プロローグ
マゴニア大陸・遥か空の上に浮かぶ島。
テンペスタ国・大陸でたった一つの国で、争いもなく平和な国である。その国の八人と少ない子供達が学校で、授業を受けていた。
いつもと同じ退屈な授業のはずだった。ウトウト…先生の声が、子守唄になり眠気が襲ってきていつものように眠ろうとした時…
「曇の下には、幾つもの大陸がもありそれを地上と言います。」
「「ッ‼なんだってぇー!」」
思わず立ち上がり叫んでいた。俺の眠気は、何処かに行ってしまう程の衝撃だ。周りの生徒達がクスクス笑い、隣に座っている姫様が呆れてため息をこぼしている。
先生の授業を初めて真面目に聞いたと思う。家に帰って直ぐに地上をみたいと親に駄々をこねたりもした。
地上は、大地は、海は、凄く綺麗で壮大で胸が熱くなった。
しかし眺めるだけじゃ足りず、今度は地上に降りたいと思うようになるのは、当然だろう。だが地上に降りるには、条件がある事を知る。そして、地上を降りるいう目標が出来て、努力するきっかけになった。
懐かしい思い出だ。あの日から5年が経ち俺は、15歳になった。
18歳になると試験がある。合格した者は、地上に降りて色々と学ぶそうだ。18での試験だが、合格出来るのは、大体50歳、前後らしい。それを聞いて、気合いが入る。年齢と強さの条件をまだ満たしてないが、早い内に合格出来ると言われた。
国から離れた場所にある丘で、景色を眺めながらそんな事を考えていると「「ルシス~ッ」」
俺の名前を呼ぶ声が聞こえて来た。そちらに視線を向けると。ドラゴンに乗った、この国のお姫様リリーがこちらに手を振っている。
(マゴニア・ウラノス・リリー)肩より長く伸びた白金の髪に水色の瞳で、優しい目をしてる。色白肌にすらりとした体系である。学校の奴らには、女神様と崇められて苦笑しているのをよく見る。彼女と俺は、オヤジ達の仲が良かったのもあり、一緒に居た時間が長いが、確かに可愛いと思う。
「やっぱりここに居たのね。」
ドラゴンから降りてこっちに来る。
「リリー姫様、何の御用で?」
「...リリって呼びなさいよ!」
「この前、ミハイルに怒られたからなぁ~」
「誰も居ない時は、いい「リリー王女、こんな所に居ましたか」
リリが、反論しようとした背後から突然現れたのは(ミハイル)青い長髪に紫の瞳、甲冑姿で整った顔をしてる。リリの護衛として最近選ばれた護衛で、何かと俺を睨んでくる。
「私が、何処で何をしてても良いでしょッ!」
「良くありません‼。私には、護衛という使命があります。それにあなたは、この国の姫でこの星の王となる御方の伴侶になるのですから、行けない場所もありますよ。」
と言いながら、こちらを見てきた。
なんだコイツ、物凄く殴りたい!ガマンだ。ガマン。ふぅ、ふぅ、よしッ落ち着いた。俺は、リリの機嫌が悪くなっているのに気が付きをフォローしようと思い。
「まあまぁ。たまには、息抜きもひつよ「お前には、関係ない黙ってろ!」
コイツッ!思わず握り拳を作ってしまった。いけない、イケナイ..
「こんな品の欠片も無い奴とお会いしては、いけませんと言いましたよね?それに貴様も姫様が御前に居るのだ、跪いてこうべッ!グハァッ!」
ミハイルは、腹を押さえて疼いている。もちろん俺は、殴ってないよ。嘆息しながら、リリを見ると今度は、ミハイルの顔を蹴り飛ばそうしている..めっちゃ見たいが止めに入る。
「リリ、待てっ!また謹慎だぞ?」
「ッッ!!そうだわっ!危なかった~。止めてくれて助かったわ。」
「俺は、この丘を汚して欲しくないだけ。」
この丘は、大陸の外や国の全体が見れる。お気に入りの場所だ。と言っても大陸の外は、曇の結界で覆われて何も見えないが、いつも地上を想像して夢を膨らませているのだ。
「ルシスは、そればっかりね。」リリーは、悲しい顔をするがルシスは、気付かないまま「所で何しに来たんだ?」と聞いた。
「そうよッ!レヴィとマモンが地上を見に行くって、ベルゼ達に話してたのよ。そんな場所ないのにルシは、何も知ってるの?」
「知らねぇッ!あいつら俺に黙ってそんな場所に行くなんて…何処だッ!?何処にあいつらがいる!?」
「落ち着きなさいよ。昨日は、妖精の森に居たわよ。今日は、知らないけどって!...もぉ行っちゃった。言わなきゃ良かった…」
気付いたらルシスは、国の方に走っていた。リリーは、寂しそうにルシスの背中を見つめていた…。
今思い返せば、罠にはめられたのだろう。俺は、地獄に居る...あえてもう一度言おう地獄に居ると。薄暗くて、モンスターが徘徊してる。息が詰まりそうで、不満を上げたらキリがない。地上を目指して一ヶ月くらい経つだろうか…下を向いてた日々から一転して今度は、上を向く日々だ。地上に行くなってことなのか?だが俺は、諦めんぞ!
そして叫ばずにはいられない。「地上は、ドコだぁあああああああああ~!」
俺は、地上を目指して歩き出す。