ネクロマンサー
・・・・・ネクロマンサー
・・・あの〜
俺ももとの世界で結構ゲームやらファンタジー小説やらを嗜んでた方だけどこの職業からはあまりいい印象を受けた事が無いんですけど。
てかぶっちゃけ悪役の職業でしょこれって。
死霊の王だとか死者の統率者とか、、、。
結構後半に出て来る骨を大勢率いた黒いオーラを纏ったボス的な。
ピピ
突然脳内にアラームが鳴り響く
「うわっ!
ちょっタンマ!!
って無理か」
前のめりになった姿勢からぐっと右足に力を入れ後方に飛び退くとゴウっという音と共に剣が俺の目の前を通り過ぎる。
スキル気配察知の能力の一端だろうか?
俺の危険をさっきのアラームで教えてくれた?
考える間もなくガイコツの攻撃は二撃、三撃と発生している魔力の火花をもろともせずに繰り出してくる。
いや違うな、よくよく観察してみると、火花を上手くかわしたり、鎧や盾に当ててパンパンと爆発させていた。
避けきれずに鎧の隙間や骨が露出している部分に火花が当たると一瞬だがガイコツの動きが止まり弾けたその部分には黒い染みが出来ていた。
嫌がってるよなこれ?
表情が読み取れない為定かではないが、奴の行動から嫌がっているのは容易に理解出来た。
俺を後衛寄りの戦士か何かと判断したんだろうか?
さっきの魔法を警戒して、集中する間を与えないという事なんだろう。
もう何撃目だろうか、もう死んでるガイコツだから体力に限界が無いんだろうか?
だが避けているこっちには限界があるし俺の周りに展開しされていた火花の数ももう残り少ない、どう展開させたのかが分からない以上、無くなったらもう奴と俺を遮る物が無くなる。
何より奴の轟々と音を立て、殺気の込められた一撃一撃を避け続けるのが流石にしんどい。
やってみるか。
俺はフットワークを止め、静止した。
どっと大粒の汗が全身から吹き出る。
モアモアとした熱気を全身から感じる。
「ふぅーーーーーー」
ワンピースをたくし上げ脳天から伝わる汗を拭った。
「くっさ、汗くっさ!
ぷっあはは」
こんな状況でも笑えるんだなぁ、ほんと生きてるって感じがする。
そんな俺を見て、観念したと見たのか、勝機と見たのか奴は剣を背中まで振り上げ渾身の一撃でも振るうかのように海老反り凄まじいスピードで剣を振り下ろす。
が
奴の剣は俺の脳天ではなく、ザクッという音をたて地面に突き刺さり、その勢いのまま奴は剣を手放し前のめりになり膝をつき四つん這いの状態になった。
剣を受け止めた棒切れは刀の長さから、受け止めた脳天の位置から斜めに地面迄その長さを伸ばしていた。
実際には何の現象も起こっていないが、気分的にはガイコツの力を流した棒状の魔力から摩擦によって生じた煙でも上がっているかのようだ。
さっき拭ったばかりの額からまたジワリと額に汗が浮かぶ、だが先程とは違い、寒気を感じた身体からは鳥肌が立っていた。
ふぅ〜出来たぁ〜、ぶっつけ本番だったけど成功したぁ〜
ばあちゃん流杖術、「崩し」
俺がただ一つばあちゃんに習った中で褒められた技。
この技は、攻撃というよりも、回避技であり、相手の力を利用しその力を流して態勢を崩す、合気道的な技だ。
魔法やら、スキルやらでごり押しされたらやばかったけど、今まで戦ってきた中で使用していない所をみると脳筋寄りだろこいつとの読みが功を奏したようだ。
もし使っていたとしても、身体強化系の魔法でこいつは小細工とかそんな事をするタイプでは無いように感じた。
後ろを振り返り無様に四つん這いになる奴を見る。
感傷に浸っている場合じゃない。
魔力枯渇の経験から、そろそろあの眠気が襲ってきそうな嫌な心理的圧迫を感じる。
ステータス画面に魔力の残量表示でもしてくれたら便利なのにと無いものねだりをしてしまうが、無いものは受け入れるしかない。
「そこは経験の積み重ねでしょうよ」
ガイコツの回避行動と黒い染み?コゲ?から鑑みて俺の今繰り出せるあいつへの有効打は炎による骨部分への直接攻撃。
おそらくだが、さっきの焼却炉規模の魔力を生み出すのは後一回が限度、だろう多分、もしかしたらさっき程の火力を生み出せないかもしれない、、。
それに中途半端な威力では、不思議ビカリしている鎧と盾に防がれるのは必定。
効率良く火力を上げるには、、、。
【燃えて、爆ぜろ】では足りない、、。
ガシャリ。
重い板金鎧の音が俺に奴の動きが再開した事を報せる。
考えてる時間はあまり無いな。
出たとこ勝負。
「最大火力、回転、酸素を取り込みながら包んで焼き尽くせ」
語彙力の無さ!!
「く、、そ、、」
身体から力が抜ける、、、、。
眠気が襲ってくるが、結末は見届けなければならない。
何より今意識が飛んだらあれも恐らく消える。
無から生み出た炎は轟々と音を立て意思を持ったかのように回転を始めると巻き起こる風を取り込みその姿をどんどん大きく成長させ炎の竜巻となった。
「いっけえええええ」
その頃にはガイコツは立ち上がり態勢を立て直していたようだがもう遅い。
さっきの燃えるだけの炎とは違い、その炎には命令が組み込まれている。
お前を喰い殺せってな。
竜巻は奴を強引に引っ張り込む、ガイコツは剣を突き立て耐えようとするがもう遅かった。
燃えながら成長し規模を大きくした竜巻は足元から奴を飲み込んでいく。
ガキッ
苦しんでいるかはわからない、だが今まで聞いた事が無い大きく打ち鳴らされた顎の音には確実に苦しみが込められていた。
この場から逃げればお前の勝ちだったろうに、騎士の矜持って奴?
まぁそのプライドのおかげで、、。
勝てるなんて、馬鹿か!
学習しろ俺、最後迄見届けろ!
どっちに転んでも俺にはもう次の一手は無いんだ。
目の前の炎に懐かしさを感じる。
文化祭の後夜祭、、終わりの炎。
懐かしい風景。
オクラホマミキサー、、。
俺は高校生にもなってとか、、見てただけだっけ?
いつぶりに思い出した?
炎がゆっくりと収束していく。
消えた炎からうっすらと紅色に染まったガイコツが姿を表した。
ガシャリ、ガシャリと鎧を鳴らし近づいてくる。
俺の目の前で立ち止まるとどかっと腰を落としこうべを垂れ、左膝を立て俺に剣の柄を差し出す。
一体何をしたい?
俺に剣を取ってほしいのか?
トドメを刺して欲しい?
ガシャリ
ガラスが割れるような音と共にガイコツの頭蓋骨が弾けた。
「・・・・リンネさん。」
ガイコツの巨体がどさっと倒れるとそこにリンネさんがいた。
「ボク一人で充分だから」
そう言ったリンネさんの目は冷ややかに文字通り亡骸になったガイコツを見つめる。
その目を見ると背筋が凍る、殺気のとも、恐怖とも違う。
一体なんなんだこの感覚は、、、。
「お疲れ様、マリアちゃん、かっこよかったよ」
そう微笑みかける笑顔は何時ものリンネさんだった。
ネクロマンサーのスキル【搾取】により、アンデットモンスターのエクストラスキル以上の能力引き継ぎが可能です。
搾取しますか Y/N
、、、、イエス。




