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6話 植物は魔物になるらしい

 ラオは小屋の横に窓が破壊された小屋があるのでそこに寝袋を設置して休んでもらう。


「流石は恐竜。なかなかの強さだった」


「そのようだな。さて、ここに来てから数日跨いだ訳だが、そこでアタシは1つの仮説を立てた。それが、アタシ達作られた存在もスキルがある、と言う物だ」


「へー」


「少しは興味を持たんか。美沙の場合、背後からの攻撃、或いは不意打ちの時に攻撃力が上がる、そんな感じだろう」


「まぁ確かに。死角から攻撃した時、オークの体って柔らかく感じるんだよね」


「アタシはまだ分からぬが、我々もスキル持ちと言う仮説は濃厚だろう。で、ガイア。何を見ている?」


「いや、リンガ⋯⋯リンゴが成ってるなと思って」


「確かにな。旬とか関係なく育つのかもな」


 外に出て、ミサがリンゴを回収して持って来てくれる。

 皮を高速で切って、中身も切り分けてくれる。

 1口食べる。


「⋯⋯ッ!」


 口いっぱいに広がる酸味に甘味。

 普通に美味しかった。ミサとミオも無言で食べている。

 最初はこの2人、喧嘩が多かったけど、最近はあまりないな。

 寝る時僕が苦しい思いをするくらいだ。

 なんか、肺が強く成っている気がする。


「ガアアア!」


「ほう。ここまでオークが降りて来たな」


「呑気な事言っている場合ですか!」


 なんで、今まで1度も浅い所に来なかったオークがここに?

 しかも、完全に僕達の場所を把握した上で、僕達を狙って来ている。

 オークの目はミサをロックオンしてあった。

 でも、ミサなら勝てるんじゃないか?


 そんな事を思っていたけど、ミサは冷や汗をかいていた。


「チッ。私も平和ボケしたな。武器部屋に置いてきちまった」


「クラフトポイントで武器も作れん。それにアタシも爆弾を持って来ておらん。この小型設置式爆弾しかな」


「それがあれば!」


「ガイア無理だよ。澪のそれは人を1人確実に殺す用の爆弾だから、あれに意味は無い」


「左様」


「じゃあ、どうしろと」


 オークは家に僕達を入れないように、家の方に回ってから攻めて来ている。

 オークはそこまで知性が高い魔物ではなかった筈だ。

 つまり、誰かが指揮を取っている可能性が高い。

 どうしよう。


「ギャアアア!」


「ガアア!」


「ラオ!」


 ラオが飛び出て来て、オークへと噛み付いた。

 オークは苦しみ、手に持っていた斧をラオへと振り下ろす。

 横へとステップして躱し、オークの体へと爪を食い込ませてしがみつき、牙で肉を引きちぎっている。

 畑にある木の実をオークが踏み付けて壊す。


「ッ!」


 僕は無力感を感じていた。

 何も出来ない、自分が悔しい。


「ガアアア!」


「ッ! ミオ、その爆弾ミサに持たせて! ミサはそれをオークの口の中に入れて!」


「無茶言うねぇ。ま、別に出来るけどさ。ミオ、ちょうだい」


「あいよ」


 ミサはミオから爆弾を受け取る。

 薬指サイズの爆弾を受け取り、ミサはオークの元へと向かって走った。

 オークの近くに来てから跳躍して、オークの体をステップで上った。

 オークがラオの攻撃に苦しんで叫んだ隙に口の中に放り込んだ。

 ミサはオークを蹴飛ばして後ろへと下がる。


「ラオ、一応下がっておれ」


「ギャア!」


 ラオも素直に下がる。

 ラオは人の言葉が分かる賢い子である。


「さぁ。せめて良い花火を散らしてくれ」


 ボン! そう大きな爆音が鳴り、一瞬オークの腹が膨らんだ。

 オークがゆっくりと両膝を付いて、前に倒れた。

 ドン、と大きな音が鳴り倒れたオークにラオが飛び付いて、食べ始めた。


「弾けなかった。クソ!」


「ラオ! 食べちゃダメ!」


「ギャア? ぎ、ギャア」


「ラオ!」


 急いでラオに近づいて行く。

 ラオが苦渋の顔で苦しみ、地面をのたうち回る。

 爪で何回も地面を削り、歯を食いしばる。


「ラオ! 大丈夫、ラオ!」


「ギャアアアア! ギャア?」


「ラオ!」


 ゆっくりと立ち上がるラオ。

 ぴょんぴょんと飛び跳ねてペロリと舐めてくるラオ。

 良かった。本当に良かった。


 その後、ラオを数分間撫で回して、オークの死体を処理する事に決めた。

 ラオはそれから普通にオークの肉を食べるようになった。


「ふむ。少し大きくなったか?」


「気のせいじゃない?」


「そうかぁ?」


 肉はラオが食べて処理し、骨は骨粉にして畑に埋めておく。

 爆弾の影響か、腹部の骨はボロボロで、魔石も粉々だった。


「儚い」


「小型でこの威力。流石は爆裂魔」


「弾ける姿が見れなかった。これはアタシの人生の汚点だ。今後、クラフトポイントに余裕がもてたらオークだろうが、ドラゴンだろうが、弾けるような小型の爆弾を作ってやる!」


「お前ならやりかねないな。ガイアにやるなよ?」


「やらなぇわ。言っておるだろ? アタシは子供が好きなんだ。幼女だろうが、少年だろうが、愛せる自信があるくらいにな」


「それはそれで、キモくね?」


「ミサ、アタシだって悲しむ時はあるんだぞ? ま、今のは特に違うのだが」


 2人は前世? 前の世界で知り合いだったかのように話せる。

 その場合、僕は蚊帳の外になるので、ラオとおしゃべりする。

 と、言ってもラオの言語は分からないので僕が一方的に話しているだけだ。


「ヘルプ、畑踏まれたけど、本当に大丈夫?」


 ・はい。

 ・生命エネルギーがある物を土の中に埋めておけば、生命エネルギーを吸収して作物の成長を促進させてくれます。

 ・注意するべき点は成長し過ぎて食べれない状態になったり、食虫植物になったり、魔物化させないように注意する事ですね。


「え、作物って魔物になるの?」


 ・長年濃い魔力を受けたり、魔物の生命エネルギーで育った作物は魔物になったりします。


 それは、注意せねば!

 魔物になったら嫌だ! 絶対他の木の実もダメになる!

 やっとジャガイモも育って、焼きジャガイモが食べれるようになったのに!

 ミカン、好物だったのに、木の根っこも出てしまった。



 ちなみに人数的に僕が2人の知識に合わせるようにしている。



 ◇



「だあぁああああ! クッソ! なんでこんなにやられてんのさぁ! ふざけんなぁ! 誰だよ毎日毎日倒しやがって! 一体だけ攻めさせたけど消えたし! そりゃあ、最初は人が来てようやく活躍出来ると思ったよ? だけど、一切攻めて来る事無く門番のオークを毎日毎日オークだけ倒しやがって! もう! 本当にもう! いっそ攻めて来い絶対倒してやる! うぎゃあああ! はぁ。叫んでだいぶスッキリしたわ。さて、そろそろ門番を強化⋯⋯出来ないよね。うん。だって誰も来ないんだもん。門番だってギリギリでようやくオークなんだもん。無理だよ、変更なんて。はは」

お読み頂き感謝致します

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