ナイトになる覚悟とうらはらに
なろうさんのラジオがはじまりましたが皆さんお聴きになったでしょうか?
ラジオっ子の自分は投稿を画策中であります。
やっとこ31話完成です。修正はあるかもしれませんが。
上記のラジオが始まってから先日三回目の放送をしていたので、三週間以上かかってしまいました。
すいません。
よろしければ、31話冒頭から読んで頂けるとありがたいです。
薄暗い森の中から一匹、二匹、三匹、確認出来るだけで三匹の狼が俺との距離を低い唸り声で威嚇しながら縮める。
ズズ。
「ッ!」
思わずその迫力に気圧され後ずさってしまう。
あれだけルリさんを守るって意気込んでたのにも関わらずビビって後退するなんてありえないだろうに、、。
ガサッ
音の方に目を向けると、森の奥から、痩せた前の三匹と違い、一際大きく毛並みのいい一匹が、畏怖堂々という雰囲気を纏い現れる。
「お前がこの群のリーダーって事か?」
当然のごとく返事は帰ってこないが、代わりにそいつは欠伸をするように大口を開けるとその場に丸くうずくまる。
「眼中に無いってことかよ」
だけど、今はそれでいい。
もとの世界で犬に吠えられる事は日常茶飯事だったが、今対峙している狼のそれとは比べものにならない。
リードの有る無し以前に、死ぬか死なないかそんな単純明快な事実を狼達は突きつけてくる。
集団に一気に襲い掛かられるよりは、舐められている方がまだましだ。
ずっとそこでうずくまってろ。
「クソ犬っころ共!!」
棒切れを持った右手に魔力が流れる。
狼達の態度に気持ちがほぐれた。
やってやるよ。
こっちの世界での初戦闘、、。
ルリさんは必ず俺が守ってみせる。
俺が覚悟を決めたと同時に三匹の狼達が一瞬動きを止め、水をかけられた犬のように後方に飛び退き、俺を中心にして一定の距離を保ちながらグルグルと警戒し始める。
これは、、、。
以前入手した「威圧」の効果なのか?
その手下達の行動に気分を害したのか、リーダー狼が耳をピンと立て、片目を開け
「グルルルゥ」
と喉を鳴らす。
すると警戒していた三匹が態勢を立て直し俺に向けてまた殺気を飛ばしてくる。
あのリーダーには「威圧」が効かないのか?
それとも俺自身のレベルが足らないからゲームでいうところのレジストされたって事なんだろうか?
そう考えていると手下の一匹がその隙を狙って俺にめがけて突っ込んで来た。
「ふーーー」
俺は息を深く吐くと棒切れを両手に持ち剣道でいう正眼の構えををとり迎撃に備える。
ばあちゃんの杖術は、我流だそうで、いわば剣術に近い、簡単に説明すれば、刀身に刃がついているかそうで無いかの違いだそうだ。
突っ込んで来た狼は俺の目の前で一瞬止まると、スピードを乗せたまま右にひょいっと移動する。
魔力で強化していなければ、狼の流れるような一連の動きは目で追うことさえできなかったろう。
火事場のくそ力とでもいうのか、覚悟のおかげで覚醒したのか、俺は霊力で行なっていた事を自然に魔力で行う事が可能になっていた。
狼の後ろ足の筋肉が盛り上がったかと思うと、今までで一番の加速がかかり、その勢いのまま飛びかかって来る、狼の口は大きく開かれ尖った牙が露わになった。
「フェイントのつもりかよ!!」
強化された動体視力のおかげで狼のトリッキーな動きもある程度見切る事が出来る、俺は攻撃をスウェーバックでかわすと、勢いが収まらない狼の顎にめがけて突きを繰り出す。
その瞬間、なんとも言えない触感が手に伝わって来る、思えば、実体があるものに攻撃をするのは初めてかもしれない。
ブニッという、柔らかいとも硬いとも違う、これが生物を殺す感覚か。
顎を砕いた勢いのまま狼の頭を地面に叩きつけ、首を勢いよく振り下ろした右足でへし折る。
まず一匹、残り三匹。
まだリーダーはずくまったままだが、両目は見開いて俺の方を見ている。
・・・・お前はまだそのままでいてくれよ。
手下の二匹が喉を鳴らし俺を威嚇している。
「やっぱ、退散してくれないよなぁ、こんなんじゃ、てか、逆に火をつけちゃったか?」
手を交互にグーパーグーぱしていると、ベチョっと嫌な感覚が右足から伝わってきた、白いモフモフだったスリッパが狼の血を吸い込み、赤黒く変色し、重みも増していた。
「はぁーあ、杖術は必殺じゃなく、必中、だから後に害なす者なら躊躇せず必ず息の根を止めよか」
