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傍にいられたら  作者: 柚子ティー
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離れられない

好きだから、大切だから傍にいたらいけない。


離れることがあたしのためにもなるから。傷付かないから。


もし、傍にいてこの気持ちを知られてしまったらきっと関係が崩れる。恵はあたしに気を使って柿沢くんと別れるとか言い出すかもしれない。


それはダメ。柿沢くんはあたし以外の人を、恵を選んだんだから。

…...本当だったら柿沢くんの傍にいたいけど彼には幸せになってほしいから。

もちろん、恵にも幸せになってほしいし。



誰よりも愛おしいと思うからこそ、恵と2人で幸せになってもらいたい。




――そう思うのにいざ2人を前にすると、あたしの中の醜い感情が邪魔した。


会いたい。声がききたい。隣にいたい…...。

あたしだって彼のことが好きなのに。こんなに想ってるのにって。


毎日2人を見るたび嫉妬した。そんな自分が嫌だった。



離れたいのにそれができずにまた今日が過ぎる。






「北村さん」


ほら、また声をかけられただけでうれしくなる。

「どうしたの?」

「ちょっと……相談があって……今週の日曜、会えないかな」

「相談?うん!いいよ!」

そう言うと彼はうれしそうに笑った。


それから会う時間と場所を決めて席に戻った。



やっぱり離れられない。


本当に自分がバカみたいだった。

その時あたしは、休みの日に柿沢くんに会える!と何も考えずに浮かれていたんだから——。


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