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バースデー

地帝国タイタンの王であり、この世界の節目に誕生する魔王の生まれ変わりでありゴーレムマスターでもある二代目ラビタスは異世界から来た転生者である。



そんなラビタスは、自身の欲望を叶える為に自身の泥魔法を使って製作した泥人形に生命を与えることの出来る『賢者の石』を掛け合わせ、新種のゴーレム『ラビ・ゴーレム』を誕生させることに成功した…


しかし、そんなラビ・ゴーレムの本体にラビタスと同じ異世界から来た『夢見 姫』と言う17歳の少女が転生してしまった!


そんなラビ・ゴーレムに転生した通称『ヒメ』の容姿は、完璧すぎる程の美人ではあるがその中身の『ヒメ』と言う人物は、元々の精神年齢の低さや現実世界での彼女の生き様も相まってラビタスが思い描いた『理想の女性』の条件である『美人で清楚』の清楚の部分が欠落していた…


しかしながら、ヒメを制作したラビタスはそんなヒメに対して特別な感情を抱いていた…その感情は当事者であるラビタス自身もその感情が <異性への愛や恋なのか・自身の子供に対する親ごろ心なのか・はたまた同じ境遇を持つ人間への同情心なのか…> 定かではなかった…



そんな迷えるラビタスは一つの決断を下した…それはヒメに対する自分自身の感情の是非を問うために新たな女性型ゴーレムを制作する事であった。


そんなラビタスは自身の真意を確かめる為、新たに生み出す理想のゴーレム達と特別な感情を自身にもたらす『ヒメ』を天秤にかけ、自分自身が求めている『最愛』を浮き彫りするために行動を開始するのであった…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この異世界からの脱出する手段がデーモン・ゲートを抜けた先に存在すると信じ、味方であるはずのラビタスの言葉に耳を傾けず、頑なに扉の先を求めるヒメ…


そんな猪突猛進なヒメを立ち止まらす為に、この世界での彼女の生みの親であるラビタスが一人…強大な魔力を得たヒメとのお互いの意地とプライドをかけた闘いを繰り広げる事になった…


そんな戦いの中、自身の魔力を制御出来ずに暴走するヒメに対してラビタスは何とか彼女を我に返す事に成功した…


しかし、その代償は大きく…ラビタスは自身の左腕を失ってしまった…




激しい戦いを終えた次の日…


ラビタスの世話係である爺のチブーの助言もありラビタスは自身の回復系の泥魔法を駆使し、欠損した左腕の代わりとなる義手を制作していた。


お世話係のチブーの話によると、ラビタスが完全に本来の力を取り戻す事が出来れば義手では無い本来の左腕が再生出来る力が発現すると説明を受けた。




そんな中、ラビタスの拠点であるモスク城の一室では、力を使い果たし一向に目覚める気配の無いヒメを看病しながらラビタスはとある計画を練っていた…



「…なぁ爺…決めたよ!俺!新たに女性型のグー・ゴーレムを作ろうと思うんだ!」


「ほぉ〜グー・ゴーレムですか?しかも女性型を?…もしやラビタス様…何やらスケベな事を考えておりますな!?」


「違う違う!別にハーレムを作ろうとしてるんじゃないよ!!ただ俺自身の本当に気持ちを確かめたくて!」


「本当の気持ち?私はてっきり、ヒメ様が手に負えないからヒメ様を見限って他の女性とイチャイチャしようと企んでおられるのかと思いましたよ?」



爺のラビタスの男心を的確に予測した発言に『それはそれでアリかも』とラビタスの不純な自分が一瞬顔を覗かせた。



「まぁ…その気持ちもゼロじゃないけど、本当の気持ちはと言うと…それはヒメに対する気持ちを確かめる為なんだ! 確かに爺の言う通りヒメは俺の手には負えないほどのジャジャ馬だよ。しかし、ヒメは俺の理想を具現化したような美しい容姿をしている。けど、彼女の性格は俺の理想とは180度違っている。だって俺…清楚系が好きなんだもん!!」



身勝手なラビタスの見解にチブーは自身の主人であるラビタスに対して的確な助言を言い放った。


「だもん…?…ま〜好きなタイプが違い過ぎると言う見解以前に、ヒメ様はラビタス様に異性としての恋愛感情が全くないと私は認識しております… 尚且つ、ヒメ様の性格には難が多すぎます…それに拍車を掛けるようにヒメ様は強すぎます!

