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再び

「ちょっと!!」

「早く」

「いたっ!」

「起きなさいよ」

「だわさっ!!」

「いあら!!」

ゲシ!

「痛いっ!!!」

ゲシ!

「止めろって!!!!」

俺の顔にダブルでストンピング攻撃を仕掛けてくる何か。

俺はそれを振り払うと飛び起きた。

「なんなんだよ!!

人がせっかくいい気分で寝てたってーのに起こしやがって!!」

朦朧としていた意識がはっきりとし始めてきた。

俺の周りを虫のような羽をばたつかせながら二体の何かが飛び回っている。

「やっと」

「起きたわさ」

「主様」

「起きたわさー」

暫く俺の周りを旋回すると主と呼ばれた者のもとに飛んで行った。

主と呼ばれたそいつは高級そうなソファに腰掛けパチパチと音を立てる暖炉を眺めていた。

「ご苦労様、ありがとうアル、エル」

「やったー」

「主様にほめられたわさ」

主と呼ばれた人物の頭上を嬉しそうに旋回する二体。

そんなにスピード出したらバターになっちゃうぞ。

ググッ

皮の擦れる音が俺の目線を奪う。

人物が柔らかそうなソファからゆっくりと立ち上がり振り向くとそこには俺がいた。

「やぁフジムラアキヤ、、改めましてコンニチワ」

「こんにちわじゃねーよ」

もう一人の俺が呑気に挨拶をかましてくる。

その雰囲気に毒気を抜かれ漫才のようなツッコミをいれてしまう。

がその後が進まない、何せ毎朝鏡で見慣れている顔がそこにある。

「ずがたかーーーい」

「高いだわさ!!!」

その場の空気に耐えきれなかったのかやんちゃそうな二人組み、エルとアルが俺の頭をダブルストンピングてくる。

「いたっ!だからやめろって!!」

俺が二人組みを振り払おうとすると

「アル、エル」

主と呼ばれたニセ俺が冷静に二人組みに声をかける。

シュンとした雰囲気を醸し出しニセ俺の後方に控える。

「自己紹介でもしようか?フジムラアキヤ・・。」

「俺の名前はリョーマ・へルズ、七星魔王第二席次をやっている」

「ま・・・おう?」

「そう、魔王」

俺の口からとんでもないワードが飛び出てきたが、さっきまでの光景からすればすんなりと受け入れられるから不思議なものだ、第一驚くなら目の前をバタバタしている二人組にまず疑問を持つべきだと思う。

「で、魔王が俺に何か?」

「様をつけぬかこの腐れ人間が」

「うわっ」

不意の出来事に思わず声が出る、突然目の前にぴちっとしたスーツを着込んだOL風の女が現れた。

余談だがかなりの眼鏡美人である。

「いいから、ディノスお前も控えてな」

「・・・・・御意」

誠に不本意という表情を浮かべまたフッと視界から消え去る眼鏡美人。

誠にもったいない。

でもディノス、、、、、俺の知ってるディノスといえばあのダメ部下トカゲ人間の名前だったはず。

「お前がただ目覚めるのを待ってるのもアレだったんでね、俺の能力で進化を繰り返してたら、ああなった。」

「日本人のお前からしたらかなりそそられる雌になったんじゃないか?」

「・・・・・・」

図星だが、、まぁ正直に答える必要は無いよな、、、。

もう一発殴れないなあれじゃ、、、。

いや、逆にいっっぱーー

じゃなくて、、目覚めるまで待ってた、、。

、、、、、、。

、、、、。

、、。

そうだ俺、、、、死んだんだ。

じゃあ今の俺は一体?

「んーしいていえば魂のようなもんだな」

魔王様が俺の心を読んだように答える。

いや、実際読んでいるんだろう、もうなんでもありだ。

どーせニセ俺の正体はあのオオカミでしたぁなんて落ちなんだろう。

「それはちょっと違う、あと俺の事はリョーマって呼んでいいから」

ほらな、、、んーーー?ちょっと?

「そう、あのオオカミも俺の真の姿。

正直に言えば俺は肉体を持たない、只の魔力の塊だ」

「主様!!」

「それは秘密!!!」

だわさ口調の片割れが設定を忘れてる!

それ程の緊急事態なの!?

「秘密を知ったからには」

「消し去る」

そこは殺すじゃないの?

可愛いかった二人組の身体が膨張し大人に変化するその姿は俺の知る限り悪魔を連想させる。

しかも頭がクラクラする位の絶世の美女だ。

変化を終えた彼女達が俺の方にユラユラとシナを作りながら歩んでくる。

それを見ながらリョーマがニヤニヤ笑っている。

あー止める気は無いのね、、、。

二人組が俺の目の前で立ち止まると妖艶な笑みを浮かべる。

あー俺はここで最初を迎えるのか、、、、。

そう!!!俺はどーーー

そこで片割れが俺の両肩をグッと掴む。

痛い!!もっと優しくお願いします!!

もう片割れは俺の脛を掴み上目遣いで俺を見つめる。

「私は頭から」

「私は足から」

「いただきます」×2

瞬間、妖艶な微笑みを浮かべていた口が裂けその凶悪とも言える牙が貌ををのぞく口内はぬるぬるとした涎で溢れかえっていた。

終わった!

俺はここで二回目の死を迎えます。





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