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この世界で生き残るために  作者: スタ
二章 学園編
18/61

嵐の前の平穏

 お待たせしました、二話投稿しています。

 


 勇者達が入学してから、接触することも無く面倒な人は居れども至極平穏とも思える月日が経ちました。


 私ももう十五歳。学園では四年生となりました。

 この王立ダリア学園は五年制なのであと一年で無事卒業となります。


 早いですねぇ。

 このまま何事も無ければ良いのに。







 彼らが入学してから、彼らに関わらないように細心の注意を払いました。

 意外と出来るものです。

 ま、学年も違いますしね。

 もともと私と言う存在は悪目立ちしていましたので、目立たないようにとはいきませんでしたけれども、何分彼らの方が目立つ存在でしたから。

 一つ上の私の学年にも彼らの名は知れ渡っていましたよ。



 エリオットは前にも話したとおり天才な上に武術の才能もあり、この学園には一人を除いて勝てる者は居ないとまで言われているほどだとか。


 そして勇者(予定)のレナルド・コルトー。

 先程一人を除いてと言われているのが彼です。

 ええ、もう、彼はチートですから魔術も武術もずば抜けていましたよ。



 うふふ。

 こんな人達と関わるとか、絶対面倒なことになると思うんですよ。

 只でさえこの顔はいい印象を受けないのに。


 そうそう、聞いてくださいよ!


 関わらないように、目立たないようにってしていたんです。

 でも、学園の話題はあの二人の話で持ちきり。

 しかもエリオットは私の弟なものだからいい意味でも悪い意味でも注目を浴びてしまって・・・・・。

 その事に何を思ったのかルーカス・ボルトンがことあるごとに突っ掛って来る始末。

 そんな日々なものだから周りからは遠回りに避けられること避けられること。


 あぁぁ!!私の青春スクールライフがぁ(泣)!!


 いえね、普通に接してくれる人は居たりはするんですよ?

 ただ、そうは言っても変な噂のたつ者と極力関わりたくないという思いがヒシヒシと伝わって来るんですよね。

 その証拠に事務的な会話以外はほぼ皆無といってもいいくらいです。


 寂しい!!

 友達欲しい!!






 そう言えば、私を裏切って殺す人はこの中に居るのでしょうか?

 未だにどの人なのか分からないから余計不安です。






 そんなこんなで大した出来事も無く日々が過ぎていったんですよ。






 ***





「ファウマンさん。これ、来週行われる実地訓練の場所とチーム表。」


 今日の授業も終わり、帰り支度をしていた時に隣から声が掛かる。

 彼は普通に接してくれる人の一人だった。


「あぁ。やっと決まったの。次は何処へ?」

「王都から少し離れた所のカイザルってところの町だって。」


 元々この学園では、騎士や魔術師を育成するための施設で、四年生になると実地訓練が組み込まれる。

 昔から地方で魔物の被害があり、訓練をかねて討伐に派遣されていた。


 ただ、最近は魔物の被害が多く月に何度となく実地訓練が行われている。

 これも魔王が復活する前兆なのだろう。

 ゲームの本編が近い証拠ねぇ。


「割と近い所でやるのね。」

「最近あそこの近くの森でワーウルフの群れを見かけたらしいんだ。」

「群れ?」

「群れって言ってもワーウルフは数体ほどの群れだから俺らでも倒せるって。一応、数人の騎士は同伴するみたい。」

「・・・そう。」

「じゃあ、それ他の人にも回しておいて。」

「分かったわ。」

 そう言って彼は何時も仲良くしている仲間の元へと戻って行った。





「・・・・ワーウルフの群れ・・・ねぇ。」


 今までの討伐は、スライムやゴブリンなど簡単に倒せるものが多かった。

 強くても動きの鈍いトロールを大人数での討伐くらいなものだったのに。

 それに場所も悪い。

 王都から徒歩一日弱で行ける所での討伐は今まで無かった。

 ゲームでは魔物の跋扈する時代ではあったので、それも仕方ない事なのかもしれない。

 そうでなければ主人公たちのレベル上げにならないので仕方がないのだが、そうなると魔王の復活は目前に迫っているのも目に見えていた。



「そう言えば・・・・。」


 ふと手渡された紙に視線をやっていると、小さな違和感に気が付いた。

 別に聞いたことも無い名前だという訳でも無い。

 寧ろ王都周辺の町の一つで、長閑な町だったことを記憶している。

 別にその町に言ったことは無いのだが、この国の地理を学ぶにあたって一通りの地名や特産物は学んでいる。

 その時は何も疑問に思わなかったのだが、ゲームについて思い出してみると違和感に気が付く。


「カイザルなんて町、ゲームであったっけ・・・?」


 ただ単に忘れているだけで、杞憂と言う線も捨てきれない。

 それでも頭の片隅に浮かんでしまった疑問は、私の心に小さな波紋を落とした。





「何か嫌な予感がする。」


 こういう時の予感って当たるもんなのよねぇ。







 何事も無ければいいのだけれど・・・・。




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