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異世界Go!!召喚特典で魔王もらったから無双しちゃった( ^ω^ )  作者: フルーツポンチ侍
召喚と冒険の始まり
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ノブナガ

ウタカタさんの家を意気揚々と出発した俺たち。


道行く人たちに、



「町長さんはどちらにご在宅ですか?」



と懇切丁寧に聞き回り、一時間ほどの時間を要して町長さん宅の目の前に立っている。



「………え? なんか想像してたのと違くね?」



それが町長さん宅を見た俺の率直な感想だった。



ここに着くまで、町長さんがどんな家に住んでいるのか気になっていた。


こんな大きな町の町長の家だ。


とびきり大きな洋風の家に住んでいることだろうと勝手に思っていた…


…………が。


目の前に建てられたその建造物は、俺たちの想像しているソレとは随分と違った出で立ちである。



まず、俺たちを出迎えたのは家を囲うように植えられた生垣と黒門だった。


周りの家々が洋風であるだけにこの時点でかなりの違和感である。


黒門を通り中に入ると、その違和感はさらに強まる事となる。




黒塗りの木造平屋建て、屋根には瓦が敷き詰められていて、庭池を完備した大きな中庭があり、池には彩色豊かな鯉が泳いでいて、立派な松の木が数本植えられている。



それはさながら日本の古き良き武家屋敷そのもので、それを見た俺は底知れぬ懐かしさのようなものを感じてしまった。



中世ヨーロッパ風の建物が立ち並ぶなか、その建物は凄まじいほどの異彩を放っている。



「なんだこの場違い感が半端ない建物は…まさか町長さんって日本から召喚された人なのかな? だとしたら凄く心強い」



インターホンのようなものは当然ないので、玄関の扉を二度三度叩いて扉に手をかける。


扉に鍵などは掛かっておらずすんなり入れてしまった。


中に入ってもやはり和のテイストしかない。


しまいには玄関先に甲冑と日本刀らしきものまで飾られている始末だ。



「これは本当に日本の方なのではないだろうか。今の所完璧なまでに和テイストなんだが…」



まさかこの家に住んでいるのがコテコテの外人なんてオチは無いよな…フリとかではなく…



「すいませ~ん何方かご在宅ではありませんか~!? 町長さんとお話をしたくて来たのですが」



かなりの声で呼びかけたつもりだったが、返事は返ってこない。


もしかしたら留守なのだろうか…いや、そうで無いとしてもこれだけ大きなお屋敷なんだ。


聞こえていないという可能性もない事はない。


よしっ…今よりも大きく呼んでみるか………



「スウーーーー………すいまッ!! ておいッタマゴ!!」



なんの承諾もなしに、タマゴがズカズカとお屋敷の中に入っていった。


俺の試みはタマゴのこの奇行に遮られ中断させられてしまった。



「ちょ…待てってタマゴ、勝手に上がるのは失礼だろ。こういうのはちゃんと順を追った上で…ておい!!」



俺の話は一切無視といった具合でどんどん奥へ奥へと足を進めるタマゴ。


イライラが募り、俺はため息を吐いた。


俺だけ一旦外に出て、こいつのことはいっそこのまま放っておいてしまおうか?


とも思ったが、俺の監督責任が問われそうなのでその案は無理そうだ。


こいつは無口だから誰かに見つかった時の言い訳も出来ないからな。



「仕方ない…か」



我ながら、仕方ないで“不法進入”を容認してしまう俺の方もどうかと思う。



そんな今更な事を思いながら俺は、俺たちは屋敷の奥へと足を進める。



そしてある程度進んだところで先頭を歩くタマゴが立ち止まった。



「どうした…なんか見つけたか?」



と尋ねると、タマゴは前方を指差した。


指の差すその方向に目を向けると、扉が一つあった。



ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー



タマゴが指差す先にあるのは一枚の扉。


何故そこをタマゴが指差すのか…理由はわからない。



「おいタマゴ、その中に何か…誰かいるのか?」


「……………………」



タマゴは無言のまま頷いた。


つまり、この中に誰かいるという事だ。


どうする…開けて中に入るか?


いやでも、それはあまりにも礼節が成っていないのでは………



「ええいままよ!! 人様の家に不法進入してる奴が今更礼節うんぬん考える方がおかしいだろ!!」



勢いよく扉のドアノブをひねり中に入った。



「………誰も…居ない………?」



畳の敷き詰められた小さな部屋だった。


なんだ誰も居ないじゃないかとそう思い、気を緩めたその瞬間だった。



ツーカーマーエータッ!!



「…ガッ!! …………ッ!!?」


呼吸ができない!!


首元に何かが巻きついて凄い力で締め付けてくる。


今の声とこの感じ…どうやら俺は死角から何者かに首を締め付けらているようだ。



「掛かったな曲者めが!! この家に忍び込んだが運の尽き…この細首へし折ってくれるわ!!」



痛みと共に若くない男の声が耳元で響く。


俺の首がギシギシと鈍い音を立て悲鳴をあげている。



「どうした…抵抗しなければあと数秒で折れてしまうぞ!?」



男のその言葉通りに、首を締め付ける力はさらに強まって、本当に折れてしまいそうだ。


引き剥がそうと締め付けている腕に掴みかかるがまるで動かない。



なんて腕力してんだコイツ…微動だにしねえ。



苦しい、意識が…遠退いて………



「た、助けて…ッ」



なんとか捻り出した声、それに答える形で、タマゴは俺を締め付けている腕に摑みかかる。


「むう…此奴ッ!!」


ぶつかり合う大きな力、二人の骨の軋む音が俺の耳に響く。


タマゴも流石だが、それに張り合っているこのおっさんもバケモンだ。


只者じゃない!!



拮抗する力と力、しかし徐々に差は現れ、最終的にタマゴが“力づくで”男を引き剥がした。



拘束からなんとか逃れることのできた俺はその場に膝から崩れ落ちる。



「ゲホッゲホッ………危ねえ死ぬところだった。すまんタマゴ助かった」


俺の感謝に、タマゴは親指を立ててグッドをしている 。



「ほう…この“第六天魔王”の拘束を力ずくで引き剥がすとは見上げた腕力だ。良い使い魔を使役しているな曲者の小僧」



声のする方向に目を向け、俺はここでその男をやっと視認した。



身の丈2メートル以上の大男だった。


腰にはその身長にも負けないほどに長い長刀が携えてあった。


しかし、その体躯や刀もさる事ながら驚くべきところは男のそのヘアスタイルだろう。


なんと、ちょんまげなのだ。


カツラなのではと疑ってしまうほどに手入れの行き届いたちょんまげなのだ。



異世界に似つかわしくないこの浮きまくりな格好から推測するに、この人が召喚されたこの町の町長に間違い無いだろう。


てか本当になんでちょんまげなんだ!?


まさかとは思うけどこの人って…戦国武将なのか!?


うむ、無い話じゃないだろ。


時代という垣根を超えて同じ時間軸に召喚されるというのも、“魔法”の二文字の前では疑問にすら思わない。


だとしたら、さっき男が口にした“第六天魔王”ってのは…たしか………ッ!!


「どこの誰かは知らないが…この“ノブナガ”を相手取ってタダで帰れると思うなよ!!」













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