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革職人のおじさん転生したらドワーフだったので最高の武具を作ります。  作者: 爆裂超新星ドリル


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第27話「ジビエモンスター」

初心者の森、それは新米冒険者の登竜門である。一般的な冒険者はギルドから受注したクエスト。例えば薬草採取や小型モンスターの討伐などの実績をまず初心者の森で行う。


コウジたちはタツミを除けば冒険者でもなければ狩をしたことがないものの方が多いだろう。

コウジたち、第一班はコウジ、タツミ、シルフィ ボルド ギギ ドリノの合計六人だ。その他は第二班としてコウジたちが帰還してから森へもぐることになっている。


初心者の森は特段代り映えしない普通の森のように感じた。

人間二人分くらいの背丈のある葉っぱがモサモサした木々が四方八方で育っている。

茂みがそこいらに生えてるため、いきなりモンスターに出くわす恐れもあるが、茂みの大きさから目視できないモンスターは小型に限定される。

ということは危険なモンスターは目視できるということになるが、小型だからって害がないとは限らない。

しかし、ここは初心者の森なので、キケンなモンスターなどはそうそう出くわさないはずだ。


先頭から一番実績が豊富なタツミ。その後ろにドワーフのコウジ、シルフィ、ギギ ドリノ、ボルドの順で列が出来上がっていた。一応前後から襲われても前方は冒険者のタツミが応戦し、後方はドワーフのボルドだ。肉体的に他の種族よりは耐久力があるだろうという判断である。

皆の手元には、短剣と投げナイフが3本配られていた。これらは狩で使うのだろう。


一歩一歩森を進んでいく。

途中で小さな木の実がなっている気もあったが、六人で進むこの隊で木登りをしている時に襲われたら陣形が崩れるという恐れから、木の実採取の許可は下りなかった。それもこれも、タツミの責任感からくるものであり、タツミ以外は狩初心者だけあって、余計に警戒を強めてるようだ。


とはいえ、モンスターとコウジの弟子たちの体の形状はモンスターと同じようなものだ。


アラクネ族(蜘蛛族)のシルフィは八本の腕脚に微細な毛が生えてるし、それらのおかげで垂直な壁も登れるし、頑丈な糸も出せる、この糸が万族工房の糸強度を底上げしてくれているので、ありがたい。

ケンタウロスも、四本の脚に、胴体は人間なのだ。早く力強い駆け足ができるし、高い視点から索敵も可能だろう。ギギはゴブリンだがまだ子ども同然の体つきだ。ボルドとコウジのドワーフで多少守ってやろうと思っていた。


しかし、体の骨格から短剣や投げナイフが使えるかは分かれるので、短剣を持ってるのはシルフィ以外の全員だ。シルフィは糸を吐き出せるので足止めは可能だ。援護専用という感じだ。


あくまで今回の目標はモンスターと戦うことというより、小型の生き物を討伐し、その命をいただき、革を副産物としていただくことだ。


コウジは、タツミに伺った。

「ここいらで、初心者に狩りやすいモンスターや生き物はどんななんだい?」

「モンスターに限らなければ、その辺の野ウサギくらいだろうか、モンスターでいえば、スライムかな、少し強さが増すとブルファングになるだろうか」

コウジの脳内でブルファングは日本でいうイノシシだろうかと思っていた。

「ブルファングって一直線に突進してくるアレか?」

「そうだな、まっすぐ突進するアレです。ただぶつかった時の衝撃は凄まじいので注意が必要だ。その辺の木を抉るような威力かな」

というように、太い樹木を見ながら話してた。

「どっちを狩る?」

タツミはコウジの指示に従うかのように質問した。

「ブルファングにしよう、こっちは六人だし、戦える余裕はあるだろう、みんなもそれでいいか?」

弟子たちに問うと、師匠に任せますという声だった。


そう会話していると、さっそく標的を補足したのか、前方でタツミが片手をあげ握りこぶしを作り静止した。止まって静かにしろという合図らしい。

タツミが指さす方向に小型のブルファンゴが野草を咀嚼していた。こちらには気が付いてないようだ。


タツミが和弓をゆっくりと構え、おおよそ100メートルほどの距離のブルファングの頭部あたりに狙いをさだめ、息を止めた。弓の玄がしなり、パンッという音を立てたと思うと、ものすごい勢いでファングの首元に突き刺さった。矢の威力は想定以上で、そのままファングの体勢を崩し、矢は貫通したかと思えば、野草の泥の中へ突き刺さった。


ファングの首元から、ドボドボと深紅の血が流れ、時間とともに草に付着し黒く硬化し始めた。

「やった」

ギギがそう言いながら、嬉しそうにファングに近寄る。皆も後に続く、しかし、タツミはその場で息絶えたファングの方を凝視していた。コウジはタツミの挙動に違和感を覚えながら数秒待ち、伺う。


「どうされた?」

タツミは、頭をフル回転させているようだった。ブツブツと小言を唱えて考え込んでいた。

まるで呪文のようであった。


タツミは狩人だ。弓使いということもあり、経験も豊富だ。風の向きも予測するし、風に含まれる微粒な匂いで索敵も行える。だが不測の事態というものは発生するものだ。


弓を発射させてからの数秒間は風が全く吹いてなかった。

不測の事態、それは、まさに今であった。


「みんな、その場で、止まれ」タツミが叫ぶと、ファングに駆けよっていた足がピタリと止まり、タツミの方へ振りかえる。


しかし、タツミも風が吹かなければ、何が起こるのか?何が迫っているのかは判断がつかなかった。

最善の方法を考えた結果。みんなをタツミの近くに集結させることが最善だと考えたその時。


森の奥で木々が倒れる騒音が耳に響いた。木々が倒れ、その風圧が流れるように察知する。


「新手が来る。こちらへ走れ」タツミの声は張りがあったが緊張が混じっていた。

「相手は誰だ?」

コウジがタツミに問うと。

「あれは、この場所にいるはずはない。猛獣、キメラだ。」

そいつは、虎の胴体に、尻尾だけ蛇の形をした獰猛な怪物だった。

「あれは、キメラ、普通のモンスターとは異なる存在だ。おそらく、闇の魔術師が付近にいるかもしれない。闇魔法でしかキメラは生み出せない。だが確実に強敵だ」

タツミの眼には恐れがあった。しかし、任務を全うするために、皆を逃がさなければいけない。

「みな、全速力で逃げろ。みんなのところへ戻れ」

タツミは腰のあたりから筒状の物体を取り出し、植物に妨害されないように上空へ放った。

赤い煙。信号弾だ。

コウジは「お前たち先の戻れ、俺もお前らが逃げれる時間稼ぎをする。絶対に戻るから先に行け」

コウジは罵声するかのような大声で弟子たちを逃がした。


この時。第二班は、タツミから預かった手鏡で第一班の様子を見ていた。

バリアントは既に対処を試みていた。

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