知らんけど
帰宅すると、息子は出かけて家には居ないようだった。
(もう5時かぁ)
夕食の支度へ取り掛かった。
(今日のご飯は牛丼にしよ)
夕食の支度が整った頃、旦那が帰ってきた。
「ただいま」
「お帰り」
「腹へった。今日はもしかして牛丼?」
「そう。」
「匂いでわかった」
好物のメニューにテンションが上がったみたいで、ルンルンでお風呂場へ向かう。
シャワーを浴びてリビングに戻って来た旦那が「純一は?」と聞いてきた。
「まだ帰って来てないよ。アイツは不良だ」と答え、息子のスマホへメールを送る。
『ご飯出来てるよ!早く帰って来なさい!』
と送るも既読スルー。
(腹立つわぁ)
旦那に「先にご飯たべてよう?」と声をかけ、二人で夕食を食べ始めた。
「まったく純一には困ったもんだ。反抗期っつったって、皆あんな感じなのかね?」などと、どこの家庭でもあるような会話をした後、
「今日さぁ、沙織ちゃんに誘われて、店長の家に行って来たんだけど」
「ああ、昨日言ってたよね」
「それがさ、奥さんが言うには」
と、一連の話をして聞かせた。
旦那は「うーん、さすがに殺人はないでしょ」と案の定否定した。
私も「だよね。じゃあなんで自殺したんだろ?」
と、問うと「わかんないなぁ。やっぱ、悩んでた事があったんじゃないの?”店長”っていう役職、重そうだもんなぁ」と旦那は考え深く言った。
「お金の流れもわからないって言うんだよね」と私は腕組みをして、首をかしげた。
「店長の銀行口座とか調べたら、わからないのかな?」旦那が言う。
「刑事事件になってないから調べられないんじゃない?」
「そうなの?」
「知らんけど」
と、旦那といくら話したところで真相はわかるはずがなかった。
ふと時計を見ると、 「あらっ!もう21時でしょ!アイツ何やってんだよ」息子が帰って来ない事に苛立った。
(鍵かけて、家の中に入れてやらないから)
と考えてる矢先に、ガチャっと玄関のドアを開ける音がした。
私の怒りはマックス。
その後の流れは、だいたいの家庭で行われているとおりのやり取りだ。
私と息子の言い合いが一通り終わり、私が「ご飯早く食べちゃいなさい!」と言うと、「友達と飯食ってきたから」と言って自分の部屋へ籠った。
中学生でこれって、もうヤンキー街道まっしぐらじゃん。
それにしても旦那は息子に何にも言わないんだから。
旦那にも苛立ちを感じていた。




