表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

タイトルは忘れた

作者: eke

 生まれ変わるなら何になりたい? 誰かがそんな質問を私に投げかけた。


 私はこう答えた。

「人間がいいです。美男か美女、裕福な家庭に生まれ平和に暮らしていけたなら最高だけど、他の動物になるなら犬か猫。きちんと面倒を見てくれる飼い主のところでのんびりと暮らしたい」



 だけどそれは起こり得ない、もしもの話で。

 だから、それが少しでも、本当に叶うのなら私は……




『種族を選択してください』


=>:猫獣人

【 ステータス】

生命力:15

持久力:18

魔力量:12


ちから:7

はやさ:13

せいど:13

ぼうぎょ:6

まりょく:11



『性別を選択してください』


=>:女性


『体格を決定してください』


=>:超小柄(ステータス特性:戦闘力低下、生産力向上)

身長:121.92cm(下限値)

体重: 20.41kg(下限値)


【 ステータス】

生命力:13(2 down↓)

持久力:16(2 down↓)

魔力量:16(4 up↑)


ちから:5(2 down↓)

はやさ:14(1 up↑)

せいど:14(1 up↑)

ぼうぎょ:5(1down↓)

まりょく:12(1down↑)




『容姿を決定してください』


=>:セミロング・ストレート・プラチナブロンド

=>:下がり眉・丸目・二重・翠蒼(虹彩異色)

=>:ローマ鼻・仰月型・卵型・白磁肌


『役割を二種類選択してください』


=>罠師

=>服飾


『スキルポイントを振り分けてください』


種族:獣化 2(2up↑)

種族:狂化 0


罠師:仕掛け作製 1(1up↑)

罠師:地形干渉 4(4up↑)

罠師:隠蔽 4(4up↑)

罠師:作用力 1(1up↑)


服飾:織物加工 5(5up↑)

服飾:皮革加工 2(2up↑)

服飾:宝飾加工 3(3up↑)



『キャラクター名を決定してください』


:眠子



『以上で設定は終了になります。以降は変更が出来ません。ゲームを開始しますか?



=>:はい



『ゲームを開始します。ようこそ—————————』




 私の頭の中で直接声が響き渡る。でも、そんな不思議な感覚すら気にならないくらい、私はこれから先に行う計画が無事に成功した時の楽しみが待ちきれずにウズウズとしていたのだ。


……私が何をするつもりなのかって?

決まっているだろう? 覗き、盗撮、拉致監禁!!





 巷では度々、こんなニュースが流れている。

『人気俳優の山川空海さんが、昨日午後強制わいせつの疑いで書類送検されたことを受け、事務所側は——』

『学校教員の自宅から、同じ学校へ通う生徒のものと思われる盗撮写真が——』


 これを聞くたびに私は思うのだ。

「嗚呼、何故もっと若いうちにやりたい放題やっておかなかったのかと」


 小学校の頃の私は、友人が女子生徒のスカートめくりしているところを真面目面していつも止めようとする役割だった。もちろん本当に止めるほどにお人好しではなかったわけだがな……。


 そうして成長するにつれて性的意識が芽生え始めると、その手のセクシャルな悪戯においそれと手を染めることが出来なくなってしまい、ついに20歳の成人式を迎えてしまった。

 昔はあんなにもあどけない顔立ちだった彼ら彼女らは、今では垢抜けた大人の表情で社交辞令を口に出して近況を確かめ合う。軽口のついでに野郎以外は下着の色も教えて貰えてくださっても宜しいのですよ?

 しかし残念なことに下着の色は聞けず特にこれといった嬉しいイベントもなく、かつての友人達との顔合わせはつつがなく終わりを迎えして、私が出会いがねえだのとわめき散らしてた。そんな春先の出来事だっただろうか?

 私は、あるオンラインゲームの広告に目を奪われた。


『現実よりリアル! 仲間との長閑な生活を脅かす魔物を、みんなと連携して創り上げる爽快なアクションでやっつけろ!』


 私が自宅で無気力にだらだら過ごしていた時に見ていたつまらないテレビに映ったコマーシャル。近年、流向化しているVRMMORPGの広告には爽やかな笑みを浮かべるクソ生意気なイケメンのガキや、キャピキャピした可愛いおにゃにょこ達が冒険に出たり畑を耕していたり動物と触れ合っていたりした。


「これだ!」


 そのCMを見た瞬間に私はビビッときたのだ。画面に出てくる女の子に惚れたのだ。彼女がもふもふの羊にぎゅっと抱き着いた瞬間の幸せそうな表情に惚れたのだ。断じて私がぎゅっとされる立場になりたいとか、そんなことはこれっぽっちも思っていないのだ。

 わずか一秒ぐらいしか映らなかったあの表情に、私は心打たれてしまったのだ。


 気がつけば私は、近所の電気屋に突撃してゲーム機本体と件のソフトウェアを一括購入していた。一年かけてコツコツ貯金したバイト代は全て消し飛んでしまってしまったが後悔なんて全くなかった。



