10話 ゴーレムを建造しました
あれから再び10日が経ち、再び船に乗って魚さんじゃなかった。ナカサさんが来訪した。
「おぉ、なんか立派な家が立っとるな」
二階建ての家を見ながらナカサさんがそう言った。
家の上に家を設置して編集能力でそれっぽい感じに下ものである。
階段はクラクラ出来ない現状であるが、2階の床の1部に穴を開けて、そこにジャンプして入るのだ。
僕とミオ以外の人が可能とする芸当である。
「ナカサ様、注文していた物を持って来て下さりましたか?」
「あぁ。ミシルか。おう。きちんと」
僕達が頼んだ物は花火の利益から引かれている。
服や道具等を運んで貰っている。
船には他にも人がいたようで、家具のなかった家に家具が運ばれて行く。
服は魔物の皮等を使った物なので、耐久値もそれなりにある。
ミシルの服が1番不思議だった。
「何故メイド服」
「私はガイア様の専属メイドですから」
「いつからそうなった!」
「7日前です」
他にもミオが頼んだ物が来る。
「ふむ。名前は違えどきちんと素材はあってるな。これでクラフトポイントを使わずに火薬が作れる」
ミオがそう言ってニヤリと笑い、今回は火薬を普通にクラフトする。
ミオがそれと運んで貰った竹等を使ってミオがとある物を作る。
「信号拳銃、フレアガンだ」
ミサ以外の人はポカーン。
そんなドヤ顔で「フレアガンだ」と言われても分からない。
それがなんの役に立つのか、ナカサさんが聞いてみる。
「戦争に役に立つ」
「ッ!」
「これは空に向かって放つ。再利用は出来ないから1回ポッキリの消費アイテムだけど、出て来る光の色が違う。例えば赤なら撤退、緑なら特攻。戦争でフレアガンと同じような事が出来るのは魔法だろう? だが、そんな指示に魔法は勿体ない。そこで活躍する。フレアガンの存在を知らない相手には分からず、声では届かない所でもすぐに分かる」
「た、確かに。そうだな」
「ただ、人に向けて打ったらダメだ。取り扱い書も書いておく」
「それは、助かる」
「澪ってほんと色々と作れるんだな」
ナカサさんに鍋等の道具も運んで貰っている。
それで料理をするミオが。
皆びっくりした。ミオが料理出来る事に。
ミオからミシルが料理を勉強するらしい。
花火が普及する程に、数が少なく価値が上がって行く。
ミオの予想では勝手に研究して独自で作ると予想していたらしい。
だが、この世界の化学と言う物のレベルがミオの想定以下だったようだ。
「じゃ、金貨51枚ね」
色々と運んで貰っているので、そこそこ引かれている筈だ。
ま、金があっても現状だとナカサさんとの取引以外に使い道がないんだけど。
ナカサさんが言ってから僕はミオを連れて家に入る。
僕の斜め右後ろにはミシルが立っている。
メイド服を着てとても満足そうな顔をしてらっしゃる。
「で、話とはなんだ?」
「ミオは、戦争をどう思っているの?」
「ん? あぁ、さっきの戦争に役に立つ道具でアタシが戦争を起こす予定、とでも思われたのか。それは、ちょっと悲しいな。アタシの目標は最初に言った輸送用飛行機だ。飛行船もやりたいな、とかは思っている。分かるか、『輸送用』だ。戦争で人を減らしたら意味がないだろ? ここは大陸から離れた島だ。戦争もミサイルとかがないから絶対とは言えんが巻き込まれる事はない。アタシは戦争は無くなって欲しいと思っている⋯⋯だがな。未来の事も考えて、金は必要な時が来る。だから重要がありそうな物を選んだんだ」
「そっか」
僕は現実を楽観視すぎていたのかもしれない。
ミオがこんなに考えているなんて、思ってみなかった。
もっと、皆に目を向けないといけないな。
そう言えば、ピナは2階でこの島で手に入った薬草の調合などをしているのは知っているけど、他の人はどこ居るんだろ?
建造の400ポイントをしたいんだけど。
「ッ」
外から大きなドンと言う音が聞こえて急いで外に出る。
外には他の亜人達が居て、皆でオークの死体を運んでいた。
ラオも運んでいるのに手伝っているようだ。
「いっやったあ! あーし達だけでオーク倒せたァ!」
「うん! うん!」
白狼族のシラハがピョンピョン跳び跳ねて喜び、猫又のハナタが賛同している。
「でも、ミサ様は1人で倒せるよ? ラオちゃんも」
「アミノ、現実を突き付けないでよ。ミサ様はおかしいんだよ」
アミノがネガティブオーラを出しながらそう言い、ミネが呟く。
たくましくなったなぁ。
「あ、ガイア様見て見て! あーし達だけで倒せたよ!」
「うん。凄いよ。おめでとう」
「わーい」
「ずるい!」
「ふんぎゃ」
あはは。賑やかだな。
と、屋根の上で寝ているであろうミサを起こして家から少し離れた場所に移動する。
そこで建造する。
ミシルもついて来ている。
「そう言えば、ミシルは訓練に付き合わなくても良いの?」
「私はミサ様により特別訓練を受けてますので、1人でオークを倒せるくらいの実力はありますよ」
「そうなんだ」
少し離れた場所まで来て、建造を開始する。
「建造。400ポイント」
水色の激しい光を放ち、シルエットが現れる。
「ヌオオオオ!」
岩の体を持ち、腕が異様に太い。
ゴリラのようなゴーレムが出て来たのだ。
赤い眼光が僕の方を向く。大きさが大きさなだけに、ミサとミシル、ミオも警戒する。
ズドン、とゴーレムは頭を下げて地面に付け、僕に視線を送る。
「君、名前ある?」
「ヌオオオオ」
横に顔を振り、無いと示してくれる。
「じゃあ、ヌオーって名前で良いかな?」
「ヌオオオオ」
「ガイア、ヌオオオオって叫ぶからヌオーってしてない?」
「してないしてない」
ミサのジト目を横目に僕達は帰った。
ヌオーが歩く度に地面をドンドン鳴らしているので、他の人達も警戒していた。
ただ、ヌオーが僕を掴んで頭の上に乗せたら皆の警戒が解けた。
なぜに?
ヌオーから降りて、申し訳ないけどヌオーにはそこら辺で寝てもらう事になる。
ヌオーが入れる程の家を作るにしてもクラフトポイントが足りない。
「ヌオオオオ」
ごめん。その悲しいそうな目を向けられても無理なんだ。
ごめん。ごめん。
ヌオーが来たのでこれで住人は11人になった。
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