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決着 II

すいません。

間があいてしまいました。


押し当てられた刀身の冷ややかさとディノスの冷酷で非情な勧告をその身に受けると同時に強烈な脱力感と虚無感を感じる。

例えるなら

「死にたい×100」

という負の感情が俺の心を蝕む。

「やめてやれディノス」

「御意」

刀を俺から離すディノス。

離しはしたが俺に対する殺気は解いていないようだ。

ただ幾分か気力が回復する。

どうやらあの老白スーツの魔法が破壊されたのはディノスの力だけでなく、あの刀によるところもあるようだ。

それよりもいつの間にかオオカミが俺のいる廃ビルに降り立って来ていた

上空にいた二体は?

俺は必死に視野を広げ残りの二体を探す、身動きがとれないので目だけでだが。

「んあ?」

俺の周りを犬のようにクンクンしながら回っていたオオカミが訝しげに俺をその金色の瞳で見つめる。

目は二つに戻っていた。

「ああ、、、あいつらか」

「あいつらならここだ」

と顎をクイクイとし自分の腹に視線を向けさせる。

食ったんだ。

そう直感した。

「そーれでイレギュラー君、君は何者なんだい?

どーして俺の張った結界に入って来れた?」

「我が主の質問に答えろ。」

ディノスが俺に命令する。

それ以外の行動は即、死を意味するんだろう。

背後から伝わる殺気が俺に無言のプレッシャーをかける。

ここにきて何を隠す必要も無い、俺は正直に俺の持つ能力の説明をオオカミに伝えた。

「ふーん霊能力ねぇ、、。

こっちの世界じゃ随分と稀有な能力じゃないか?

で、そのゾーン、、てか幽界と俺の結界が同質で、、、。

そこは俺の能力に起因するんだろうな。

で、お前の霊能力が結界に干渉してユラユラってのが発生した訳か。」

オオカミは独自の見解を俺に話し答えを求めるが、こういったケースは初めてなので、どう反応していい物か俺にも解らなかった。

「まぁ、、いーか。

俺は寛大だし、どのみちそれっぽっちの能力じゃお前は俺をどうすることもできない。

今回は、見逃してやるよ。」

その言葉に安堵する俺、、。

どっと吹き出る汗。

冷や汗すらかくことが出来ない状態を脱した反動だろう。

「それよりお前、トミエの血縁か何かか?」

オオカミの口から意外すぎる人物の名前が発せられた。

藤村とみえ、、俺の祖母の名前だ。

油断だった。

見逃された事実と祖母の名前が出てきたことで俺の危機意識は消えてしまっていた。

背後に控えるディノスの押し殺された殺気はまだ俺を獲物を射殺す狩人のそれのように俺にむけられていたのにも関わらず。

俺は頭を上げ不思議そうな目でオオカミを見つめてしまった。

刹那。

トフという音が全身に響いた。

刺された、、、。

物凄く熱い。

刀が俺の心臓を串刺しにして俺とこんにちわをしている。

こいつは本当に後ろから刺すのが好きなんだ、、、。

このど変態が、、、、、。

色んな意味を込めて、心の中で抵抗してみる。

「かふっ」

肺の辺りから血が逆流してくるのがわかる、堪らずむせる俺。

俺の顔面は血と汗と涙と鼻水でどうしようもなくなっていた。

俺は前のめりに倒れると心臓から生えていた刀が抜け変わりに大量の血液が流れ出た。

「ええええええ」

「え、あっはいぃ!?」

まさに狼狽するオオカミ、薄れゆく意識の中でその様は実に滑稽だった。

「俺、見逃すっていわなかったけ?」

「はい、そうおっしゃいました」

「じゃあなーんで殺しちゃってるのさ!!お前は!!」

「奴の力の流れが、、、」

だんだんと聞こえなくなっていく、、。

バカ上司と、言う事を聞かない俺様部下のコントを見ながら。

「ざまー」

と呟いてみた。

視界にはもやがかかりだんだんと黒くなる。

痛みはもう感じない。

心地いい眠気のような感覚が俺の全身を支配した。





明也さんが永眠なさいました。

ようやく次のステップに移れます。

天使二体との攻防は描かれていませんが、どなたかの指摘があれば、番外編として別個に書いてみようと思います。

ご感想等あればお願いします!!!


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