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いつもと違う朝

朝から灼熱しゃくねつの気温の中、汗だくになりながら勤務先のスーパーマーケットへ向かう。


いつもと変わらぬ朝……ではなかった。


勤務先のスーパーにたどり着くと、駐車場にパトカーやら救急車やらが騒然と停まっていて、なぜか消防車まで来ていた。

予期せぬ光景に、ただただパニック。

なに?なに?なに?

ただ事ではないと、なんとなく理解はしたんだけど、何が起きたんだろう?

パニックに(おちい)っていると、「おはようございます」と、パート仲間の沙織ちゃんが小走りで駆け寄って来た。


沙織ちゃんは私より五つ年下なのだが、私より先にこのスーパーに勤めているので、職場では先輩にあたるのだ。

私はこの職場に入ったばかりの頃、複数の人達から、いびりにあっていて、かなりの精神的ダメージを()っていた。

仕事を辞めようかと、悩んでる矢先に沙織ちゃんから声をかけられたのだ。

沙織ちゃんはグロサリー部門担当なので一緒に仕事をする事はほとんど無い。

ある日、ロッカールームで一緒になった時「堀内さんてお子さんいらっしゃるんですか?」と、声をかけてくれて、色々話しているうちに自然と仲良くなった。

私がいびられている事や、その事で悩んでいるのを(さっ)してくれていたようで、はげましの言葉をかけてくれたり、一緒に怒りや悲しみを共感してくれたりと、心の支えになってくれた。

この仕事を続けられたのは彼女のおかげなのだ。

そんなこんなで、彼女とは仕事以外でもお茶をしたり、ランチをしたり、もう五年来の付き合いになる。


私はこの状況に若干じゃっかん興奮しつつ「おはよう。なにかあったのかなぁ?」と沙織ちゃんに聞いてみた。

「私も今来たところで、全然状況が把握(はあく)できてなくて……」

「そっか」


慌ただしく店内を出入りしている警察や救急隊員を目で追い、なんとか状況を把握しようとする。

すると、どこにでも必ずいる情報通のパートのおばちゃんが、


「店長が事務所で()()()してたんだって」


と、私達に教えてくれた。

※グロサリーの仕事は生鮮食品以外の食品を取り扱い、品出し、値札貼り、補充、発注などの業務をこなします。

(菓子、飲料、酒、缶詰、米、調味料など)

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