姿勢でゴトムに敬礼すると、答礼を待たずに長官公室を後にした。

 天下の大秀才を自認する先任参謀は、他の参謀たちに声をかけることなく自室に篭もり、対オリザニア作戦の作成に没頭し始める。従兵には用があるときはこちらから呼び出す故、決して許可なく入室するなと命じ、扉に鍵をかけてしまった。


 それからというもの、決められた時間の食事や、順番を決められた入浴にも出てくることなく、思い付いたように食事を運ばせ、風呂を空けさせた。そのたびに従兵は、烹炊所や風呂の割り当てを奪われた他の参謀からの嫌味に、耐えなければならなかった。だが、それ以外の仕事といえば、切れたタバコの補充のため酒保に走るか、気が付いたように命じられる着替えを運ぶくらいしかなかった。

 先任参謀の振る舞いに眉を顰める司令部要員は多かったが、ゴトム長官のお墨付きとあっては面と向かって文句を言える者はいない。


 もっとも、周囲から煙たがられたり嫌われたりしているなど先任参謀自身が歯牙にもかけておらず、奇矯な振る舞いへの反応を却って楽しんでいるふうもあった。

 身なりに厳しい砂海軍にあって、それについてまるで無頓着であり、食事も他人と同席しない先任参謀を、周囲は『仙人参謀』『変人参謀』と呼ぶようになっていた。 もちろん悪口でしかないが、当人はそれが耳に入ってもどこ吹く風で、行いを改めることもなく、その呼称を喜んでいるようでもあった。誰も思いつかないような作戦を考えることが彼の持ち味であり、最も好むところだ。

 自室に篭り作戦構想を練る彼の頭の中は、敵を打ち倒す熱狂の嵐が吹き荒れていた。




 二六四〇年が残すところ後一〇日となった一二月二二日の安息日、ガルはレグルたちに先立ち村へ向かう浮遊車に乗り込んだ。

 一般の学生であるガルの冬休みは、この日から翌二六四一年一月一二日までの三週間だ。レグルとエルミは一二月三〇日までが二学期であり、チェルはいつ休みになるかまだ決まっていない。独りで村へ戻ることはあまり気が進まなかったが、家業を手伝えるときは手伝うべきと割り切り、ガルは浮遊車に乗り込んでいた。たまたま外出許可が下りたエルミに見送られ、ガルは村での再会を約束していた。

 もちろん、エルミが必死の根回しでこの日の外出許可を勝ち取ったことを、ガルは知る由もなかった。


 通例であれば、士官学生は新年祭の三日間しか休みがないのだが、今年は急にそれが変更になった。減ることはあっても増えることなどないと思われていた新年祭の休みが、二日も長くなったのだった。即ち、新年祭の三日間を移動に費やすことなく、故郷で羽を伸ばせるように前後一日ずつが追加されていた。砂海軍大臣による突然の指令だったが、それをただの好意と受け取った者はひとりもいなかった。

 オリザニアとの開戦が近い。士官学生、飛行士官学生の誰もが、そう理解していた。

 もうすぐお前たちは死ぬだろう。

 その前に親孝行をしてこい。

 そういうことだった。



 ガルの帰郷に遅れること二日の、一二月二四日。

 レグルにもエルミにも見送られることなく、チェルは不安な気持ちを抱えたまま、村へ向かう浮遊車に揺られていた。

 去年は、とうとう新年祭前日まで、休みはもらえなかった。かろうじて御来光を村で拝むことはできたが、ゆっくりと羽を伸ばす暇もなく、新年祭の三日目に村を後にしていた。それが今年はまだ八日も残っているうちに、帰郷が許されていた。

 いや、帰郷させられたのだった。


 もちろん、チェルがクビになったわけではない。

 親方の親心もあったが、仕事が激減していた。

 七月に施行された贅沢禁止令は、その後ますます締め付けが厳しくなり、外食産業は営業時間を午前零時までと制限されている。チェルが修行している料理店はもともと店じまいが早かったため、営業時間制限の影響はない。だが、贅沢品全廃運動委員会による無言の締め付けが露骨になり、外食自体が白眼視される風潮になっていた。どの料理店も軒並み開店休業状態に追い込まれ、住み込みの弟子たちを食わせておく余裕を失っていたのだった。食材の多くが配給制になり、気安く練習に使うこともできなくなっている。