ばあちゃんも酷いよな、子供に何教えてんだか。
だがその教えのおかげで罪悪感はあまり無い、殺らなければ、殺られる、この状況で、情けなんてかけられない、だいいち、この世界では当たり前の日常で、これからも、こんな事が続く世界なんだろうから。
もとの世界じゃピンとこなかったけど、、、こっちの世界じゃしっくりくるよな、、。
まさか、ばあちゃん、こうなる事がわかってたんじゃ、、、ってまさかな。
俺はスリッパを脱ぎ捨て裸足になると、地面の感触を確かめる、砂や砂利は少し痛みを感じさせるが、我慢できない程では無い。
「第2ラウンドは、こっちから行くからな」
俺は気合を入れ直し、二匹に向かって殺意を向ける。
ジリっと、狼が後ずさるのを確認すると、摺り足の状態で、間合いを詰める。
緊張に耐えきれなくなったのか、一匹が俺の右手側に移動する、もう一匹もそれを確認したかしないか定かでは無いが、左手側に移動する。
挟み撃ちの準備ができたのであろう、右手にいた狼がググっと戦闘態勢を取る。
左手にいた狼は
「チッ!!」
物音を立てず、低い体勢で俺に迫り、一気に飛びかかってくる。
「クッッソッ!!」
一匹に気を取られすぎた。完全に失態だ。
俺は凶悪な牙に硬質化した棒切れをかまして防御するが、その勢いと重みに押し負け、体勢を崩される。
その様を確認したのか、後方まで移動していたもう一匹が飛びかかってくる。
「おおおーーりゃーーーー!!!」
俺は体勢を崩される力を利用して右回りに回転すると飛びかかってくるもう一匹に棒切れにかじりついている一匹を体当たりさせる。
「ガウ!」
どちらからともなく呻き声がもれる。
体当たりを受けた一匹が地面に叩きつけられザザーっと横滑りに回転するがすぐに体勢を立て直し、こちらに身構える。
「・・・・炎の壁・・・・」
咄嗟に頭に思い浮かんだ言葉が口から出る。
その刹那、狼と俺を分かつかのように四方二メートルはあるであろう炎が生まれた。
「ま・・・・ほう・・・・」
今は喜んでいるよりも、、、。
「ガルルルル」
「お前も大概しつこいって!!!」
俺が意識を棒切れに集中させると
ジュッ
という音と共に肉の焼ける嫌な臭いが鼻についた。
何が起きたかわかっていない狼は自らの焼けた口からベロを突き出すと、形容できない鳴き声を出し棒切れから離れる。
この好機を活かさない道理は無い。
俺は狼との距離を一気に詰めると、上段から一気に振り下ろす。
狼の目と頭から血が流れた。
頭蓋の割れた感触が手に伝わる。
「残り、、二匹」
炎の壁が収束し風と共に消え失せる。
「嫌、、、一匹か」
消え失せた炎の壁の跡地から丸黒焦げになった狼の死体が現れた、獣は火を怖がるっていうのは、迷信だったのか、炎の壁自体がそれだけの威力だったのか今はもう知るすべは無いが、儲けものだ。
魔力錬成も伊達じゃ無いって事・・・だよな。
「ふぅ、、、ようやく、ボス戦だ」
気合を入れ直すと、あいつがいる方に・・・
あれ?
消えていた、いや、逃げたのか、まぁあれだけの光景をみせられれば、いくら獣だって、、。
途端に俺の肩口に痛みという熱がはしる。
「・・・がぁぁぁぁあああ!!!!」
油断してた、、、、。
嫌、させられていた、、、、。
こいつはあの狼を、自分の手下を火にくべて俺を油断させた。
痛い、熱い、痛い、俺は必死に抵抗するがこいつの顎は逆に深く俺の肉に食い込む。
痛みに抵抗できない、意識が遠のく、手にしていた棒切れも魔力の供給が停止した為、硬質化が解け粉々に砕け散る。
さっきまで使えていた筈の魔法も、集中する事が出来無い為か何も反応が無い。
「・・・・・誰か・・・・タスえて・・・・」
大粒の涙や汗や血と共に全身から力が抜ける。
抵抗が無くなったのを確認した狼が首をグンっと回し俺を放り投げた。
「かはっ」
受け身もろくに取れずに地面に落ちる。
程なく肩口からの出血で地面が俺の血に侵食され始めた。
狼は放り投げた俺に一瞥もくれずに真っ直ぐに歩き始める、、。
俺の死を確信でもしたんだろうか、、。
こっちにきて、まだ、そんなにたってないってのに、冒険はこれからなのに、やりたい事だってまだ、まだまだま、、、だ。
ここでしまいなのか、、、?。
それに何より、マリアとの約束だって、、、、。
・・・・おい・・・・・
おいおいおいおいおいおい!!