そんな強者でもあるヒメ様の猪突猛進の性格に強大な魔力が相まった時に、普通の妻候補ではなく最大の敵としてもう一度ラビタス様の前に立ち塞がるでしょう…」


「結果、ヒメ様の代わりに貴方様を愛してくれる女性を新たに作りたいとラビタス様はお考えになった!っと私の答えは行きつきました…私の見解は間違っていますかな?」



全てにおいて的を得ていた爺の分析に主人であるラビタスは改めて爺の優秀さんに舌を巻いた。


「流石爺…凄い分析力だ!…けれど、爺の見解は半分正解で半分間違えているよ!」


「ほぉう!?…では、ラビタス様の真意をお聞かせ願えますかな?」



爺の問いかけに、ラビタスはヒメに対する自身が思い悩んでいる事柄を俯瞰的な立ち位置で素直に答えた。




「そもそも俺がヒメの原型になったラビ・ゴーレムのシスを作った目的は他でもない…俺が理想とする容姿の彼女を作る事…その彼女が俺を愛し、俺の最愛の花嫁になってくれる事を… けれど、全て望み通りには行かなかった… シスは俺の求める至高の容姿を備えこの世界に生誕した…しかしその命は一瞬で、儚くこの世界から消えてしまった…」


「しかし…シスを失った悲しみを一瞬で置き去りにする程の奇跡を俺は遭遇する事になった…それが、シスがヒメとして復活した事だった! 何より今の俺が生きる原動力は、シスが誕生してから、ヒメが眠りに着く今に至るまで全てがシスでもあるヒメに対する愛で動いているんだ!」




爺はラビタスの意見を踏まえた上で、改めてラビタスの言っている事の意味が理解出来ずにいた。


「愛…では何故新しい女型のゴーレムを制作しようと?ヒメ様を愛しているのであれば他の女型のゴーレムは必要ないのでは?何よりヒメ様が一人いれば十分なのでは?」


喜怒哀楽の感情が豊かな元人間であるラビタスよりも、『愛』の感情が欠如している筈の魔物であるチブーの方が『愛』について感情の理解が深いという逆転現状が生じていた…


「なぁ爺…突然だけど俺には、自分ルールって奴が存在するんだ。 俺は時々自分自身が何をしたいのか分からない時があるんだ…そんな迷いが生まれた時に俺は、いつもやっている決め事があるんだ。それが…『全て試す』なんだ」



「全て試す…とは?」



「ぶっちゃけ、ヒメに対する感情が純粋なのか不純なのかもわからない…そして俺が彼女に対する『愛』が他人に対しての愛か・身内に対してなのか愛か…そもそも俺は、愛と恋の違いも良く理解していないんだ…」 


「そんな迷いだらけの俺は、俺ルールを実行して俺自身がヒメをどう思っているのかを炙り出したいんだ。何より、俺がヒメに対して抱く感情が『純愛』なのかを確かめるために… その為には俺の理想の見た目をした女性がヒメだけじゃ足りないんだ…だから俺は新たに人間に近い女性化型グー・ゴーレムを数体、制作しようと心に決めたんだ!」