 ならば生産地に故郷を持つ者は戻った方が、腕を錆び付かせずに済むと親方は考えたのだった。


 急な帰郷になってしまったため、実家には浮遊車に乗る前に魔導通報で報せただけだ。

 それもごく短文しか送ることができないため、『今ヨリ帰ル』のひと言で済ませている。もう少しくらいなら文字数を足すことも可能だが、下手に『仕事ガ無イ為』などと付け加えても、余計な心配をかけるだけだ。浮遊車の出発時刻ギリギリまで考えあぐねたチェルは、結局ひと言でいいと投げ出した。

 帰ってから説明しようと、チェルは決めていた。



 実家には報せたものの、レグルには何も言っていない。

 ガルが一足先に帰ることは家の都合であり、それは以前から承知している。レグルとエルミが同時に帰郷することは諒解していたし、あとはチェルの休みがいつからかになるだけのことだった。帝都圏に残った三人は、都合が合えば一緒に帰郷するつもりでいた。

 だが、昨夜いきなり寮に置いておけないと言われては、予定も何もあったものではなかった。


 士官学校も飛行士官学校も、通常は一般人の立ち入りを禁じている。

 僅かに出入りの業者や大学教授といった者たちが、教材や寮の食材、雑多な資材の納品、修繕等や授業のために出入りするだけだ。授業で学生と接する機会のある教授はともかく、業者たちと学生が接する機会は基本的に設けられていない。ましてや、学業の妨げになりかねない友人知人の類は、家族を含め一切面会を認めていなかった。

 許嫁であっても、恋人の来訪など以ての外だった。


 面会に限らず、手紙に想いを託そうにもすべて教官による検閲が入るため、下手なことを書けば後で何を言われるか判ったものではない。

 もちろん、個人の付き合いまで統制するためではなく、機密情報の漏洩を防ぎ、情報の重要性を身を以て解らせるための教育の一環だ。しかし、いつしか個人のプライバシーを暴き、からかいのネタにするか、言いがかりを付ける理由に使われるようになっていた。

 そんなところに、恋人から今後の都合を聞くような手紙を送ることなど、チェルにはできるはずもない。


 それはレグルにしても同じことで、恋人に帰郷の都合を聞く手紙など出そうものなら、間違いなく厳しい教官に目を付けられる。

 同級生には周知の事実であり、帰郷までの間からかわれるだけだが、最終学期に待ちかまえる練習航海の際に教官からどんな無理難題を押しつけられるか解ったものではない。将来士官として役立つ苦労なら買ってでもしてやろうという気概がレグルにはあるが、余計なトラブルを抱え込む気はない。何より士官候補生としてあらゆる知識を身に付け、戦場で死なない技術を身に付けるため学んでいるこのときに、恋人に帰郷の都合を聞く手紙など書いていられるはずもなかった。

 士官学生の帰郷日は決まっている。恋人や許婚と同じ時間を過ごすのは、帰郷の後で充分だった。


 チェルとエルミは同性であることから、それほど周囲に気を使うことなく連絡を取り合っていた。

 もちろん、手紙の中にレグルのことを含ませては、飛行士官学校の教官からどのように問い詰められるか分からないし、教官同士の連絡網からレグルが吊るし上げでもされてはかなわない。もっとも、レグルとエルミのふたりが、毎日顔を合わせているわけではなかった。共通の授業や教練以外、校舎も寮も別だった。たとえ、レグルが飛行士官学生だったしても、プライベートの時間に異性が寮で顔を合わせることなど、許されるはずもない。当然、男子寮と女子寮は別の建物であり、別の敷地内にある。士官学校と飛行士官学校も別の敷地であり、寮も別だ。

