表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/43

第6話 1人目の獲物③

 「うぇっ……うぅ……」


 えづきながらも、珠凛は懸命に咥えている。


 俺は、目の前で上下に動く珠凛の頭をボーッと眺めながら、咲姉の言葉を思い出していた。


 「蒼空。その子をモノにしたら、相手に考える隙を与えないように。追い込んでセックス漬けにするの。そして、9回追い込んだら、1回は優しくして。それを2、3回繰り返したら、相手の弱点、今回の場合は……写真を消してあげて。そこまでやったら、ちゃんと目を見つめて、守ってあげると伝えてあげるの」


 「どうして、助けるようなことをするんだ?」


 「これはね、心理学的には『返報性の原理』っていうのだけれどね。人は助けられたら、無意識に報いたくなる習性があるの。だから、その局面で優しくしてあげれば、その子はお前の言いなりになるよ……性の捌け口にしてもいいし、情が湧いたら付き合ってみてもいい。ね、想像するだけで、楽しいでしょ?」


 うちの兄姉、ヤバいよな。

 あんなの敵に回したら、相手は精神崩壊で廃人決定だわ。


 そして、いま、珠凛は、咲姉の予想通りの反応をしている。あ、そろそろ限界。


 「うっ」


 俺は思わず、声を出した。


 「ケホケホッ。蒼空。もう許して……」


 珠凛は不意をつかれて、むせている。


 「いや、まだだ。約束通り満足させられなかったんだから、上に乗れよ」


 俺は換気窓の方を見た。

 窓の端が少し開いてきて、スマホのレンズが見える。花鈴だ。

 

 すると、珠凛は後ずさった。


 「ごめんなさい。それだけはイヤ……他のことなら何でも言うこと聞くから……ゆるしてください……」


 「は? 処女でもあるまいし、なにもったいつけてんの?」


 俺は語気を強めた。


 「無理……したことないの」


 珠凛は拒否した。すがるような弱々しい声だ。

 これは、自主的にさせるのは無理そうだ。


 「あのさ、さっきまでお前が俺にしてたこと、みんなにバラされてもいいの?」


 珠凛の顔面は蒼白になった。


 「そ、そんなの証拠ないじゃん」


 「ここ指定したの俺だよ? それくらいの仕込みは当然してるっしょ」


 使う気はないが、花鈴に頼んで実際に証拠は押さえている。それにしても、俺の初体験も花鈴に見られてるんだけど。微妙。


 「わかっ……た……。ゴムは? ……ハハ。ないよね……」


 珠凛は下着を脱ぐと、俺の上に跨った。


 (1回は優しくだっけ)


 俺は優しく珠凛の頬を撫でて言った。


 「俺もこういうの本当はやりたくないんだよ。だから、早く終わりにしよーよ」


 珠凛は下唇を噛んだ。


 「うん、頑張る……」


 目の前で女の子が自ら腰を沈めていく。

 

 「痛い……」


 俺の豆鉄砲で痛いってことはないと思うんだけど……。10秒ほど珠凛が動くと、おれは早々に限界になった。


 「中はダメっ」


 珠凛は懇願したが、俺は珠凛の腰を固定すると、お構いなしに中で果てた。絶対的なマウントを取る必要があるからだ。


 ま、俺は薬剤を扱っている咲姉に頼んで、男性用の避妊薬を飲んでるから子供ができることはないんだけれど。これってまだ市販されてない薬らしい。……副作用とか大丈夫なのかな?



 「酷いよ……」


 珠凛が身体を持ち上げると、俺の下着に鮮血がついていた。俺はそれを見て、内心ゾッとした。


 処女って話、本当だったのか? 

 やばい。さすがに可哀想だ。


 「最悪。死にたい……」


 珠凛はそう呟いた。


 ……死ぬのは絶対にダメだ。

 兄妹との約束を破ったら、俺が殺される。


 「そんな勝手なことして、写真をばら撒かれてもいいの?」


 珠凛は首を横に振った。


 「それは絶対にイヤぁぁ。無理……、ウチ、どうしたらいいの?」


 俺はメモを渡した。

 今回のリベンジのために確保しているアパートの住所だ。


 「明日から、毎日ここに来いよ。言うこと聞いたら、そのうち写真とか消してやるから」


 「……ほんと?」


 珠凛はメモをギュッと握った。


 「あぁ、俺は約束は守る。お前との約束を破ったことないだろ?」


 ま、そもそもお前と何かを約束したこともないんだがな。


 「……うん。あの、ウチ。痛いし。今日は早退するね……」


 倉庫の鍵は、花鈴がタイミングを見て開けてくれたらしい。


 珠凛は頷くと、荷物をまとめて出て行った。

 肩を落として、背中が小さくて。クソ生意気な珠凛は、見る影もなかった。



 それにしても、まさか処女だったとは……。



 アイツにとって、今後ずっと、俺は初めての男なのだ。



 あー、クソ。

 胸糞わるい。


 珠凛もクソだけど、俺はもっとクソだ。


 俺は珠凛を追いかけた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