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新しい力

スプーンでスープを掬い口に運ぶ。

優しい甘みが口の中に広がると自然と口が開いた。


「美味い」

「美味しいねママ」

「ええ、本当に」

「美味しいよルリさん!」

「ありがとうございます。」


給仕の為テーブルの脇に立っていたルリさんが、軽くお辞儀をしながら答える。

手には器に入ったパンを持っており、各々の皿に二つづつ取り分けていた。

もちろんここは屋敷じゃ無いんだからルリさんも一緒にと誘ってみたが、私は後で頂きますのでとの事で、やんわり断られてしまった。


リンネさんが、あんな事を言ってたから、そのせいで断られたのかと勘ぐってもみたが、ルリさんからはよそよそしい雰囲気は感じられず、いつも通りの彼女がそこにいて、、、。

俺が寝ている間に自己完結で悩みを吹っ切ったみたいな印象を受けた。

どんな顔をして会えばいいのか悩んでた俺が馬鹿馬鹿しい。


サラダにソースがかけられると、口の中に唾液が溜まってきた。

フォークで野菜をぶっ刺し口に頬張る。

あっさりした酸味のあるマヨネーズのような味。

なんだっけ、あーあーあーと、、、そう!

シーザーだ、シーザードレ、あの味に似てる。


食事を楽しみながら、会話を弾ませる。

その中で、ふと、俺たちがエスパルに向かった後、この集落、ひいてはエスパルに行く道すがらの同じ目にあっている集落を救った後、どう事態が収束する迄守るんだと、疑問が首をもたげた。


「あの、リンネさん」

「なんだい?」

「まだ言ってなかったんですけど、さっきのガイコツとの戦いの中で職替えしました、娘から」

「ネクロマンサーでしょ」

「え?」

「え?」


俺とルリさんの顔が違った意味で同時に鳩が豆鉄砲でも食らったかのようにキョトンとなる。


「言ってなかったけ?ボクの目は魔眼だって」

「魔力の流れは見えるって伺ってましたけど、魔眼なんて初めて聞きました。

その魔眼で人の職業まで見えるんですか?」


リンネさんは一瞬まずったという表情を浮かべると


「あ〜うん、そうだねぇ、まぁ〜、、一様は」

「鑑定の魔眼、、、。」

「鑑定の魔眼?」

「あらゆる物を見透かす魔眼と言われています、別名を万能の魔眼。」

「万能の魔眼なんて大それたものじゃ無いよ、調子が良く無いと普通の目玉と同じだからさ」


リンネさん文字通り目が泳いでますけど、、、。


「いえ、別に知られているなら、話す手間が省けてっててててっててえって!!!」

「え?お嬢様?」


という事は俺がフジムラアキヤってばれてんじゃね??


「料理がお、お、お、お口にあいませんでしたか?」

両手を頬に当て、ルリさんがあの有名な絵画のようなポーズを取っている。

「いえいえいえ、、そうでは無く料理はとてもおいしいです。」

「ありがとうございます!!」


ルリさんが瞳をうるつかせながら俺に迫ってくる。

あ〜いつものルリさんが戻ってきたなぁ〜良かったぁ〜って!

そうじゃなかんべ!!


器を持つ俺の手が小刻みに震える


「あ、、、あの、、、、り、、、リンネさんや」

「なんだいマリアちゃん?」

「そのお、お目はどこまでステータスを確認できるんですか?」

「う〜ん、確認したい事は何でも、、、かな?」


てへぺろ宜しく、可愛らしく舌を出すリンネさん、、、。


「何でも、、って、、、、何でも?」

「うん、何でも」


うわーーー終わったぁ〜この楽しい?

いやむしろ苦しい、、、、。

決して楽しいだけじゃないこの冒険も終わりだぁ〜!!

まぁそれはそれで、、、ありか?

いやいやいや、ダメでしょ!!


「でもおかしいんだよね、マリアちゃんのステータス」


ええ、そうでしょうよ、見た目は美少女中身はオッサンに片足突っ込んだ男なんだから!


「おおおお、、おかしいって何がですか?」


ああああ〜どうしても言葉が白々しくなってしまう。


「基本ステータスにモヤモヤがかかっててちゃんと確認できないんだよね、、、。

どうやって隠してるのか気になるんだけど。」


ズズいっとリンネさんの椅子が音を立てて俺の近くに寄ってくる。


「ルリさんのステータスなんて、あんな事やこんな事まで確認できるっていうのに。」

「すいませんリンネさん、今聞き捨てならない事を仰っていたように聞こえたんですが?」

「気のせいだよ」


・・・・・・と、、言うことは?

