1_ティカ
長編を書くのは無理でした。申し訳ありません。これ以外にも投稿していない短編はたくさんありますがひとまず短編集という形でこの話をいくつか投稿します。
「今日もいい天気だな~。」
「本当ですね。風も気持ちいいです。」
今日もサシャと一緒に近くの草原までピクニックに来ている。ここは私のお気に入りの場所の一つでもある。草の上に座り、バスケットの中からサンドイッチを取り出す。サシャにも分けてあげて一緒に食べる。
「美味しいです」
「ふふっ、良かった。たくさん作ってきたからどんどん食べようね?」
「はい」
本当に可愛い子だ。獣人は基本美しい顔立ちをしていることが多いのだが、サシャはそのなかでも上位に入るだろう。というか人間族より美形が多い気がする。いつかは自分も獣人と子供を作りたいと思っているが、今はこうしてサシャとのんびりする時間を大切にしたいと思う。
「ティカ様、今日の夜ご飯は何にしましょう?」
「うーん……何か食べたいものでもあるの?」
「いえ、あ、でもシーラが海獣仕留めたから持って帰ると連絡してきました」
「お、いいね。それじゃあ今夜は海鮮パーティかな?」
「はい!楽しみです♪」
サシャとはなんでも話せる仲である。しかし、サシャはメイド長である。そのためあまり感情を表に出さずクールに振る舞っている。そのつもりなのだろうが私にはわかる。サシャはよく笑うしよく怒る。そしてとても優しい女の子なのだ。だから私は彼女を気に入っているし信頼している。
さあ、そろそろ帰ろうかという時に急に強い魔力を感じた。
「あ、これは…」
「はあ、またですか…注意しておきます」
この魔力はメイドの一人のデューのものだろう。彼女も獣人である。ただ彼女は犬系の獣人である。しかも巨乳だ。羨ましい。そんなことを考えていると屋敷が見えてきた。
「あれ?なんか騒がしくない?」
「そうですね……」
「あ!ティカ様あ~!」
ブンブンと手を振っているのはリューだ。そのそばには海獣が横たわっており使用人が集まっている。
「ただいま、みんな」
「「「「おかえりなさいませ」」」」
寸分狂わないタイミングで皆が挨拶をしてくる。
「おーこれがシーラが仕留めた海獣か…」
大型トラックくらいはある。しかも2匹。これだけあればみんなおなか一杯にできるだろう。
「シーラは?」
「まだ解体作業中ですよ」
「そっか、私も手伝おうと思ったんだけどな……」
「ご主人さまがそのようなことをする必要はありませんよ?」
「えーだって…」
「だめです。こういうのは使用人に任せて座ってればいいんです」
むぅ……確かに前世では動物を解体したことなんてなかったけど……。
「まあまあ、ティカ様にも手伝ってもらいましょう?どうせ暇なんだから」
「サシャ……」
こうして私たちの日常は続いていく。