ちょっと待て、、、待て、犬っころ。
その先には、ルリさんがいるだろうが。
何しらっと俺を無視して、、、移動してんだ、誰が許可した!誰が進んでいいなんつった!!
固有スキル 「九死一生」 の発動を確認。
付随スキル 「自動回復 中級」 の発動を確認。
スキル 「痛覚耐性 上級」 を入手しました。
スキル 「毒物耐性 中級」 を入手しました。
俺は、無我夢中で起き上がり、そして駆け出す。
リーダー狼は不意をつかれたのかビクッとその大きな体躯を一瞬硬直させ、俺の方に向き直った。
俺は駆け出した勢いのままジャンプし一気にリーダーとの距離を詰める。
だが、空中では身動きが取れない、奴の格好の餌食だ。
狼がニヤリと笑う、、、様に見えた。
「バーカ!!」
腹の底が熱くなる!ぶっつけ本番!!男は度胸だ!!!
「風よ俺を包んでくれ!」
なけなしの魔力を振り絞ると一瞬体がフワッと何かに持ち上げられる様な感覚に包まれる。
時を同じくして、目の前でリーダーの牙が空を切り、ガキっという火花でも散ったかの様な大きな音を鳴らす。
「このアホヅラがぁ、、、久々にキレたっつーの」
冷静に、日常的なセリフ回しが口から漏れる。
内容の割に聴き取った自分自身が驚くほど冷静で冷酷な声だ。
アホヅラを覆う様に抱きつくと、血で真っ赤に染まったワンピースが、リーダーの視界を奪う。
何度かモガモガと口を開けようとしたので、狼の後頭部にクリンチし顎に何度も膝蹴りをかます。
一瞬リーダーの足がぐらつく。
噛むのを諦めたのか、今度は俺を引き剥がそうと、グルングルン首を回し抵抗する。
俺はその首に足をかけるとワンピースの目隠しがとけ、凶暴な相貌が露わになる。
俺はより一層引き剥がされない様に足の力を強めると、腕を振り上げその両目めがけて、両手の親指を滑り込ませた。
「!!グググガガッガァ!!!」
リーダーの悲痛な叫びがあがる。
メニュっという、柔らかな感触が俺に伝わって来る。
「やっと終わるわ、、、、、。」
「燃えろーーーーー!!!」
俺のなけなしの魔力、ありったけの魔力を親指から炎に変えてリーダーの眼球の奥に流し込む。
「・・・・・・・・・・・・」
叫ぶ間もなく、リーダーの動きが止まり、膝が崩れ、どかっと巨体がその場にへたり込んだ。
俺はその場でへたり込んだ狼を見下ろす。
噛まれた傷からは、血が流れているが傷の割にあまり痛みは無い、というか、無い。
スキルのおかげだろうか?
だとしたら、この血もいずれかは止まるだろう出血多量で死ぬ事は無い。
だが、この強烈な眠気には抗える自信がない、これが魔力枯渇なんだろうか。
汗でベタついた髪をかき分け、空を見上げ風を感じる。
「ふ〜・・・・髪、、邪魔だな。」
これでルリさんの安全は
「お〜こりゃひでーな」
保たれるんだろうか?
戦闘シーンをちゃんと書いたのは初めて、というか、小説を書いてるのも初めてなので、稚拙で読みづらいかと思いますが、楽しんで頂けましたでしょうか?
冒頭にも書いてありますが、ワンシーンに3週間、、、筆が遅いのも程がありますね。
その間訪問して下さった方、申し訳ありませんでした。
ですが、、、、、、次の32話も戦闘シーンを入れるつもりなのです。
・・・・・また時間かかります。
宣言します。
でも、、、宜しくお願いしますーーーー!!




