ちこうよれ
「なんでそんなに嫌がるのじゃ。もっとちこうよれ。なにをそんなに恥じらっておるのじゃ。恥じらう必要はどこにもない。ほれ、ちこうよれ。もっとちこうよれ。ほうほうほう、そうじゃ、そうじゃ。少しずつでもかまわん。ちこうよれ。そうそうそう、そうじゃ、そうじゃ。ちこうよれ、ちこう。ちこう………、あっ………。痛い痛い! 踏んでる踏んでる! 痛い! 太もも痛い! そんな、そんな何度も踏みつけないで! わしはちこうよれって言ったの! 太もも踏みつけてくださいなんて言ってないの! 痛い痛い! やめて! そんなガンガン踏みつけるのやめて! 落ち着いて! ちょっと一旦落ち着いて! ………はぁ。どう? 落ち着いた? びっくりしたわもう………。急にガンガン太もも踏みつけてくるから………。目の色もガラッと変わったし………。もう大丈夫? もう踏みつけない? うん、落ち着いたようじゃな。わしも少々取り乱してしもうたの。こんな経験初めてじゃったから仕方もあるまい。じゃあ、気を取り直して。ちこうよ…、痛い! 痛い痛い! 太もも痛い! 全然落ち着いてなかった! そんな、そんなタバコの火消すみたいに足の先でグリグリしないで! 痛い! やめて! どっか行って! もうわしに近寄らないで!」