iPhone何処へ
「無い…やっぱりどこにも無い!! 俺のiPh○ne6がどこにも無い!!」
リュックの中を根こそぎ掻き出すがやはり俺のiPh○neはなかった。
最悪だ…きっとあの時入れ忘れたに違いない。
やらかした…多分電波も通ってないからガラクタ同然だけどアレには発売初日に並んで買った思い出がああああ!!
パキッパリパリ…ビキビキ…
俺が気を落としている横で黄金タマゴさんは刻一刻と孵化している。
右手と左足が殻を破って飛び出している。
てか完全に人間の手足だよな?
嘘だろまじでこの中に人入ってるの?
まさか中の人折りたたみ式なのかな…だってそうでもないとあのタマゴの中に入るなんて物理的に無理でしょ!!
ピキ…ピキ…バリン!!
「うわッ今度は右足が飛び出て来た!!」
シュタッ
「そして立った!? てか怖いから立たないでよ!!」
てかこのタマゴさっきより大きくなってない?
なってるよね…完璧になってるよ!!
最初は拳2つ分ぐらいの大きさだったのに今は直径1メートルぐらいあるもん!!
怖ッ成長早ッ!!
どうしよう…早くiPh○ne6の安否を確認しにさっきの通りに戻りたいけど、こんな意味不明な生命体をこんなところに放置して良いわけないし…
「ああ…どうしよう!!」
「あれ~お兄さんひょっとしてお困り~?」
背後から声をかけられた。
さらにその後ろからゲラゲラと下品な笑い声が聞こえる。
肩にポンっと手を置かれている感触とともに嫌な寒気も伝わってくる。
ああもう…これダメなやつじゃん…………