「なるほど…流石です!」


「え!?…意外だな。わがまますぎて逆に怒られるかと思ったよ!」


ラビタスのその傲慢な発想に怒りを覚えると思われた爺は逆に傲慢なラビタスに対して感動していた。



「その考え方…昔のラビタス様そっくりでございます!その純粋な欲望!そしてその不器用さ!これこそ、私が知るラビタス様でございます!」



「ははは…それなら良かったよ」

(よくよく考えたら、ここは魔物の世界…元の世界で後ろ指刺される事もこの世界では許される…何よりここは俺の国で俺がルールなんだ!俺のやろうとしてる事が道徳的に間違っていても、それはこの世界でなら許される)


(…改めて思う…元の世界の秩序は俺に自由を奪っていた…そして、この世界こそが俺に本当の自分を思い出せてくれた…この世界こそが俺の存在すべき場所なんだ…)



魔王に転生した二代目ラビタスは自分の理性や欲望を抑えること無く、自分が信じる自由を求め己の信念を突き進む…





その日の夜…


ラビタスはヒメとは全く違うタイプの性格の女性二人をイメージしていた。そんなラビタスはその二人を具現化するために2体の女性型グー・ゴーレムの制作を開始していた。



ー グー・ゴーレムとは、ラビタスの肉体の一部と彼の泥魔法から制作された泥人形を掛け合わせて誕生する知能の高いゴーレムの事を指す。




ラビタスは転生前の現実世界から趣味として行っていた人形作り・プラモデル作りのノウハウを活かして人間に近い泥人形を制作していた。


(死ぬ前に最新の人形プラモデルを制作していて良かった…現在の最新技術を取り入れたプラモデルを触っていなかったらこの二人以前にシスも誕生していなかったしな…)




『ギュギュ…ペタペタ…』

人形作りの職人と化したラビタスは、ひたすらに自身の魔法が宿った泥を圧縮・加工し新型のグー・ゴーレムの土台となる骨格作りに励んでいた。



(まずは、背骨の元になる細かい骨を24個…これが二人分だから、合計48個必要になる… あとは、肩骨に…一番綺麗に見せたい鎖骨…)



『どんどんどん…ペタペタ…トントン…』



ー 作業開始から15日後…時間は真夜中…



何と!ラビタスは途轍もない集中力で15日間一睡も眠る事なく、新型のグー・ゴーレム2体分の骨格を作り上げていた。



「ふぅ…第一段階完成…よし…一旦寝るか…」


「…」


「いや…その前にする事があるか…」



極度の眠気を堪えながら、千鳥足のラビタスは自身の拠点であるモスク城のとある一室に出向いていた。



『トン!トン!!』

「入るよ!」

「……」

『ギィ〜』


ふらつくラビタスが入った豪華絢爛な部屋には、美しい寝顔を見せるヒメが16日間眠り続けていた。


「会いに来たよ…ヒメ…」


ラビタスは、眠り続けるヒメの目の前でそっとしゃがみ込み、改めて彼女に謝罪をした。


「長い時間会いに来れなくてごめんよ…今、君の妹達を作っているんだ。君が目覚めるのが先か・妹達が誕生するのが先か…君は君に妹ができる事どう思うかな?…何より、簡単に命を生み出す俺になんて思うかな…」


意識朦朧の中、ラビタスは今自分が行おうとしている神に等しい行為に対しての葛藤を眠れるヒメに吐露していた。



「…」


「やっぱり俺のやっている事は間違っている…けど俺は…俺の信念の行き着く先を見てみたいんだ…だから、俺の言動が間違っていても、俺は自分に嘘は付けない…俺は生まれ変わってもオレにしかなれないんだ… もし未来が間違っていたらその後に、その結果の最善を考えるよ…だから今日はもう…寝る…よ」



