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第11話 深夜の襲撃

 さっそく、ポーション屋に行った。


 ポーション屋の店内は青臭い匂いが立ち込めている。

 薬草から作るのか。

 異世界から薬草を持ち込むなんてことはしない。

 生態系の破壊はちょっと不味いからな。

 もっとも魔力過多で枯れてしまいそうな気もするが。


 ポーションは素焼きの小瓶に入っていた。

 小瓶にはラベルが貼ってある。

 効果と、消費期限とかだろうな。

 インテリジェンスブックを起動する。

 文字のイメージを念じると、咳止めと出た。

 日付の数字は分かるが、今が何時なのか知らないので、期限は分からない。


 あとで、今が何年か聞いておこう。

 ところでこの世界も一年は365日なのか。


 インテリジェンスブックがそうだと答えをくれた。

 平行世界なのかな。


 人類が生きていく上でこの惑星の大きさが適しているのかも知れない。

 謎だがまあ良しとしておこう。


「各種ポーションが欲しい」

「魔力放出病のポーションでなくてですか?」


「えっとそれは何?」

「魔力を放出して死ぬ病気です。非常にまれなんですが、あなたみたいに光ります」


 そういう病気があるのだな。

 言い訳が出来た。

 嘘を付くのは心苦しいが、魔力放出病だと誤魔化す事も出来るようだ。


「俺はその病気ではないようだ」

「そうですか」


「とりあえず風邪薬とか軽い病気に使うポーションが欲しい。それと冒険者用に傷回復のポーションと解毒のポーションが欲しい」

「ではギルドカードを」


 ギルドカードを出してから、ポーションのお金を払う。

 次はアクセサリーだな。


 アクセサリーを売っている露店の前に立つ。


「うおっ!」

「魔力放出病なんだ」


 本当は違うけど。


「そうですか。大変ですね」

「もう慣れた。銀で出来たアクセサリーを全部買おう」

「まいどありがとうございます。こんなに売れたら、今日はご馳走を食える」

「売れないのか」

「ええ、さっぱり。日に1個しか売れないなんてものざらです」


 言い値で払った。


「ぼられているぞ」

「いいんだよ。幸せのおすそ分けってのかな。いまとっても人に親切にしたい気分なんだ」

「お前らしいな」

「金は天下の回り物ってね」


 露店で買ったのは何百カラットもする宝石なんかを買って地球で売ったら、目を付けられるに違いないと思ったからだ。


 これで買い物は全て済んだ。

 一泊してから帰ろう。


 宿に行き金庫室防衛の魔道具を作動させる。

 これで夜も安心だ。

 そう思ったら、深夜なにやら騒がしい。


「結界の魔道具を使われているぞ」

「魔道具の魔力が切れるまで攻撃だ」


 結界がガンガン叩かれている。

 物理攻撃で結界を壊そうとしているのだな。


 魔道具の魔力が切れるのは不味い。

 俺は魔道具の充填のボタンにさわる。

 魔力が補充されたみたいだ。


「おかしい、魔力が切れても良いはずだ」


 魔力の補充は苦にならないけど、いいかげん眠い。

 このままほっといても騒ぎそうだ。

 でも魔剣を抜くと建物に被害がでる。

 金持ちだから損害賠償は怖くないけど、人に被害が出ると居たたまれない。


 結界の魔道具を解除するとなだれ込んで来るんだろうな。

 電撃の魔道具だけで撃退出来る自信はない。

 さて、どうしたものか。


 あれっ、結界の魔道具って酸欠にならないよな。

 ロバートも特に気を付けるようには言ってない。

 扉には穴が開いているいるので、俺はそこ目掛けて水差しから汲んだ水を掛けた。


「うわっぷ。冷たい。馬鹿にしやがって」


 水は通るのだな。

 空気も通るという事だ。

 たぶん網の形の結界なのだろう。

 網の目がどのぐらいなのか分からないが、これならやりようがある。


 それをすると俺は殺人者だが。

 この状況で何もしないのはどうなのか。


「殺してやる! どんな手を使ってもな!」


 息巻く犯罪者達。

 だんだん腹が立ってきた。

 俺に落ち度はないよね。


 向こうに遠慮する必要なんかない。

 眠いので怒りが倍増する。

 やってやる。


 俺は扉の向こうの男が呼吸の為に口を開いた時にペットボトルの水を掛けた。


「ぐっ」

「どうした?」

「ひっ、高純度の魔水を掛けてきやがった。もったいない事をしやがる」

「おい、しっかりしろ!」

「諦めろ、魔力中毒でそいつはお陀仏だ。とにかく口を開くな」


 そう上手く事が進むかな。

 見てろよ。

 俺は扉を開けると、奴らの目を目掛けて、ペットボトルの水を掛けた。


「ぐがぁ」

「だから嫌だって言ったのに……」

「目が焼ける」


 目は鼻に繋がっていて、そして食道に繋がる。

 だから、高純度の魔水を飲んだも同然。


 やがて、静かになった。

 人の安眠を邪魔しやがって、ざまぁみろ。

 さあ、寝るぞ。


 朝になりロバート達が来た。


「ロバートだ。結界を解除してくれ」

「おう」


 俺は金庫室警護の魔道具を解除した。


「廊下の死体は何だ。宿の従業員が震えてたぞ」

「物取りらしい。意外に物騒だな」


「どうやって殺したかは大体、想像がつく」

「これって正当防衛だよな」

「まあな。宿屋の証言もあるから罪には問われないだろう」


「死体は誰が片付けるんだ?」

「そのうち警備兵が来て片付けるさ。しかし、意外だな。俺達が来るまでに震えて待っていると思った」

「眠いと怒りが倍増するんだ。分かるだろ」

「そうだな。俺も眠っている所を襲撃されたら怒る」


「魔穴に戻ろう。地球が恋しくなってきた」


 俺の街への滞在1回目はこうして終わった。

 異世界は危険な外国ぐらいに考えておいた方が良いみたいだ。


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