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幕間

随分と間があきました、もう誰もみていないでしょうが、書きますね。

ああ、、、腹が減った、、。


この感覚はいつ以来だろうか、、。


食欲か、、。


空腹、もう一生おぼえることがないと思っていた感覚。


この身が砂に変わろうとも、ここから動く事すら叶わなかった私が感じることのない感覚。


生きている実感。


生存している事実。


どうやら私の意識は蘇ったらしい。


「かっかっか」


「!」


私は今笑ったのか、この口で、、。

思わず口元に手をやる。


手をやる?そして私はそれを見ようとした、、、のか?


意識が蘇っただけでなく、肉体の再生も私の知る魔法や奇跡といった事象の範囲外の速さで行われているようだ。


「ふふ、、、かかっかかっっかかかかあっかかあっかかかあかっかかっかっかかかかっかかかかっかかかかかあかっかかかあっかかかかかかかっかっかっかかかっか」


がはっ、げほっげほっ、、、、、ふぅ〜、、。


いくら肉体の再生速度が異常とはいえ、砂状態だった現在の私の肉体は木偶やミイラも真っ青な状態だ、肺も喉も不完全で、笑う事すらまともにできやしない。


「ああ、歯痒い、祝いの時は大声で笑う、そう相場は決まっているだろうに、これでは興が削がれるだろうが」


肉体が再生されるにつれこの狭く暗い棺の中も手狭になってきた、おそらくこの牢獄にかけられている魔法は清浄の魔法を隠れ蓑にした極印の封印魔法だろう。

私が死んだ後も、なお私の力を利用しようとした痴れ者達の仕業だろう。

その痴れ者達のおかげで、私の魂はこの地に幽閉され、この地の浄化の為に使われ続けてきた。


「魔除けの鈴かよ・・・・」


この世界の為に文字通り身を粉にして働いてきた私の死後も私をこき使うとは、全くむかっ腹が立って仕方がない。

まぁ、その痴れ者達のおかげで、今一度生きる実感を味わう事ができそうなのは間違いないので報復などは考えておかないでおいてやろう。


ニヤリと不完全な口元が釣り上がる。


しかし、ザルだ、この結界外からの攻撃には絶対の防御を誇るだろうが、内側からの攻撃にはこの通り。


バカーーーーーン


棺の蓋が聖室の天井に打ち付けられ、そのままの状態で垂直に落下する。


「はぁ〜」


落下してきた重量感のある蓋を難なく片手で受け止めるとひょいっとそのまま放り投げる。


「なってないね〜まったく」


聖室の中は清浄の魔法の効果なのか不思議と明るく、酸素も充満し、温度も適度に保たれていた。


「眩しっ!」


煌々とした光を浴び、鬱陶しくも、嬉しもある、なんとも言えぬ感覚を覚えながら、棺の縁に手を掛けムクッと起き上がる、、。

血管が忙しなく脈打ち続け、肉が文字通り踊る隙間に骨が見え隠れする。全く皮膚を持たないその人体模型のような身体は、その場で何百年分かの伸びをした。


「くーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー気持ちいぃーーーーーーーーーーー!!!!」


肉体の状態が状態でなければかなり色気を感じさせる際どいポーズをとりつつ、コリコリと首を回したり、腕をブルンブルン振り回す。

ひとしきり感覚を確かめると、ヒョイっと棺から飛び降り、棺にかけられていたであろう大きめの布を手に取り自分の嫌らしい身体を覆うように巻きつける。


「さて、貴方の勇者が今行きますよ、お姫様。」








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