ラビタスは不器用な自分自身と葛藤しながら全ての体力を使い切り、ヒメが眠るベットの横で深い眠りに着くラビタス…



次の日の朝、体力が回復したラビタスは早速グー・ゴーレム作りを再開していた。





ー ヒメが眠り続けて29日後… ラビタスのRG・ゴーレム作りは最終局面を迎えていた…




ラビタスは、完成していた頭部以外の骨格を全て一つに繋げ、その骨格の周りに柔軟性の高い泥・その上に皮膚に近い触感の泥を泥魔法で二層構造で再現し当てがった。


ラビタスは、体型の違う2体のグー・ゴーレムのボディーを仰向けで寝かせ、2体に備わっていない二つの頭部をテーブルの上から丁寧に持ち上げた。


「やっとこの時が来たか…今、グー・ゴーレムのステージが一つ…いや二つ上がったグー・ゴーレム…『RリアルGグー・ゴーレム』が今誕生する!!」



『カッチ!』『カッチ!』

ラビタスは『RG・ゴーレム』と名付けた新型の2体のGゴーレムのボディーにそれぞれの体型に合った頭部を結合させた。




まずは、身長173cmの高身長のRG・ゴーレムには、鼻の高いクール系の顔を模した頭部を結合させた。

一方の身長151cmの低身長なRG・ゴーレムには、目がパッチリとして幼い顔立ちが特徴の顔を持った頭部を結合させた。




そんな2体の頭部には髪の毛が一本だけ生えていた。そんな髪の毛はラビタスが自身の髪の毛を一本ずつ彼女らの頭部に移植していた。


「あとは、俺の左腕を分解した『上腕』と『前腕』をこの子達と融合させるだけ…きっとこの子達なら俺の魔力に打ち勝ってくれるはず…」



ラビタスはRG・ゴーレムを制作する前に爺であるチブーの助言を思い出していた。


(そもそも俺の体の一部を媒介にした誕生したグー・ゴーレムは、媒介である俺の体の一部から発生される魔力を制御出来る程の本体の強度がなければ、その体に宿った魂を維持することが出来ないらしい。そう!媒介の強さにあった強度な体を製作できなければ、魂が宿った瞬間!媒介の魔力に体が飲み込まれてゴーレムの体は一瞬で粉々に砕け散るらしい)


(今回この子達に使用する俺の体の一部は、爺に使用した指の骨の15倍ほど魔力が宿っているらしい…俺が丹精込めて作り上げたこの子達の体は、媒介が放つ魔力に打ち勝ってくれるのか?…)



不安と期待が入り混じった自分自身の感情を抑え込むように、ラビタスは己の心を己の言葉で奮い立たせた。


(きっと大丈夫さ!シスを生み出して…すぐに彼女を失った時の悲しが今の俺を突き動かしている。 もう2度とあんな悲しみを味わってたまるか!俺はもう同じ失敗を繰り返さない。…さぁ自分の努力を信じてみよう!!)




最後の決心がついたラビタスは、丁寧に保存して合った自身の左腕を半分に分け、それぞれの部位に願いを込めた魔力を注ぎ込んだ…


「背の高い方は『セネ』…思いやりがある上品な女性…」

「背の低い方は『カイル』…明るく可愛げのある女の子…」


「さぁ!目覚めるんだ!!俺のRG・ゴーレム達!!」



『グググッ………!!』

ラビタスは願い込めた自身の部位を『セネ』…『カイル』…の順にそれぞれの頭の中に注入していった…



『バリバリバリ…………』


RG・ゴーレムにラビタスの部位が全て注ぎ込まれて10秒が経過した頃…2体のRG・ゴーレムからモスク城の外へ飛び出すほどの凄まじい衝撃波が放出された。



「始まった…生まれる…生まれるぞ!」



『ゴゴゴ………』


次の瞬間、それぞれのRG・ゴーレムの頭部に一本しか生えていなかった毛がみるみるうちに増殖を始め、『セネ』には薄紫の髪色!『カイル』にはオレンジ色の髪の毛が一気に生え揃った。


そして全ての髪の毛が生え終えると、ラビタスは彼女らの体内から湧き上がる強力な魔力と正気の発生を感じ取った。


「か…完成したのか?」



『………』


『パッチリ』


ついに!ラビタス待望のその瞬間が訪れた!!



