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7話 ちょっとした取引をしてみる事になる

 あぁああああ! あのクソ豚デブ肥満体型の帝王がぁあああ!


「ニュクス様」


「何! ミラ!」


 ミラは私の専属メイドである。

 私の本性をしている数少ない理解者(?)である。


「イライラしているのは分かりますが、ガイア様のパンツ(25日前)を被ってベットを蹴るのは、止めて頂けませんか?」


「仕方ないじゃない! 私の無力の無能のせいで! ガイアお兄様が島流しにしれたんだからぁ!」


「それの何が仕方ないのかは全くもって天変地異が起こっても分かる事はないですが、ニュクス様は無能ではないですよ」


「はぁあああ、スウウウウ。まぁ、ありがとう」


「(はぁ。めんどくさ。つかキモ。いやまぁ別に嫌いじゃないです? これがなければ。才色兼備であるニュクス様の専属メイドって本当に素晴らしい地位ですよ? だけど、これは無いわぁ。もう182枚だよ。全く。隠し通して来た私の身にもなって欲しい)どうしてこんな人の専属なんだろ、私。私もガイア様の専属メイド、もう執事でも良いですよ。全く」


「ミラ、せめて建前は用意しなさい」


 さて、私の愛するガイアお兄様のパンツはベットの下にある隠し部屋に行けるスイッチを押して、隠し部屋に隠しておく。


 冷静になった所で色々と整理しようかな。


「速く私もスキルを授かりたい。欲を言えば生産系で」


 そして、マーキング魔法を使えるようにガイアお兄様の持ち物に入れていた物を使ってガイアお兄様の所に行くんだ!

 スキルを授かってから!

 待っていてくださいガイアお兄様!


「あ、ちなみに一緒に行きたいと申している人のリストはきちんと纏めてますよ。当然私もついて行きます」


「そうね。ガイアお兄様をきちんと理解している人はガイアお兄様について行きたいと思うわよね。さて、難民でついて来たいって人は何人いる?」


「全員です」


「だよね」


 難民、この帝国は実力主義のバカ帝王が政治を行っている。

 武器などを生産しているのは貴族だけであり、他の国民が生産系のスキルを授かっても意味が無く、稼げないで難民となる。

 戦闘系スキル持ちだけがチヤホヤされて普通の生活が遅れる。

 この帝国で働ける職業は騎士のみ。

 冒険者ギルドはここには無い。


 下水道の掃除も戦争に負けた人を奴隷として使っている。

 農業もそうだ。

 帝王バカのせいで国内自給率はとても低く、文明も低い。

 ただ、数と戦闘系スキル持ちのみで構成された兵士達で何とか帝国が成り立っている状態。

 農業は全て手に入れた植民地から税収として奪い取り、戦闘系スキル持ちのみに回される。

 その場所の農業も負けた人達で奴隷である。

 使い潰し、死んだら畑の栄養となる。

 他国との外交も全然行わず、輸入輸出が行えず、経済も文明も発展しない。

 家の兄弟姉妹が優秀なスキルを持っていようが、いずれ武器の性能が足りなくなる。

 食料も無くなっていく。


「いずれ、この国は潰れる。あのバカのせいで! なんで現状把握しようとしないかなぁ! 武器も他国の方が完全に優秀じゃん! ドワーフ製の武器やエルフ製のポーションも取引出来ないしいい! あああもう嫌! なんでその中で固有天賦ユニークスキルのしかも、生産系のガイアお兄様を島流しにするかなぁ! なんだよお前の勝手で援助してんだろ! ガイアお兄様に会いたあああいいい!」


