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第9話 魔法

「次はどこに行く?」

「武器屋だな」

「ならこっちだ」


 武器屋に入ると金属と油特有の匂いがした。

 鎧も飾ってある。

 ここは防具も扱うらしい。


「ロバート、つわものを連れて来たな。宮廷筆頭魔導士かなんかか?」

「違うが、丁重にしてくれ」


 武器の方は大抵が鋳造だ。

 鋳造の武器は安い。

 まあ、それは分かるけど。

 盾も木の盾と皮の盾は安い。


 金属の盾はマンホール並みに重い気がする。

 とりあえず、安いのだけ仕入れよう。


「武器と防具は高いな。金貨1枚以下の物は全部買う。武器の刃は潰せるか」

「そりゃ出来るが、何の為だ?」


 ええと着飾ったりして楽しむとか言ったら気を悪くしそうだな。


「訓練の為だ。切れたら困る」

「なるほどな。【研磨(グラインド)】」


 武器屋が手に取った短剣が削られていく。

 おお、初めての魔法だ。


「魔法ってのは難しい?」

「いや大抵の奴は簡単だぞ。魔法語を覚える必要はあるが」


「やってみてもいいか?」

「そこの中古の短剣でやってみるといい」

「【研磨(グラインド)】。発音は合っているはずだけど出来ない」

「そうだな。不思議だな」


 俺が異世界人だから出来ないって線は否定できないな。

 後で練習してみよう。


「刃を丸めてみた短剣はどうだ?」


 短剣を手渡されたので刃に指を滑らせる。

 刃がないので切れたりはしない。


「うん、良いみたい。安い短剣と剣は全部買いたい。刃を丸めてくれるか」

「できない事はないが、魔力が足りない」


「補充する方法は?」

「あんた物を知らないな。マナポーションだけだな」

「金属を削る魔道具なんてのはないのか?」


「ああ、あるぞ。だが、魔力はどうする?」

「俺が補充するよ」


「それなら何十本の刃を丸めても大丈夫だろう」


 俺は刃を丸める作業を見守った。

 魔力が切れると補充だ。

 魔力の流し方は相変わらず分からない。

 補充のボタンに触るとすぐに補充が完了する。

 使えるのだから別に良いが。


「リーダー、あの魔力量は」

「言うな」


 魔力量が多いのは分かっている。

 いまさら驚く事かな。

 暇だから、魔法の練習をしよう。


「【研磨(グラインド)】、【研磨(グラインド)】、【研磨(グラインド)】、【研磨(グラインド)】。駄目だ出来ない」


 くそう、才能がないのか。

 地球人でも魔法使いみたいな人の伝承はある。

 現在だって魔法使いの秘密結社なんかがあると怪しい雑誌で読んだ事がある。


 もしかして、異世界から地球にきた人の子孫が魔法を使えるのかな。

 そうだと考えたら物凄く人数が少ないはずだ。

 魔力中毒とやらでほとんどが死ぬらしいからな。

 何世代にもなると血が薄まって魔法を使えないのかも。


「クラモト、魔法が使えないのか」

「ああ、駄目みたいだ」

「ちょっとほっとしたよ。言っちゃ悪いがお前が全開で魔法を使うとたぶん地形が変わる。邪神のごとき存在だからな」


 異世界から来た人の世代を経ていない子孫はそれぐらいの魔法を使ったんだろうか。

 案外と神話なんかはそこから来ているのかもな。


「じゃ使えない方が良いのかな」

「そうだな。安心できる。でも、気を付けろよ。お前は無防備って事だ。お前には護身用の魔道具はあるが、この世界の手練れの魔法使いは強いからな」

「分かっている。俺は一般人だ。武芸も出来ないし弱いよ。ところでロバートは何で俺に良くしてくれるんだ」

「最初は金づるだと思った。魔導金属を持っているしな。だが、悪い奴じゃないと分かったから、今では友達だな」

「そうか、ありがと」


 魔道具に魔力を入れるのは苦にならない。

 魔道具使いになるべきなんだろうな。


「よし、終わったぞ。代金は金貨800枚を超えるが払えるのか?」

「金だけはあるんでね」

「さっきの話を聞いていたが、魔法が使えないんだってな。魔剣を買ってみたらどうだ」

「なんとなく格好いいな」

「おう恰好いいぞ。刃が光って綺麗だからな」

「よし買った」

「まいど。これだ抜いてみろ」


 俺は高級そうな感じの剣を手渡され抜いた。

 そして、ボタンみたいな物がある柄の中央を握った。

 別に光ってないな。


「リーダー、あれ」


 クラウが指を指す。


「クラモト、仕舞ってくれ」


 ロバートが青い顔で言った。

 パラパラと何かが落ちて来たので、見上げると天井に穴が開いていて空の雲が裂けていた。


「おう、物騒だな」


 慌てて仕舞う。


「使用者の魔力を吸い取って発動する魔剣だったが、凄い威力になるもんなんだなぁ。俺の作品ながら誇らしい」

「これを使っても良いんだろうか」

「護身用に持っておけ。大抵の相手はそれでどうにかなるだろう。だが、滅多に抜くなよ。ここぞという時に抜け」

「ああ、分かっている」


 使えない武器を手に入れた。

 護身用の電撃の魔道具は大丈夫だよな。


 俺は壁に向かって電撃を撃った。

 良かった、こぶし大だ。

 とりあえず普段は電撃を使おう。


「屋根の修理代は一杯買ってくれたから、負けとくぜ」

「ありがと。魔剣なんだけど、俺しか使えないように改造は簡単か」

「そうだな。魔法陣をひとつ追加すれば良いすぐにできる」


 魔剣を俺しか使えないように改造してもらった。

 魔剣の値段は金貨22枚。


 220万円相当か。

 良いお値段だな。


 だが、それに見合う性能はあるようだ。

 ドラゴンにだって勝てる気がする。

 慢心はいけないな。

 機会があれば、モンスター退治は弱いのからやっていこう。


 次の買い物はポーション屋だな。


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