2体のRG・ゴーレムはほぼ同時に起き上がり、ゆっくりと瞼を開き…その吸い込まれそうな銀色の瞳で主人であるラビタスを直視した。



『………』『………』


「…おはようございます!ラー様」

一番最初に高身長の『セネ』がその上品な顔立ちから物腰の柔らかい挨拶がラビタスに向けられた。



『ドドドッーー』『……ギュっ』

「ラビ様〜!会いたかったよ〜」


次に、低身長のカイルが勢い良くラビタスに抱きついて来た。


(やった!成功したぞ!!)


それぞれのRG・ゴーレム達はラビタスに向けて様々な表現を覗かせてくれた。


ラビタスが製作したそのRG・ゴーレムは、その見た目・その表情に全てのタイタン国民が人間と見間違える程の完成度の高さであった。


ラビタスは二人の完成を喜ぶ前に、彼女らの体に頬を赤く染め目線を斜め上にずらし彼女らに一番最初の命令を下した。



「わ…悪い二人とも!お前達の誕生を喜ぶ前に一言言わせてくれないか…」



「…何でしょう?ラー様?」


ラビタスの恥ずかしそうな表情と一番最初の命令に、誕生したばかりの二人は同時に息を呑んだ…



「服…服を着てくれないか?流石に二人の裸は俺の目には毒過ぎるよ!」


生命が宿ったRG・ゴーレムの二人に対して一瞬のうちに羞恥心が湧き上がったラビタスであった。



ラビタスを崇拝する彼女らに取っては意外過ぎる発言に、それぞれ別の表情ではあったがラビタスが自分達を異性として認め、その上で気配りをしてくれた事に感動を覚えた二人であった。



「裸の事?…まぁ恥ずかしくないと言えば嘘になるけど、ラビ様の命令なら僕達ずっと裸でもいいよ!」



ラビタスは、今のカイルの発言とそのカイルの言葉に賛同するように頷くセネの表情から彼女ら二人は、自分の事を神と同等の存在として認識しているのだと実感できた。




ー 兎にも角にも、主人であるラビタスの命令により爺であるチブーが用意した人間用の衣装をそれぞれが自分が好きな衣類などを選定し、今一度ラビタスが待つ大部屋へ舞い戻ってきた。



「おー良いじゃあないか!?二人とも似合っているぞ!」


「本当ですか?嬉しいです」

「わーい!ラビ様に褒めらた〜」


ラビタスの目の前にはそれぞれがラビタスが思い描いた通りのRG・ゴーレムであり、その容姿・言動・自身でチョイスした衣装のセンスに至るまでほぼ全てがラビタスが作り上げたかった女性像そのものだった。



(ここまでの二人は、俺の理想通りの女性そのものだ!あとは耐久性のみ…)


ラビタスが二人のRG・ゴーレムに求める最後の条件は、彼女達が自身の魔力を最大限にコントロール出来るかが一番の不安材料であった。




「…」「なぁ二人とも!産まれたばかりで申し訳ないんだが、明日俺と一緒に体を動かさないか?君たちがどれくらい動けるかみたいんだ」




「僕は全然構わないよ!セネ姐も大丈夫だよね?」


「勿論私も構いませんよ」



『ビリビリビリビリ…』


平然とラビタスの問いかけに答える二人であったが、彼女らが無意識に放つ強力な魔力をラビタスは脅威に感じていた。

そんな未知数の魔力を秘めた二人に対してラビタスは自身が最初に製作した新種の魔物、ラビ・ゴーレムのヒメの様に自身の強力過ぎる魔力に自我を失い魔力暴走を引き起こさないか懸念していたのであった。



「そうと決まれば二人とも!!準備が出来たら俺と一緒に出掛けよう!」


「はい!」

「わーい楽しみ!」




ラビタスは、セネ・カイルの2人のRG・ゴーレムとしての完成度の高さを図るための機能訓練を兼ねた最終試験を実施するため、モスク城を後にした…



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