日常1
何人の方が読んでいただいているのがわかったので、その方々の為に、精一杯頑張りたいと思います!!
宜しくお願い致します。
最初の方にちょっとした性表現がありますので、嫌な方は読まないで下さい。
こちらの世界に転生してから数日がたった。
俺は相変わらずベッドに横になり開いた窓の外を眺める。
時折感じる心地よい風にカーテンがヒラヒラと揺れる。
聞こえる鳥のさえずりも元いた世界と同じだ。
青空を浮かぶ雲は元の世界と同じくゆったりとしたスピードで進んでいた。
「はぁ」
俺は今、賢者タイムだ。
・・・・・・・・・・・・
だって仕方ないじゃないか!!!!!
食欲が満たされたら、次は性欲でしょう!
しかも、転生前の記憶が残っていたら、女性としての感覚に興味がない訳が無い!!
しかし、この虚しさと罪悪感は、男として感じてたものとそう変わらない気がする。
女性には賢者タイムは無いという説があるみたいだが、俺はあるに一票を投じよう。
いや、今のこの気持ちはこの身体の元の持ち主であるマリア・ルーエルトへの罪悪感の方が大きい気もしないでも無い。
コンコンとノック音がする。
俺は慌てて乱れた服とシーツを直す。
「は、はっち」
返事の声が裏返ってしまう。
入ってきたのはあの日俺に料理を運んでくれた恰幅のいい使用人のエルザさんだ。
年齢は40代後半だったか、満面の笑顔で朝の挨拶をしてくれる。
「お早うございますお嬢様、朝食をお持ちしました。」
「お早う、エルザさん、いつもありがとうございます」
「やめてくださいお嬢様、これが私共の仕事なんですから」
俺が恐縮していうと、エルザさんは困ったように苦笑いしながら右手を上下し俺を制した。
コロコロと音をたてながらもう一人、エルザさんの後ろから台車を押し使用人の一人であるルリさんが入ってくる。
「お早うございます、お嬢様」
「お早う、ルリさん」
この人は、一言でいうなら、「一本芯の通った人」で凛とした佇まいは、かの有名な歌劇団の男役を連想させる。
年齢は20代半ば位である。
「昨日ご依頼の本もご一緒にお持ちしました。」
「本当!ありがとう!!」
俺が満面の笑みで答えると、ルリさんは照れたような顔をしながら、台車から朝食セットを降ろし、準備を始める。
そう、俺は食欲、性欲だけじゃなく、知識欲だってちゃんとこの数日間満たしてたんだから!!!
ほ、、本当なんだから、、、。
あとは寝たきりの骨と皮状態になっていた分、身体を動かしたい気分だが、いかんせん身体がついていかないのが現状である。
3日前位にやっと立てるようになったので、今は歩行訓練に移行している。
こちらの世界には車椅子のような便利な物はないようで、俺は目覚めてから一度もこの部屋から出ることなく生活している。
下の世話や汗ばんだ身体を拭くのは、使用人さん達がやってくれた。
この人達にとっては、寝たきりのマリアの介護もしていたのだからお手の物だろうが、初体験の俺からすると顔から火がでるくらい恥ずかしかった、が、今ではもう慣れっこである。
人間の慣れというのは、恐ろしいものだ。
で、知識欲の話に戻るが、大体の事は、こちらに転生する直前にハザマの世界で出会ったあの人物、そう、マリア本人から受け継いでいた、だからこの世界で目覚めた時の劇的な身体の変化に、俺の精神はついていけたんだと思う。
あの時マリアは、リョーマの詰めの甘さに嘆きながら、俺にゴメンねとまだあどけなさの残る顔で謝ってくれた。
その顔に一目惚れをしてしまったのは内緒であるが、本人が本人に恋焦がれるのは究極のナルシシジムのようでややこしいからもう考えないようにした。
はぁ、ここ数日、薄味だがご飯が美味く馬鹿食いしているので多少身体に肉は戻ってきているが、あの世界で出会ったマリア本来の可愛さと美しさを兼ね合わせた美人顔はまだ戻っていない。
正確には、この部屋に鏡はなく、転生して間もない頃、エルザさんが持ってきてくれた手鏡を見て俺が険しい表情を浮かべていたので、気を利かせて翌日から持ってきてくれなくなった。
だから今は外見を確認する手段が無い。
話が逸れてしまったが知識欲の・・
「本日の朝食はエマ茸のスープととれたて卵のハムエッグと、自家製パンでございます。」
ごめんなさい、知識につてはまた今度。
そう、今は食欲の方が勝っているようです。
全くどこの食いしん坊将軍なんだか、、、。




