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花剣流とルリさんの事。

お待たせして申し訳ありません。

修正は加える予定ですが29話書き終えました!

よろしければお付き合いください!

突然の轟音に驚いたのか、木々にとまっていた、鳥達が一斉に奇声を上げながら飛び立つ。


「凄い!!

火花がバチっと岩に飛んだと思ったら岩がパッカーンって!!」


興奮気味にそう言った俺の全身はブルブルと震えていた、勿論恐怖じゃなく、感動のせいだ。

これぞ俺が求めていた異世界ファンタジー!!


「花剣流、ルリが修めた流派の剣技の一つで、己の魔力を斬撃にして飛ばす高等技、『飛花』ですねぇ」

「カケン流、、、ヒバナ。」

「一般にはあまり知られていない、刀や暗器を扱う東方から伝来した流派ですねぇ、達人と呼ばれる人間を多数輩出している良い流派です。

でも、あの子、テンションが上がりすぎて、後先考えずにあんな技使っちゃって」

「ん?どういう事?」

「あの技はかなり魔力を消費する花剣流の奥義みたいな技なんです、それでなくても、あの子、さっきまで妾を使ってたのに、無理しちゃって、、。

きっと、アキヤ様ぁ〜もといマリア様に良いところでもみてもらいたかったんでしょうねぇ」

「ふむふむ。」

「今頃魔力枯渇でも起こしてるんじゃぁ」


ビターン


と、アラケニアさんの言葉を遮るように、ルリさんが力無くその場に女の子座りの体勢で崩れてしまった。


「ルリさん!!!」


急いで駆け寄ると、ルリさんが、俺の小さい胸めがけてしなだれかかってきた。


「ちょ、わっ、ルリさんて!」

「はぁう、、お嬢様、、、見て頂きましたか?」


どさくさに紛れていたのかどうだかわからないが、ルリさんの両手は俺の腰に回されている。


「うん、、見てたよルリさん、かっこよかったね。」


力なく問いかけてくるルリさんに対して優しく声を掛けてみる、まるで、駄々っ子をあやしているお母さんの様なシュチュエーションだ。

でも、それにしたって近いぃーーーー近いよルリさん、さっき引き上げてもらう時も近かったけど、それとは別!!その端正な美人顔で上目つかいなんて反則です、しかも、はぁーはぁー吐息混じりに言うなんて、、、ドキドキが止まりません!!

あ、目の色戻ってる。


目の色といえば刀、アラーニェさんの姿が無かったので辺りを見回すと、親子が揃って、俺とルリさんを生暖かい表情で見守っていた、まぁ、アラケニアさんの表情は見えませんが、そのニヤついた口元だけで、どんな顔をしてるかなんて、大体想像つきますよ。


ちなみにアラーニェさんの頭にはまたでっかいたんこぶが出来ていた。

アラーニェさんといえば、何で元の姿に戻れてるんだろ?

別に封印されてるわけじゃないから刀の状態からいつでも元に戻れるって事なんだろうか?

後でルリさんに聞こっかな。


「ありがとうございます、お嬢様。」

「ん?何が?」

「お嬢様のおかげで、アラケニアさま、、お母様と本当の意味で対話する事ができました。

私だけの力ではいずれお母様はこの世界から消滅していたかもしれません。」

「そんな事はないよ、ただ私の何かが作用してアラケニアさんはあんなのになっちゃったけど、それまでルリさんと一緒にいた時間は決して苦じゃなかったって言ってたし、何より、ルリさんの事、実の子のような物っていってたじゃない」

「そうですね、、、、。

本当にそう言って頂いて嬉しかったです。

私は物心ついた時から両親がおらず、お世話になっていた孤児院にも、鬼人、、亜人種の特徴が色濃くなる6歳になった頃、放り出されてしまいました。

それからどこのギルドにも受け入れてもらえず、路地裏で眠り、空腹に耐えきれなくなった時はゴミを漁ったり、門番の隙を見て町の外に出て狩の真似事をして空腹を満たしていました。」


ファンタジー物によくある種族蔑視みたいな風習がこの世界にもある訳か、だからさっき俺に鬼人族ってバレてあんんなに慌ててた訳か。

まぁ俺は異世界から来た訳だから、差別するなんて事は無いけど、むしろ鬼人なんてスゲーじゃんとか思っちゃってるので。

いちよマリアの記憶も探ってみたけど、亜人を差別してたなんて記憶は一つもなかった、むしろ俺と同じく、種族毎に特化した能力を持つ亜人に対してリスペクトを持っていたみたいだ。

まぁ断片的な映像だから真意は分からないけど、ちょっと安心した。


「狩がさまになってきた頃、油断して森の奥にまで足をのばしてしまい、そこを縄張りにしていた盗賊共に目をつけられ、捕らえられた私は奴隷商に売られそうになってしまいました。」


波乱万丈過ぎじゃない?