 難民に渡っている食料はガイアお兄様が内緒で行っていた。

 バカに見つからないように気をつけながら、今は私が行っている。

 それに、最近嫌な予感がする。

 ガイアお兄様の近くに女がいる、そんな嫌な感じが。


「でもニュクス様、大勢の人をどうやって運ぶんですか?」


「それはツテを使うわ。ねぇ、ミラ。この国、後何ヶ月、或いは何年持つと思う?」


「ニュクス様達が出て行ってから4ヶ月程かと」


「ま、だよね」


 何故なら、生産系スキル持ちの貴族達は自分達で武器を作らず、難民や奴隷を使っているからだ。

 それに、気づかないバカは、バカと言う事だ。

 やばい。もう1回ガイアお兄様の匂いを嗅がないと頭がパンクする。


「ニュクス様、そろそろご飯になります」


「あ、はい」


 貴族に仕える事が出来た人は、或る意味幸せなのかもしれない。


 ◇


 僕達が島の外周を回っていると、大きな鳥に乗った人が降りて来た。


「こんな所に島なんてあったけか? まぁいいか。休もう」


 そんな声を聞いて僕達は近づく。


「あの鳥は爆破しがいがありそうだな」


「止めて!」


「あれはなんだ?」


「多分、商業ギルドの空郵便だよ。あのような手懐けられる大きな魔物を使って、遠い場所に荷物を届ける仕事」


 その人に僕達は近づくと、相手も僕達を見つけたようだ。


「せ、先住民? お前達はここに暮らしているのか? こんな島長年やっているけど見た事ないんだが」


 おじさんが気さくにそう話して来た。


「そうなんですか? 少し、話してくれませんか?」


「おう。休むついでだ」


 おじさんの話では、元々ここには島は無いとの事。

 ここら辺を最後に通ったのは8ヶ月前との事。


「そこそこ大きめだったし、そんなすぐに島って出来んのかね?」


「どうなんでしょうね」


 この仕事は郵便以外にも買い物等が出来るのだが、売れる物や買える金がない。

 そもそも帝国では帝国内でしか使えない貨幣しかない。


「なぁ、この世界に花火はあるか?」


「ミオ?」


「ハナビってのはなんだ?」


「花と火と言う字で花火だ。空に打ち上げてドンバンバババって感じになる奴」


 いや、分からん。


「当然それ以外もある。なぁ、紙、持ってるか?」


「ああ」


「貸してくれぬか?」


「まぁ、紙なら」


「ガイド、火薬の種類はきちんと変えれるよな?」


 ・はい。


「オーケー。ガイア、アタシが言う火薬をクラフトしろ」


 ミオは紙に何かを書いている。

 僕は言われた通りの火薬をクラフトして、ミサは皮を持って来る。

 ミオがそれらを受け取り、色々と作業をして、棒を適当に突き刺した。


「流石に打ち上げ花火は出来んが、遊ぶ程度ならこんなんでいいだろ」


「澪、手馴れているな」


「ま、作ってやると子供達の笑顔が見れるからな。慣れているのだよ」


 それから焚き火を持って来て、火をつけた。

 棒の先端を下に向ける。


「少し離れておけ」


 そして、ボウっと音がなり、赤色の光が地面に向かって音を鳴らして出て来る。


「なぁ商人って事で良いよな?」


「あ、ああ」


「いっちょ取引だ。これを夜にやれば綺麗だ。色んな人に喜ばれるし、商人が知らないって事は一般化してない筈だ。貴族の贈る芸とかにも使えるだろう。空に打ち上げる物も作れる」


「確かに。魔法を空に打ち上げて爆発させるのはあるが、カラフルには出来ない。この⋯⋯花火? では出来るんだな」


「ああ。3本しか作れなかったから、2本渡す。夜にでも適当な金持ちの物好きな貴族に見せてやれ、それでどのくらいの値が付くか教えて欲しい。手間になるかもしれんが、成功したらお前も儲け物だろ?」


 おじさんは考えるようにして、数秒間考えて、頭を縦に振った。


「ああ。頼むよ」


 おじさんはミオから花火を受け取って荷物袋に入れた。


「フンフフン。おいおっさん、それに火を近づけるな。荷物袋に一緒に入れるな」


「ん? 分かった。にしてもよく分かったな」


「まぁな」


「おじさん名前は?」


「ナカサだ」


 ナカサさんは仕事に戻って行った。

 そして、僕はミサに疑問を投げ掛けた。


「なんで分かったの? 前回のオークの不意打ちも気づいていたよね?」


「ああ。私は暗殺者家業のせいで、第六感が身についたんだよ。殺す者と老衰以外で死ぬ者の臭い、死臭が分かるんだ。殺す方とやられる程の臭いは違う。さっきのは死ぬ方の臭いがした」


 そ、そんな特殊能力を持っていたのか。


「ふむ。アタシはもうすぐ寿命が尽きる人は死臭で分かるぞ」


 こっちもこっちで凄かった!

お時間頂き感謝致します

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