3話 爆裂魔を建造しました
ミサは森の奥へと木の上を通って向かっていた。
狙いは動物の肉だ。
(ほんと、陸斗に似てたな。昔の事、思い出しちまった)
そんな事を考えながら奥へと進み、とある生き物を発見した。
顔は完全に豚であるが、牙が出ている所からイノシシの方が近いだろうか。
しかし、二足歩行で体長は2メートルはあるであろう巨体を持つ。
「おぉ、ファンタジック」
フード付きコートを着込み、フードを深く被っているミサ。
コートや服の中、外から見えない所に様々な武器を隠している。
(見た目的に豚だし⋯⋯食べれるだろ)
銃を使ってもガイアの能力で弾の補充は可能なので使っても良いが、異世界での初戦闘なのでミサはナイフでの攻撃をメインにする事にした。
大きな豚は2体徘徊している。
木の上に乗り、スパイとしての教育と暗殺者としての殺しの知識、実戦なので培った力により、気配を消す。
(弱点は同じだろ)
首の血管を斬る。
大きな豚が自分の木の下へと来た時にゆっくりと落下する。
背後に回った瞬間に首の血管を斬る。
(人間よりも硬いな)
首から大量の血を流して大きな豚は倒れる。
その事に気づいたもう一体の豚が仲間の方を見ると、目の前に銀髪赤眼の人間が居た。
シュイン、たったの一閃で血管を斬り、大量出血で倒す。
「今更だけど、別に同じ道を歩む必要ないのか」
前世? とは決別して殺し以外の道を選ぶのも悪くないかもしれない、何故か大きな豚を倒した後に思ったミサであった。
スパイであっても、潜入よりも暗殺を得意とするミサ。
「さて、これ、どうやって運ぼう」
大き過ぎて手では運べない。
ある程度運べるサイズに肉を切って待っていく事にした。
肉の部位について全く知らないミサは、本当に適当に肉を持って行く。
ミサの服は完全に冬ようだが、特別性で夏でも問題無く活動できる。
僕はぴくぴくと眉を動かす。
ミサは帰還して来たのだが、服が血に濡れて、それで居て尚普通に話せるメンタルを見せ付けて来る。
「で、その肉は?」
「ん? なんか二足歩行の大きな豚が居たんで、豚だし食えると思って倒した」
「すみません。それ多分オークって魔物です。魔物は食べれません」
「え! なんで!」
「寧ろ聞きますが、二足歩行で大きな豚を見て、食欲湧きますか!」
「全然湧くが?」
なん、だと。
僕の認識がおかしいのかな?
いやいや、ミサは違う世界から来たらしいし、認識が違うのは仕方ないだろう。
日本って所はそんな大きな豚を食して居たのか。
「なんで食えんの?」
「ミサ、さん」
「ミサ」
「ミサの持って来たオークの肉、と言うか極一部の魔物を除いて魔物は食べれません。魔物は人間の持つ魔力を腐食させ消滅させる作用があります。焼いても煮てもモノである限り魔力は持ちます。なので、魔物の肉を食べたら体が塵に成って死にます」
「笑顔で凄い事言うね」
「女性に言うのは少々ダメだと思いますが、そのぉ、臭いです」
「そうか?」
日本って所には血の臭いにも慣れているのか!
いや、ミサは暗殺者って言ってたし血の臭いにミサが特別慣れているだけだろう。
ここの無人島で生きる為に建造したのに、あんまり意味なかったな。
いや、1人で居るよりも全然良いんだけど。
「でもさ、この服とかどう洗うの?」
「⋯⋯確かに」
取り敢えず、海で血を洗い流し枝で適当に作った洗濯竿に干して、下から焚き火の火で乾かしておく。
「二重に服を着て暑くないんですか」
「特別性だからね」
さて、少し小屋からミサを連れて離れた場所に移動する。
新たな人材を建造するのだ。
「狙いは?」
「ん〜クラフト的にやはり農業関連が良いですかね。動物を飼うにしてもまずは作物からです。戦闘はミサで足りてるし」
「私の専門は暗殺だぞ? 正面切っての戦いは弱い」
「それでもです。奥に行かない限り魔物にも会わないでしょうし、食料関連が良いです」
「(フラグじゃね? 異世界だしそんな概念ないか)」
「ふぅ。建造、1000ポイント」
「出て来い確定演出!」
何言っているんだろう?
ミサが出て来た時と同じような光が放たれ、中から1人の女性が出て来た。
「⋯⋯ッ! ガイア!」
ミサが僕を抱えてバックステップを数回踏んで距離をとる。
僕は何がなんだか分からないで居た。
「眩し。なんだぁここはぁ? アタシはぁ家で寝ていたぁ、ようなぁ気がするがぁ? 頭痛い」
「まじかよ。爆裂狂人、澪」
「あぁん? アタシの事知ってんの? あぁ、銀髪に赤眼、特徴的だねぇ。裏社会じゃ君有名だよ。知ってる知ってる。確か、美沙だっけ?」
えぇ、ミサと同じ世界の人を造った?召喚? してしまった!
え、どうしよう?
てか、結構険悪ムード。
「アタシの寝床を知られたら、流石に生かしてはおけねよなぁ。死に晒せぇ!」
「そんなんで死ねるか!」
ミサが加速して横に走る。
先程まで居た所にはドンっと爆発が起こる。
「ほれほれ」
何か丸っこい物をミオと言われた人が飛ばして来る。
それは数秒経ってから爆発を生み出す。
土埃が舞い上がる。
「ガイア、大人しくしてろよ!」
「お、近づいて⋯⋯速っ!」
かなりの距離があったと思うのだが、ミサは急速に加速してミオに接近した。
ミオはさっきの爆発した物を投げるよりも速く、ナイフを抜き、そして突き刺す。
「待って!」
首元までナイフが行った所で、何とか争いを止めれた。
「まずは、落ち着いてください。ミオ、さん。ここはもう。貴方の居た場所ではありません」
「⋯⋯ほう。面白い事を言うのぉ?」
「事実だ。ここは日本でも無ければお前の居たニューヨークでも無い」
「ほんまかいな。それは驚いた。成程、道理でさっきから自分の言語がおかしいのか」
「あんたが今話してんのは日本語だ。ま、母国語だし違和感ないだろ」
「そうだな。まずは色々と話を聞こう」
小屋に場所を移した。
「なんもない所だのぉ」
「ごめんなさい」
「ガイアが謝る事じゃないぞ」
「さて、まずはアタシの紹介と行こうか。アタシは医者を行っている。内科ではなく外科だ」
「そして、裏の顔はなんでも爆発してしまう狂人」
「失礼な奴だなぁ。アタシが爆発していたのはゲス共だよ。まだ、派手過ぎて警察の目に付けられる事が多いがな。それにアタシは子供は爆発しない」
「僕、15歳で成人です」
「アタシ20歳未満を子供している」
「幅広いな」
「さて、最後に言っておくが、アタシにとって爆発は芸術じゃない。爆発はアタシにとって人生その物! 爆音や場所、破壊する物等色々こだわるのがアタシの美学! 美沙の事はよく知っている。白眼の死神だな」
「殺すぞ」
「その前にここら一帯を破壊してやろうかぁ?」
「喧嘩止めて!」
次は僕の話をする。
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