表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍にいられたら  作者: 柚子ティー
7/16

初恋

 「何の話?」


どこから来たのか、江口くんと柿沢くんが話に入ってきた。


 「好きな人の話だよ」

 「えっ、唯って好きなヤツいんの!?」

 「あたしじゃなくて恵のこと」


あたしが言うと恵は顔を真っ赤に染めてあわてた。

 「ちょっと唯っ何で言っちゃうの」

 「あれ、ダメなの?」

 「当たり前だよ///」

 「高嶋さんの好きな人って?」

 「か、海斗くんにも教えられないよっ」


柿沢くんがあたしを見るけど、あたしもよくは知らないからただ首を振る。


江口くん達にもいろいろ聞かれて恥ずかしくなったのかもうこの話は終わり、と恵は無理やり話を終わらせてしまった。



今日もいつもの帰り道を4人でゆっくりと歩く。

あたしたちは全員自転車で学校に通ってるけど4人で帰るから、自転車を引きながら2列になって帰っている。

……他愛もない話をしながら。


そして、恵と2人になった時に言ってみた。


 「……恵」

 「なあに?」


あたしはすこしためらいながら聞いてみる。


 「ボーッとしてる時に」

 「うん」

 「ついついかっこいいなって思ってる人のことを考えちゃうのって恋かな」

 「恋でしょ!」

 「……そうなの?」

 「気付いたらその人のこと考えてるんでしょ?」

 「まあ、そんな感じ」

 「ほら!」


恵は楽しそうに笑った。

静かな風が、恵の長い髪を揺らす。


 「そっか~唯、好きな人出来たんだ」

そんな風に言われるとなんだか恥ずかしくなってきた。


 「それってさっきのかっこいいって言ってた人だよね」

 「え?ああ、うん」


そっか、あたし柿沢くんのことが好きなのか……。

今日もずっと柿沢くんのことを考えていたし、柿沢くんと話してる時はなんかいつもより楽しかった気がする。


……恋、なんだ。


 「いつから好きになったの?」

恵は続ける。

 「どんなところが好きなの?」


今、あたしたちに好きな人のことで質問され続けていた恵の気持がわかった。

これは恥ずかしすぎる。

 「あ~もうやめてよ」

 「あはは」


まだ恵には言えない。なんか恥ずかしいし。

そう、それにきっともうすこし後でも遅くない......____。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