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第15話 ファンタジーフィギュア

 約束してた色んなミネラルウォーターを持って異世界に行った。


 魔穴の周りは更に発展して、宿屋、道具屋、食い物屋もある。

 俺は冒険者ギルドの出張所に、パーティ極天宛の伝言を頼むと、宿を取った。

 ベッドに寝転がりながら考える


 木彫りの像なんてどうだろうか。

 冒険者ギルドの出張所で依頼を出す。

 瞬く間に木彫りのモンスターの像が集まった。

 下手くそなのもあれば上手いのもある。

 値段はフィーリングで決めればいいや。


 俺は家に木彫りを運び込んだ。

 木彫りの像は売れて、主戦力に。


「社長、よかったですね。木彫りが売れて」

「でも一日に平均3個じゃなぁ。単価は数万で高いけども、もう少し売れない物か。一日に何千個と売れる商品がないかな」


 あれっ、俺は何を勘違いしてたんだ。

 異世界にあるものは全て劣っていると思ってた。

 だが、魔道具はどうだ。

 翻訳の指輪一つとってみても現代製品に勝る。

 魔法で解決すれば良いんだ。


 異世界に行くとパーティ極天が到着してた。


「色々な魔水を持ってきたぞ」

「やった」

「ニッキ、一本金貨100枚だぞ。支払えるのか?」


 ロバートが尋ねた。


「ええ、この間の魔水を知り合いのポーション職人に売ったから」

「商売は後でだ。クラモト、今日も護衛依頼か?」


「それなんだが。知恵を貸して欲しい」

「いいぞ一日分の護衛料で手を打とう」


「それで、魔法で冒険者の像を作れないか?」

「作れるな。だが、面白みがないぞ。本物そっくりだからな」


 芸術性がないって事だな。

 だが、それで良いんだ。


「材質は何で作れる?」

「石や金属ならどれでもいけるぞ」

「なら銅かな。大きさは10センチぐらいだな。試しに作ってみてくれ」

「ニッキの出番だな」


「私、こう見えて治癒師なんですけど」

「俺からも頼む。魔水を一本ただであげるから」

「ほんと、やります。やらさせて下さい【金属弾(メタルブリッド)】」


 ポトリと10センチぐらいのフィギュアが落ちた。

 モデルはクラウのようだ。

 槍を持って構えている。

 非常にいい出来だ。

 3Dプリンターを使ったかのようだ。


「いい出来だな」

「魔法は想像力だから。見た物をそのまま想像するのは容易いわ」


「どのくらい一日に作れる?」

「50個ぐらいかしら」

「千個は発注したいな」

「ふふふっ、良い事を思いついた。マナポーションを作るのよ。そうすれば腹がタプンタプンになるまで作れるわ」


「ニッキ、クラモトの魔水を全部もらうつもりだな」

「目的があるなら、水ぐらい構わないさ。それより、何でボタンを魔法で作らないんだ?」

「1日に50個のボタン作ったぐらいじゃ、暮らしていけないわ。マナホーションなんか使ったら、赤字確定。だから削るのよ。それに貝殻を変形させる魔法はないわ」


 ふーん、魔法も万能ってわけではないのか。


 宿の扉が吹き飛び、衝撃で空気が震える。

 派手にやりやがって、敵襲か。


 首輪を手にした老人と男達がなだれ込んで来た。


「護衛料追加な」

「ああ、頼むよ」


 ロバート達に任せておけば大丈夫だろう。

 ほどなくして襲撃者は退治された。


 汚い物を摘まむように首輪を持つロバート。


「それは何だ?」

「隷属の首輪だよ。それも違法の奴のな」

「危険なのか?」

「いいや、首に嵌めなければ問題ない。問題はどう処分するかって事だ」

「捨てるのは駄目だよな。壊すのは?」

「防御機能というか自爆機能がある。ナイフで切り込みなんか入れたら、ドカンさ。違法の奴だからギルドに持って行き辛い」

「なんで?」

「俺達が違法奴隷売買に携わっていると、痛くもない腹を探られちまう」


「じゃ、俺が買い取るよ。金貨10枚で良いか?」

「ありがたい」


 隷属の首輪をゲットした。

 収納の魔道具の肥やしにしておこう。


 地球に帰り、銅像を売り出した。

 評判を掲示板でチェックする。


【フィギュアスレ・その67】


124

 おい、アナザーワールド貿易って知ってるか?


125

 知ってるさ

 あそこの製品は良いよな


126

 同じポーズの物がひとつもないんだったよな


127

 どうやって作っているんだ?


128

 3Dプリンターじゃないのか


128

 樹脂じゃないんだが


129

 馬鹿だな型を取るんだよ

 後は鋳物で作る


130

 なる

 そんなに手間が掛かっているのに安いな


131

 割安だよな


132

 トレード会が楽しいよな


133

 好みのポーズとキャラが人によって違うからな

 交換できるのは嬉しい


134

 模倣品が出ないか心配だ


135

 コストを考えたら無理だな


136

 同じポーズなら量産できる


137

 いや、鋳物であの細かさは難しい

 職人の技が要るって


138

 俺は100個集めるぞ


139

 なら、俺は1万だ


140

 買って損したという奴はいないのか

 買うかちょっと迷っている


141

 プレミアつくから買った方が良い


142

 転売はいくつか見かけた


143

 業者の買占めが始まるのか


144

 お一人様、1ヶ月で1つらしいぞ


145

 そんなの人を雇えば解決できるだろう


146

 月産の数が凄いから買占めはできない


147

 となるとオートメーションで作っているんだな


 掲示板の評価も良い。

 銅像は売れに売れた。

 細かいディテールが人気だ。

 価格は3千円だが、千個が瞬く間に完売。


 モンスターのバージョンも売ったところ更に大当たり。

 主力商品になった。

 売りは一つとして同じ物はありませんだ。

 魔法で作っているとはいえ、気分によってイメージは変わる。

 冒険者のなんかだと武器の構え方なんかが違うようになっている。

 依頼も同じ物でなくて少しずつ違う物にしてくれと注文をつけた。


 アナザーワールド貿易はファンタジーフィギュアの銅像メーカーとして有名になった。

 材質が樹脂でなく金属なのも特別感があって良いそうだ。

 そんなもんかね。


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