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17話 ガイドが丸投げした

 美沙達はオークが普段いる場所に来た。

 今日も今日とて徘徊しているオークをさっさと掃除し、雑魚が魔力の流れの臭いを嗅ぎとる。


 移動し、とある洞穴のような入口のような物を見つける事が出来た。

 草花で隠されてなかなか見つけにくい所にある所がまたいやらしい。


 迷宮ダンジョンだと分かっている皆はさっさと中に侵入する。

 その事に気づいて焦る人物がここに居た。


「遂に来た! って喜ぶと思ってんのかクソが! このタイミングで来んなよハゲ! あーあーもうダメだ。おしまいだー」


 そう泣く人物の嘆きに反して、美沙達はとても退屈そうだった。

 魔物が現れる訳でも無い。宝箱がある訳でもない。罠がある訳でもない。


 ただ淡々と道を進んでいるだけである。


「本当にダンジョンかよ」


 美沙が同じような景色を進んでいるので飽きた。

 とにかく退屈でつまらないのだ。


「ミサ様、頑張りましょう。ダンジョンですからボスが居ます。きっとボスを倒せば良いアイテムが手に入りますよ」


「んー。ミネをモフモフさせて〜」


「はい」


 頭をなでなで耳をモフモフする美沙。

 ミネと美沙の現状を見ると百合百合しい空間である。

 目のやり場に困る雑魚だったが、もう諦めて先に進む。


「にしても本当に何もありまへんな。ダンジョンマスターがおるんですし凝った魔物や罠があると思ったでっせが」


「ねぇ雑魚、あんたはさ、地球の知識の知識もあるしこの世界の知識もある。お前は一体なんなんだ?」


「美沙はん。それはですな。ワイは転生者なんでっせよ」


「そっか。造られた影響で記憶が曖昧なんだな」


「ちゃいますよ! 最初はただの金持ちのリッチの家の飼い犬さかいやったが次に野生の狼に転生し、次にただの人に転生し、そしてこの世界の人狼となり、そして今に至るさかい。これは本当でっせ」


「そっかそっか。雑魚って名前だしな。何か辛い事があったら相談くらいにはのってやるよ」


「そんな哀れな子を見るような目で見ないで欲しいでっせ! と、言うか暇だからってワイを弄って暇つぶししておりまへん!」


「ソンナコトナイヨ」


「あるんでっせ」


 そんな茶番を挟みながら移動を続けると大きな扉を見つけた。


「⋯⋯つまんね。行こ」


 美沙は虚無の目を向けながらダンジョンボスエリアに入る為の扉を開く。

 中に入るとミノタウルスが居た。

 大きな戦斧を片手で持ち、二刀流のミノタウルス。


「ミサ様、ここはミネが」


「いや、いい。もうさっさと帰りたい」


 手を高速で移動し、懐に隠してあるピストルを高速で抜く。

 照準を高速で合わせ、引き金を引く。


 バンと大きな音を鳴らしてミノタウルスの脳天を撃ち抜く。

 バタンと倒れるミノタウルス。ボスエリアは静まり返る。


「美沙はん」


「仕方ないやん? だってここまでつまらなかったし、さっさと帰りたいやん?」


 一撃速攻で終わったボス。

 出て来た宝箱の中身はボロボロの剣だった。


「はぁ。まあ期待してないし」


 それからボスエリアの奥に転移魔法陣が現れる。

 そこに乗れば地上に帰還できる。


 だが、美沙達は少しの間待機する。

 すると、魔法陣の奥に階段が出現する。

 そこを下ると1人の女性が居た。


「なんスか今の! 卑怯! 最低! 毎日毎日門番を倒して、最後にコレって、酷い! とっても酷い!」


「⋯⋯最低なのはどっちだよ。で、お前がダンジョンマスターで良いんだよな」


「そうですよ! で、何しに来たんですか!」


「ダンジョンコアを破壊しに来た」


「嘘ですよね! そしたら吾輩死んじゃうんですけど! この島も無くなるんですよ!」


「知ってる。ちょっと冗談。で、お前の種族は?」


「お前じゃなくてアミネって言うの。種族は見ての通りアラクネよ! で、何しに来たの!」


「いや、何となく来た、だけ」


「⋯⋯まじっぽそうね」


 それから美沙とダンジョンマスター、種族アラクネのアミネが会話をする。

 ダンジョンマスターは産まれ付きその素質に恵まれ、ダンジョンコアとスキルを授かる。

 島のような陸地を作れる程のダンジョンコアはとても強い力だ。


 だが、今時そこそこのダンジョンが増えて新たな島を作ってもなかなか発見されない。

 さらに、ここは割と広い島であり、その分最初に使うダンジョンポイントは多かった。


 ダンジョンポイントはダンジョンマスターのスキルの中にあるシステム。

 ダンジョンの拡大拡張、魔物の質と数の向上、蘇生にアイテム生成にトラップの設置と、ダンジョンに関する全てに必要になるポイントである。


 入手方法はダンジョン内部に人が一定数居座る事。

 ダンジョンマスターは言わばエンターティナー、挑戦者を楽しませ成る可く居座らせる事により評価としてポイントを得る。

 もう1つはダンジョン内部で挑戦者を倒す事。

 力を示す事により評価されポイントを獲得出来る。

 もう1つは還元。

 倒した挑戦者の武器やアイテム等をポイントへと還元出来る。


「成程」


「そうなんだよ〜だから記憶を引き継いだ蘇生が出来なくて〜全然成長しないし〜オークを投入しても倒されるだけで、誰も来ないから貧乏なんですよ〜」


「それは、すまなかったな」


「うぇーん。また、ここに来てください。吾輩ここから出られないので暇なんですよ〜来てくれたらポイントも溜まるし」


「そうだな。今度はガイアを連れてくるよ。あ、ただ。この島全ての開拓権をくれないか」


「なんですかそれ? 別に良いですよ」


「どうも。絶対に悪いようにはしないと約束する」


 ◇


 ・緊急事態発生!


「な、何!」


 ニュクスの鑑定結果を見て驚愕し、さらにその用途に驚愕しているとガイドが目の前に大きな文字で出て来る。

 目が痛い。


「で、なんなの?」


 ・この島全てが土地になりました。


「⋯⋯なんで?」


 ・この島の創設者であるダンジョンマスターがマスターの事を承諾したのでしょう。

 ・正直、よく分かんない。


 ガイドが投げやりだ!

 もう何が起こったのかわかんないよ!

 仕方ない。僕も全てを忘れて眠る事に⋯⋯できるか!


「ガイアお兄様、どうかしましたか?」


「どうしたガイア?」


「それが、ガイド、説明よろしく」


 ・はい。

 ・カクカクシカジカなになにそれそれ。


「オーケーガイド爆ぜる準備は出来ているかい?」


 ・私が爆ぜる時はマスターが爆ぜる時です。

 ・ログを引っ張って来ます。


 そしてミオとニュクスが現状を把握する。


「単に島全域が土地になっただけだろう。ま、今の所フロンティアマスターに影響も無かったし変わらんだろう」

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