突然の悲劇
私は沙織ちゃんに電話をかけてみた。
電話にもでない。
(絶対何かあったよね。どうしよう)
旦那に沙織ちゃんの家に送ってもらおうか悩んだ。
でも、家に居るとは限らないし……
旦那も流石に気付いて「あれ?出掛けるんじゃなかったの?」と聞いてきた。
「いや、それが……」と、事情を話した。
私が「沙織ちゃんの家に行こうか悩んでたとこなんだけど」と言うと、旦那は「連絡が来るのをもう少し待ってみよう?」と提案した。
私は旦那の提案を飲み込んで待つ事にした。
『何時でも良いから連絡下さい』とメールを入れて夕食を食べ始めた。
心配で心配で、食べ物の味がしない。
夕食を終えて、後片付けに入っても、メールは既読されていなかった。
お風呂に入っていた時だ。
旦那が「電話鳴ってるよっ!!」と風呂場の私に向かって叫んだ。
えっ!!
慌ててシャンプーを洗い流す。適当に流して、タオルを巻いてリビングへ急いで向かう。
ちゃんと拭いてないので、床中べちゃべちゃになっていたが、そんなの構っていられない。
電話の着信音はもう鳴っていなかった。
スマホを手に着信履歴を確認する。
沙織ちゃんからだ!
少し安心した。
折り返し電話をかけると……
「もしもし?」男性の声だった。
私はしどろもどろになりながら「あれ?沙織さんの携帯で間違いないでしょうか?」と聞いた。
相手は「はい、そうです。私は沙織の夫です」と答えた。
心臓が強く脈打つ。
「沙織さんに何かあったんですかっ!!」かなり大きな声を出してしまった。
ソファーでスマホゲームをしていた旦那が驚いてこちらを見た。
沙織ちゃんの旦那さんは「私が息子と帰宅すると、沙織が風呂場で手首を切って倒れていて……今病院にいます」と力なく言った。
(嘘でしょ……)
私は頭が真っ白になって、自分がどういう行動を取ればいいのかパニックになった。
「どこの病院ですか?今から行きます!」と、とっさに言うと、旦那さんは「いや、来てもらったところで面会はできないですし……また連絡しますので。すみません」と言って切られてしまった。
大変な事になった。




