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12話 アミノの仕事

「ガイア様。羽づくろいを手伝ってくれませんか!」


「おいコラミシル何ガイア様に頼んでだ。あぁ?」


「あらあら怖いですよシラハ。貴女はミサ様の右腕なんですから傍に居ないと⋯⋯いけませんよ?」


「ミサ様は今オーク狩りの日課をこなしているんだよ! あーしの入る所はないんだよ。だからいんだよ。ミシル、お前ガイア様に何頼んでだよ?」


「ただの羽づくろいですが何か? 生態的本能なんですから問題ないですよね?」


「だったらあーしもして欲しいわ! 皆して欲しいわ! それでも迷惑かと思ってがーまんしてんだわ! お前1人抜け駆けとか許せねぇから!」


「そんな。私は専属メイドなので、その特権ですよ」


「メイドなら寧ろそんな事を主人に手伝わせんなよ! あーしがしてやるよ!」


「い、嫌です! 貴女がやると羽が何本も抜けるじゃないですか!」


「安心しろ! 今回は全部もいでやるぜ!」


 2人が喧嘩を始めた所で僕は外に出る。

 もうすぐ1000ポイントの建造ポイントが溜まる。

 クラフトポイントも節約して900を何とか越えた。

 ナカサさんとの取引のお陰で生活も充実した。

 ミオの料理は普通に美味しく、ピナやミシルが練習中だ。


 ゴーレムのヌオーの活躍は凄まじい物だった。

 オークを片手で運んでいる時を見た時、僕は心臓が止まるかと思った。

 スラは燃え尽きていた。「魔物格差」と言う言葉を残して。


 スラの強化は便利だが、使い方は気をつけないといけない。

 包丁を修理した時、ミオがそれを使ったらまな板も斬ってしまったのだ。


「こんなのんびりとした生活、もう抜け出せないよ」


 勉強、訓練、貴族のしがらみ等から開放された僕は本当に自由を満喫していた。

 ミサ達の世界の事を知る為に勉強はするし、生きる為にも訓練もする。

 貴族としての動作を知っているので亜人達に教えていた。

 貴族とは恵まれた立場だったと再確認した。


「ガイア様」


「⋯⋯ッ! び、びっくりしたハナタか。どうしたの?」


 猫又のハナタと影猫の双子、アミノとミネはミサからスパイとしての技術も叩き込まれていた。

 その結果、気配を消すのが上手く、急に背後に現れる。

 めっちゃびっくりする。


「はい。実は海の奥の方に大きな船を数台、アミノが発見しました。数台と大きさにいつもの商人では無いと判断し、報告に参りました。アミノを一度使者として行かせてもよろしいでしょうか?」


「ハナタはどうしたら良いと思う?」


「はい。アタシが行きたい所ですが、コミュニケーション能力的にアミノが最適ですので、行かせて欲しいと思います。良い練習になりますし、何より警戒は必要です」


「うん。分かった。許可するよ」


「感謝致します」


「あと、その堅苦しい喋り方、止めていいよ」


「え」


 ハナタは2本の尻尾をビンビンに伸ばし、目をうるうるさせる。

 あれ? なんかダメな事言った。


「そ、それが、命令と仰るのなら」


「い、いや。気にしないで。自分の喋り方でいいよ! 強制しないから!」


「⋯⋯ッ! 感謝致します。アミノに連絡しに行きます」


 スっと消えるハナタ。

 そうか、ハナタってあーゆう喋り方が好きなんだ。


 ◇


 実際、ハナタは自分の喋り方をカッコイイと思っていた。


「アミノ」


「にゃにー」


「船の方に言って話を聞いて来て、この島に用が無いようだったら迂回して貰うように言って来て」


「りょにゃー」


「その、⋯⋯その喋り方止めない? キモイよ?」


「酷いにゃー! ガイア様が可愛いって言ってくれたにゃー!」


「な、んだと。そう。ガイア様公認なのね。はは。はははははははは」


(なんか壊れた。ま、いいや)


 アミノは海の上を高速で足を動かして走る。

 海の上を走ると言う事で、水しぶきが立ち、船の方からもアミノを発見された。


 影猫族が使える特殊能力、影操作で影を操作して船の上に乗る。

 他にも影の中に入れたりする。

 その能力をガイアの入浴の覗きに使っていたが、ミサに見つかって禁止された。

 上司であり師匠であるミサに逆らえない亜人達。


「お、お前は誰だ!」


 1人の男が前に立ち、叫ぶがすぐに表情が変わる。

 アミノも変わる。


「ナカサさん?」


「アミノじゃあねーか。どっから入って来た?」


「そこ」


 後ろを指さして無愛想に答える。


「この船、そしてこの人の量は何? 沢山の気配を感じる」


「あぁ。ガイア殿の島の入居者だ」


「にゃー」


 アミノは思考停止する。

 どうして広めてもないこの島に対して入居者希望が出るのか。

 そもそもどうしてこんな島に来たいと思ったのか。

 どうしてこんな人数がいるのか。

 その考えがごちゃごちゃになり、脳裏に渦巻きを生み出す。


 考えて考えて、その結果アミノは思考停止の道を選んだ。


「シャ! ここまでの大人数。誰かリーダーの人が居る?」


「は、はい! 私です」


 中から出て来たのは金髪の豪奢なドレスを来た人だった。

 アミノは目を見開く。

 何故なら、敬愛する主の顔に全くそっくりなのだ。


「名前は?」


「ニュクス・ギリシャ、家を飛び出て来たのでニュクスですかね?」


「ガイア様の妹様ですね」


「ガイアお兄様を知っているんですか!」


「うん。分かった。ガイア様に伝えて来る。じゃ」


 影空間に入る。


 アミノ達亜人はガイアを敬愛している。

 最初の主も恵まれ、教養を受けさせて貰っていた。

 そして、ガイアに主が移った亜人はそれ以上の待遇を受けたのだ。

 奴隷では無い一般人のような待遇。

 生きる術を教えて貰え、戦い方を教えて貰え、知識を教えて貰った。

 柔らかいベット、美味しいご飯。厳しく怖いが優しい2人の師。

 亜人達は今の生活を幸せ以外では表せない。

 故に、このような集団は自分達の幸せを壊しかねないので警戒していたのだ。


 だが、ガイアの妹と分かった瞬間アミノは問題ないと判断した。

 それよりも速くガイアの耳に入れるべきだと判断したのだ。


 影空間に入り、双子のミネの影から現れる。


「ん? 急にどうしたの?」


「ガイア様のお耳に入れるべき内容を持って来たからショートカットして来ただけにゃー」


「そう。来る前に連絡してよ。踏みそうになった」


「ごめんにゃしゃい」


 アミノはガイアの下に移動する。


 ◇


 シラハとミシルの喧嘩が未だに続いていたので、ミサが木を削って作った将棋と言うボードゲームなる物をスラと遊ぶ。


「ガイア様」


「ッ! び、びっくりしたァ。皆気配消すの上手いね。僕の所に来る時は気配を出してね」


「すみませんにゃ。癖が着きましたにゃ。それより、先程の船に関してです」


 語尾が無くなった。

 結構真剣な話のようだ。

 この場面を楽しみにしていたのか、アミノの目が輝いている。


「大多数の人数でした。客船のようでした。その中に、ガイア様の妹様、ニュクス様がおりました」


 ⋯⋯いま、なんと?

ハナタ「忍者? かっけぇー」


アミノ「猫類の獣人だしにゃー」


ミネ「そんな事よりガイア様のお役に立ちたい」


ニュクス「もうすぐでガイアお兄様に会えるうううう!」

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