勉強
「……」
「……」
「……えっと、わかってる?」
「「まったく」」
ただいまあたしたちは勉強中。
もうすぐテストが行われるため、いつもの4人でテスト勉強をしている。
テストっていっても中3でやったことの復習みたいなもんなんだけど……。
江口くんはともかく、恵には入試の前に教えたはずなんだけどなあ。
ここがわからない、そこもわからないという2人に柿沢くんとあたしで説明していく。
あたしも、そこまで頭がいいわけじゃないからときどき柿沢くんに教えてもらってるけど。
「……だから……こうなるんだけど」
「あっ、ちょっと待て海斗!わかったかも」
そういって江口くんはシャープペンを走らせた。
「……こうかっ!」
「うん、あってるよ」
それを聞きガッツポーズをする……が、
「けど、ここは図書館だからもうちょっと静かにしてね」
という言葉ですぐに下ろされた。
周りを見ると他の人達がこっちを見ていた。
きっと江口くんの声で集中できなくなってしまったのであろう人たちに、心の中で謝る。
「ねえ唯、海斗くん」
江口くんに手を焼いていて、しばらくほったらかしにしてしまっいた恵に声をかけられた。
「ん?……あ、ごめん。どうしたの?」
「ここはこれでいいの?」
「それでいいよ、ね?」
あたしはすこし不安で柿沢くんを見た。
そしたら柿沢くんはうなづいてくれる。
「いいよ、高嶋さんはもうすこしだね、頑張れ」
「うん、ありがと」
恵は照れながらそう言った。
恵は人見知りだから最初はいろいろ心配してたけど、柿沢くん達と仲良くしてるのを見ると、心配しすぎだったのかもしれない。
今も楽しそうに3人で話してるし。
「唯、なにボーッとしてんだよ」
「ううん、なんでも」
あたしが言って笑うと、すぐに視線が逸らされた。
あれ?あたし江口くんを怒らせるようなことしたっけ。
ボーッとしてたのがいけなかったのかな……。
「江口くん、ごめんね?」
「ハア?なに謝ってんだよ」
ん?……まあいっか。気にしないでおこう。
「いや、なんでもないや」
「……変なやつ」