 それよりもどうやって彼女に近づくべきなのか、彼女は一体何者なのかという疑問で頭がいっぱいだった。


 ゲーム機をすぐに動かせる状態へとりあえず準備した後は、早くゲームを起動して彼女に会いたい気持ちを堪えてネットで情報を調べることにした。


 なんでも彼女は、有名なゲーム実況者らしく、例のコマーシャルしていたゲームでも運営側がオフィシャルでスポンサーについていて、アイドル並みの人気となっているらしい。公式ブログで掲載されていた彼女のプロフィール画像もとても魅力的だった。少女漫画の主人公のような垢抜けない可愛い笑みが凄く良い。

 そんな彼女の名は冬月雪華(フユツキセッカ)。愛称及びゲームでのキャラクター名は『セッカ』ちゃんか……ふひひ、覚えたからな。


 あのオンラインゲームでのセッカちゃんはゲームコンセプトを忠実に守り、マルチになんでもこなすプレイヤーとして活動中なんだそうだ。スポンサーがついてると言えど自由度が高く多種多様な楽しみ方が出来るらしいので本人も積極的に色んな要素に手を出しているのだとかなんとか。なのでここ一年のゲーム実況はほぼ全てCMでやってたオンラインゲームの実況なんだって。

ほほう、そうかそうか。ならば私が接触できる余地も充分に存在している訳ですな。早くお近づきになりたい……。


 逢える機会は多けれども、お近づきになる為にはやはり何かきっかけが必要だろうなと私は思う。下心丸出しで正面から接触する馬鹿丸出しな作戦ともいえない方法は論外として、やはり最近引っ越してきたお隣さん的な自然さが欲しいところだ。その上で出来れば強く深くお知り合いになりたい!家族や恋人、親友ポジションでしか見られないであろう彼女の細かな表情の差を余すことなく知り尽くしたい。嗚呼、拉致監禁透視盗撮が犯罪行為で無ければな……ならば不可抗力ならどうだろう?何か私には及ばないやむを得ないどうしようもない事情で、例えば放課後の体育館倉庫で話し合いの最中うっかり教師に鍵を閉められて二人きり的な?仕方のない状況なら……。


 つまり、望むような事件が起きないのなら起こせば、自分で起こしてしまえばよいのですな?なぁに、バレなきゃいいんですよ、バレなきゃな……。

 さて、私が調べたところによると、セッカちゃんのゲーム(正式なタイトルは覚えてない)には、罠師なる職業が存在していて、通常なら干渉できないゲームの地形にも介入出来たりする、と攻略サイトに記載してある。

 罠師には落とし穴が作れたりするスキルが存在しておりその穴に彼女とうっかりはまってしまったら、一緒に脱出大作戦が始まるかもしれないし始まらないかもしれない。なんなら穴の中でずっと彼女と暮らしてしまうのも悪くないのかもしれない。コンピューターゲームの中なら拉致監禁にはならないんじゃないかなって私は思います。だって私はセッカちゃんの幸せな表情が見れるゲーム(タイトルは忘れた)に登場するセッカちゃんのキャラクターが浮かべる表情が好きなだけであって、彼女自身に恋をしているわけでは無いのだから。例え中の人が彼女自身なのだとしても、私には関係のないことなのだ。


 たとえ落とし穴に落ちたセッカちゃんを紐で縛って飼い慣らしたとしても、それは絵に聞いた餅と同じに違いないのだから。だから着せ替え人形のように好きな服を着て好きな表情を浮かべて貰ってもなんの問題も事件性もありはしないのだ。だってそれは全てゲームの中の話で、本人はいつだって快適なベットの上でぐっすりと夢を見るようにゲームの中の第三者(キャラクター)を操作しているに過ぎないのだから。証拠なんてこの世のどこにもありはしないのだ。



 てな訳で、罠師で服飾スキルを使えるようにしとこう。モフモフはいつの世も人々の心を癒してくれる。だったら私自身がモフモフとなり、彼女の癒し笑顔を一番近くで目に焼き付けてやろう。獣人キャラクターで獣化すれば完璧なフレンズになれる筈だと信じて。

しかも嬉しい特典もあるぞ。ペットの首輪にカメラ、短いスカートの女子高生……後はわかるな?最後の盗撮とはつまり、俺自身がカメラになる事だ。この盗撮を使えば俺は編集のカットを全て失う。つまりそういうことだ。

 なんとかの攻略サイト(タイトルは忘れた)を見る限りでは、最後のカメラ転生で作るキャラクタービルドはゲーム攻略的には論外なんだと思う。獣人キャラクターは狂化にポイントを振って一時的に総合戦闘力を引き上げるか、人型の素体を成体寄りに大きく作って、獣化で闘争に特化させるかがセオリーらしい。間違っても幼体に近づけた状態で獣化をしない事が重要らしい。肉球じゃ器用さは上手く発揮されないんだとさ。へー。


 なんかよく分からんが、セッカちゃんに会うために、セッカちゃんに飼われるために、セッカちゃんを飼うために私はゲームの世界の中で生まれ変わることにしたのでした。

 私、生まれ変わったらまずは獣化して、街に穴を掘って上から女の子が降ってくるのを待つんだ。男ならそのまま生き埋めにして経験値稼ぐんだ。

主人公、レズな人

なおセッカちゃん、男の娘の模様。


※フィクションです、犯罪行為を助長する意図はございません。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