嫌、こちらの世界では日常なんだろうか?

てか何故こんな話になったんだっけ?


俺が混乱しているなかルリさんの話は続く。


「捕らえられた当日の夜、物音に気づいて起きた私が見たのは。

盗賊達の血の海で咲く一輪の赤い花でした。」


ん?

何だそのザ・カッコイイシュチュエーションは?

あれだろ!

一輪の赤い花が比喩になってるっちゅうあの!!


「ふふ、かっこよすぎましたね、花っていうのは人の事なんですけど」


ルリさん!!!!そこは本人が説明しちゃーいけないとこなんですよ!!!!


「その人が、私を盗賊から助けて下さり、私に生きる道と剣術を与えてくれました。

まぁ冒険者登録が出来る様になる12になるまでの間だけの期間でしたけど。

はぁー思い出すだけでも、反吐がでる。」


ん?

なんか聞き捨てならないワードが出てきがしたけど、スルーした方が良いですよね。


「お嬢様、、。」

「は?はい、何でしょうか?」


「申し訳ありませんが、私はこれから魔力枯渇の回復の為少し眠ってしまいます、恐らく、2、3時間はテコでも起きません。

それまでの間どうかここから移動せず、私が目覚めるまでお待ち頂けないでしょうか?」


「大丈夫だよ、動こうにもここが何処だか分からないし、ルリさんの事を置いてどこにも行く訳ないじゃない」

「はい、、ありがとうございます。

恐らくここはお屋敷からかなり離れた場所にある『英雄の丘』だと思われます、数百年前、この地に勇者が埋葬されたという言い伝えが残っていて、そのおかげかは眉唾物ですが、この丘周辺の地域には不思議とモンスターが湧かない事で有名です。」


丘というか、もう山じゃん、崖じゃん!!


「・・・じゃあ安心だね」


ツッコミを我慢して笑顔で答えてみる。


「ですが、モンスターが湧かない代わりに、、、zzz」

「ルリさ・・・ん?」


えーーーー代わりに何?そんな重要なところで寝ちゃうんですか!?

もーーーめっちゃ可愛い寝顔だし!!


俺が助けを求めるように見守ってくれていた二人を見ると。

さーさっぱりというジェスチャーを返してくる。


「このちっぽけな人間の国の事は残念ながら存じ上げませんねぇ、予想する事は容易いですが、これからルリと言葉通り二人きりになるアキヤ様にそれを申し上げて良いものかどうか、迷うところではありますねぇ」

「え?それってどういう事?」

「妾達はこれから一度あちらに戻る事になります。

アキヤ様の魔力によりこの姿になったとはいえ、召喚主はあくまでルリなので、こちらに留まる事でルリの魔力を吸収し続ける事になります。

そうなると、魔力枯渇状態のルリの命を奪う事になってしまうのです。」

「そうなんだ。」

「ということで、さっさとお邪魔虫は退散しますねぇー、ルリの寝込み襲っちゃ駄目だよ魔王様!」

「襲うか!!」

俺が鋭いツッコミを入れると、両手をブルブル振るわせて満面の笑顔でバイバイをしているアラーニェさんの周囲を赤色の魔法陣が包み込み、光ったかと思うとアラーニェさんの姿が消えていた。

「申し訳ありませんねぇ、後で良く言い聞かせておきます」

「程々にしてあげてください。」

「承知致しました。」

「では、またお会い致しましょう魔王様、他の柱も何名かこちらにいるようなので、探して会うのもまた一興かと」


恭しくこうべを垂れるアラケニアさんに俺はうんざりとした表情を浮かべながら


「そうなんだ、、、機会があったらね。」


と答えた。


俺がバイバイと手を振ると、アラケニアさんはもう一度浅くこうべを垂れ振り返り、崖に向かって歩みだす。


「それにこれから起こる些細な事など、何を使ってでも乗り切って頂かないと、使い物になりませぬゆえ」

「ん?何か言った?」

「いえ何でも。」

というとアラーニェさんと同じくアラケニアさんを魔法陣が包み消えて行った。


「あ、しまった!!何があるのか聞くの忘れた!」


頭を抱える俺の目ににスヤスヤ眠るルリさんの顔が映る。


何があってもルリさんだけは守らなければならない。



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