セーーーフ!!

この旅続行!!


「どうなんでしょ、意識して隠している訳じゃ無いんですけど。」

「かっかっか!!

認識阻害を無意識で実行するなんて、流石我が弟子だねぇ〜。

マリアちゃんがどんなスキルを隠し持ってるか本当に興味があるよ。」


リンネさんが、俺の頭をナデナデとする。


「はい、そこまでです」


ルリさんが俺とリンネさんの間に割って入る。


「しかし、お嬢様、、ネクロマンサーとは一体?」

「ああ、あのガイコツとの戦闘中に、条件が揃ったから職替えするかみたいな事言われて」

「言われたですか?誰にです?」

「え?そう言うものなんじゃ無いの?」

「いえ、普通、職替えというのは、正規のギルドで手続きを踏まないと実行出来ません。

しかもネクロマンサーなんて下手をしたら、ある意味勇者よりも希少な職業です。」

「へぇ〜そうなの。」

「はい、極職、いわゆるエクストラジョブと言われる勇者や大賢者等と並ぶ、一般職とは一線を画す職業ではありますが、、、。

死を司るそれは、人々に忌み嫌われていて、殆どのネクロマンサーと呼ばれる方は隠者や、世捨て人だと聞きます。

というか、お嬢様先程言っていたその声の主に・・」

「・・・・そうなんですか。」

・・・しがない引きこもりの悪役説再浮上だなぁこれは。


「でも、魔力量はレベルが低い割には半端ないから当初の目的で言えば、最適な職業だと思うよ。

職業は肩書きであって、その人自身じゃ無いんだから心がけ次第なんじゃない?

それにマリアちゃんにはボクがついてるんだから道を踏み外すなんて事は万が一にも無いよ。」

「私もついていますよ。」


リンネさんとルリさんがにっこり笑顔で俺を見つめる。

気のせいか背筋が冷たい。

この二人は仲いいんだよね、、、?

俺には見えない火花が散っている気がする。


「あはは!マリアお姉ちゃんはモテモテだね!!」


メルちゃんが、ニコニコと笑顔で笑う。


そうだ、俺はこの笑顔を守らなきゃいけないんだ。


「リンネさん、ルリさん、この集落を、いえ、ここだけじゃ無く、これから行く他の集落を守る術が見つかったかもしれません。」

「へぇ〜聞かせてよ。」

「ネクロマンサーのスキル、部隊作成です。」

「アンデッドの部隊を編成して、アンデットモンスターから集落を守る訳かい?」


本当にこの人は一を話すと十理解する。


「はい。」

「いいんじゃない、ボクが結界を形成するより時間と手間が省けていいかもしれないね。」


やはりリンネさんはリンネさんで手立てを考えてくれていたらしい。


「結界ですか?」

「うん魔除けの結界、無人で何日も発動しなきゃいけないから複雑な構成式になる、一箇所に半日はかかるだろうね。」

「その規模の結界形成に半日ですか、、。

本当に規格外ですねリンネさんは。

でも重要なのはそれを維持する消費魔力の問題じゃないんですか?」

「あ、それは問題ないよ、消費魔力はマリアちゃんの愛の補給でなんとかなるから。」

「な、、、あ、、い、、愛とは?」

「はいはいはい、その話はそこまでです。

部隊作成でいきま〜す」

「はい!お嬢様!!」

「え〜」

「今時間がかかり過ぎるって自分で言ったでしょうに」

「愛の補給は?」


上目遣いで俺を見上げるリンネさん。

俺はカサコソとリンネさんの横につくと耳元で囁く。


「リンネさん、ルリさんにばれちゃうでしょ」

「へ〜い、、。

でも、ボクはいつでもマリアちゃんと繋がっていたいんだ」


艶っぽい声が俺の脳髄に響く。

その怪しい響きに俺のスキル「魅了耐性 上級」が働く。

それでも身震いが来るんだから、相当なものだ。


「今何か使いました?」

「使ってないよ」


目を合わせなさい、めを!!

もぉ〜、、、嘘くさい。


「それじゃあ、食事が済んだら早速実験してみようと思います」

「はい、では今最後の料理をお運びしますのでお待ちください。」

「ありがとうルリさん」


後は、あのガイコツから搾取したこのエクストラスキル「強化」がどう作用するか、、、だな。








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