5話 恐竜と言う動物を建造した
ミサはオークの体をステップしてトントンと駆け上がり、跳躍して空中に出る。
空中で回転して向きを変え、オークの体を斜めに切り裂く。
地面に着地したミサはナイフに付着した血を払う。
ブシューと血出てオークは絶命する。
初めて見る血に少し血の気が引き、吐き気が出て来たが、踏ん張ってオークの所へと近づいて行く。
「で、何処にその魔石とやらはあるの?」
「はい。確か、だいたい心臓部だった筈です。人型ですので、この位置かと」
前に本で見た事がある。殆どの魔物は心臓部分に魔石はあるのだ。
心臓だと思われる位置を指さすと「オーケー」とミサがバッサバッサ切り裂いて肉を抉り、中から魔石を取り出した。
拳サイズの球体。紫色をしている。
「ふむ。なかなかに気味悪い色をしとるな」
「これを相手の口に入れたら毒殺出来そう」
「魔石を摂取したら食中毒で死にますよ」
「まじの毒だった」
それから、浅い所では取れないような木の実を採集して帰還した。
「動物は居なかったね」
「そうだな」
それから夜になり、眠る事となった。
寝る道具は島流しにされた時にニュクスがくれたら薄い布だけ。
だから寝袋をクラフトする。
現在のクラフトポイントは570。
2人合わせて2つ分用意するために200ポイントを消費した。
「じゃ、それ!」
「え! ミサ何してんのさ!」
「何って、切ってんだよ」
「なんで切るの!」
「それりゃあ広く取るために?」
「なぜに!」
「ガイアと寝る為?」
「なんで!」
「その方が暖かいだろ?」
僕の注意虚しく、寝袋は切られて広げられ、ミサに捕まり抱かれた状態で寝る事になった。
確かに暖かいけど、いや、季節的に暑いくらいだ。
それに重みが⋯⋯。
「ならアタシはこっちだな」
「定員オーバーだ。自分の所で寝ろ」
「仲間外れは結束が重要な今でやる事か? 違うだろ? ここは平等にだな」
「お前はあっちで寝ろよ!」
重みに挟まれ、息が苦しくなる僕。
本当に苦しい。
結果的にミサがミオの分の寝袋も切断して、広げて3人川の字で寝る事になった。
終始苦しい僕の嘆きは2人には届かなかったようだ。
悲しい。
起きてポイントを確認する。
確かに12ポイントづつ入っていた。
「次の建造まで遠いな」
「別に1000ポイントを消費する必要あるまい。100ポイントでも良かろう。また1000ポイント消費して狂人を召喚されても困るしな」
「まぁ、確かに」
ま、その前にポイントを貯めないと意味無いんだけどね。
速くジャガイモ、そただないかな。
それから10日が経った。
イノシシや鹿と言った動物を発見してミサが倒し、適当に解体して焼いて木の実の果汁で味付けして食している。
畑も少しだけ広げて、木の実の種を適当に入れておいた。
2人曰く、木の実はレモンやミカン、そしてモモやリンゴだと言っていた。
正確にはレモの実、ミラの実、モモンの実、リンガである。
ここもミサ達のいた世界との違いだろうか。
「じ、じゃあ100ポイントの建造しますね。建造、100ポイント」
白色の光が目の前に出現して形を成して行く。
中から出て来たのは、よく分からない動物? だった。
爬虫類なの硬そうな鱗がある。
「ギャアアア!」
「「イヤヤヤ! 恐竜だあああ!」」
その恐竜と言われた動物は僕の方へと瞬時に接近して来て、僕の顔を舐めてっくる。
ぺろぺろと。
ちょっとくすぐったい。
「く、くすぐったいよぉ」
「が、ガイア。大丈夫か? 噛まれないか?」
確かに見える歯はとても凶暴そうな肉食獣だ。
だけど、なんか可愛いな。
「ふ、ふむ。種類的にラプトルか? 某有名映画でそれっぽいのを見た事あるぞ?」
「なんで爆裂魔が知ってんだよ」
「医者としてのアタシの人格の友達と一緒に映画鑑賞でもした時に得た知識だろ? 知らんわどうして知ってるかわ。ただ、そう言うのと分かっているだけだ」
「ら、ラプトル?」
「にしても、まさか1億年以上前の生物を召喚するとは。いや、この懐きよう的に、本当に造ったのかもしれんな。クク、面白い」
「過去の生物を造る⋯⋯なら、召喚も⋯⋯」
「ん? ミサ、どうした? お主らしくもない暗い顔をして」
「い、いや。なんでもない」
「?そうか」
僕はラプトルにぺろぺろされて和んでいた。
そうだな。折角仲間になるんだし名前、付けないとな。
うんーどうしよう。
鋭い牙に爪、小柄な体躯に青い色の鱗。
すっと思い付くような名前がない。
青色の鱗出し、ブルーとか?
いやでも、何かないかな?
ラプトルもぺろぺろ止めてつぶらな瞳でこっちを見ているんだよね。
さて、どうしたもんか。
「うん。ラオ。お前の名前はラオだ。ラプトルのラに青のオでラオ」
「ギャア!」
「なんかダサいな」
「壊滅的にネーミングセンスがないな。性別の分別は出来んが、もしもその子が女の子だったらラオちゃんとなるのか? ガイアはそれで良いのか?」
「⋯⋯」
「考えていなかった、と言う顔だな」
そ、それより。
ラオの性能テストをしよう! うん。
ラオの爪は鋭いし硬そうだし強いと思う。
この島の奥、と言っても僕達から見たらだけど、その場所に一体から二体のオークが基本的に居る。
ラオのような小さい恐竜をオークに差し向けるのは気が引けるが、ミサがビビる程だ。
きっと凄いのだろう。
場所が変わってオーク達の場所に来た。
「ほう。今回は三体か。一体だけ爆発してみよか?」
「止めとけ。お前の武器は現状燃費が悪い。ラオ、行けるか?」
「ギャア!」
「ら、ラオ。あまり無理にしないでね。危なく成ったらすぐに引いてね。無理しなくて良いからね」
「ギャア!」
「「(お母さん⋯⋯)」」
ラオとミサは草むらから飛び出してオークへと接近して行く。
オークはその接近に気づいてこちらを向いたが、1番近くのオークの首をナイフで切る。
さらに、ラオがジャンプして爪をオークの体に食い込ませ、そして肉を噛みちぎって倒す。
「ラプトルが群れを成したら脅威だな」
「そうだね」
ラオは機動力も高いようで、二体目のオークが振り下ろした斧をステップして避ける。
オークに向かって走り、股を潜り背後へと周り、背中に飛び付いて爪で背中を抉るように切り裂く。
痛みに叫ぶオーク。ラオへと注意が向いた瞬間に首元にミサが飛び付きナイフを刺して、倒した。
「ふむ。もしかしたらこれがミサのスキルかもしれんな」
「え?」
「いや、なに。後で話そう」
その後、最後の一体も難なく倒していた。
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