 伝言を頼もうにも、伝わるのがいつになるか、まるで当てにならなかった。


 チェルは、当面エルミにだけ、手紙で帰郷が早まったことを伝えてある。

 そう書いておけば、あとはエルミがレグルに顔を合わせた際に伝えてくれるはずだ。その程度のことなら、言われなくてもやってくれるとチェルは信じていたし、エルミもそのつもりだ。もっとも、エルミにしてみれば、ガルが他所の女に惹かれないでいるのはチェルがいるからであり、チェルは恋敵であると同時に、ガルを自分たちの仲間内に引き止めていてくれる頼もしい味方でもあり、複雑な気分ではあるのだが。もう出立してしまった以上、あとはエルミに期待するしかない。ここでいくら考えたところで、レグルに自分の行動を伝えられるわけではないのだ。駅で買った新聞に目を落とし、チェルは思考を振り払うことにした。

 社説には、対メディエータ戦争の完全勝利を望む声と、対オリザニア交渉の弱腰を責める声に埋め尽くされている。冷静であるべき新聞が戦争への熱狂を煽っていることに、チェルは言いようのない不安を感じていた。



「レグル、今大丈夫?」

 教練場の片隅で、汗を拭いながらエルミが声をかけた。

 第二学期の掉尾を飾る士官学校と飛行士官学校の長距離走対抗戦が、ついさっき終わったところだ。

 予定より幾分早く片付いたため、僅かな時間ではあるが生徒たちには休憩が与えられている。


「なんだ、エルミ?

 今日の課業はこれで終わりだから、それほど慌てて帰ることはないだろう。

 集合の号令までは大丈夫だ」

 周囲の目を気にするエルミに対し、あっけらかんとしてレグルが答えた。

 同郷ということもあり、どちらの学校の生徒たちからも仲の良いふたりと認識されている。今さら周囲の目を気にする必要など、まったくないとレグルは考えていた。

 エルミは寮に帰った後、同じ班の女子生徒にからかわれるのが面倒で人目を避けたかったのだが、それが余計にからかいの種になることに、残念ながら気付いていない。

 日常の会話の端端から、エルミが同郷の専門技術学生に思いを寄せていることは知られている。さらに、レグルに許嫁がいることは、両学生とっては衆知の事実だ。ふたりが堂々と会話をしていようと、そこからふしだらな発想をする者は皆無だった。

 もちろん、あまり堂々としていては、教官たちから良い顔はされないが。


「あんたって割と無神経ね。

 もし、変な噂流されたらどうすんの?

 チェルが悲しむわよ。

 って言うか、私がチェルに殺されちゃう」

 エルミが少し怒ったような顔で文句を言ったが、レグルはどこ吹く風といった様子だ。


「そう言うなら、早く用件を話せ、エルミ候補生。

 迅速、正確、簡潔が砂海軍士官のモットーだろ?」

 エルミの表情につられて、レグルの口調と顔つきが変わった。

 だが、目は笑いを含んだままだ。


「なによ、急に。

 ……

 チェルは、二四日に村へ戻ったよ。

 以上、報告を終わります。

 エルミ候補生、戻ります」

 もちろん、エルミの目も笑いを含んでいる。

 それだけ言うとエルミは見事な姿勢でレグルに対して敬礼すると、きれいな動作で踵を返す。そして、集合の号令を待たず、飛行士官学生徒の群に消えていった。


 帝都から四人の村まで、一日の内に移動できる浮遊車の乗り継ぎは、ひとつしかない。

 四人に限らず村の者たちは、それを『帝都一番の便』と呼んでいた。朝一番に出るその便に乗らなければ、どこか中途半端なところで足止めになってしまう。帰る日が決まっていれば、帝都駅に何時何分までに行くかは、改めて決めるまでもないことだった。レグルとエルミの帰郷日は、一二月三一日しか選択肢がない。

 チェルがそれに合わせる予定でいたが、先に帰ったというのであればエルミとふたりで帰るだけのことだった。



 なぜ、チェルが一足先に帰郷することになったのか、その理由を今ここで聞く程に時間の余裕はない。

 まさか、クビになったとは思わないが、伝え聞く世間の様子は経済が息詰まっているように感じられている。素行に問題が無くとも、修行先が廃業なりしてしまったならどうしようもない。戦時統制下では、チェルの修行先も経営すること自体が、非難の対象になりかねない状況だった。

 エルミがどこまで事情を知っているか解らないが、村に着くまでにある程度の情報が欲しかった。


 レグルは、言いようのない、漠然とした不安に、全身が押し潰されるような錯覚に襲われていた。


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