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ぼくは、クマのかたちで

ねえ、きみは おぼえてる?

ぼくたち あのとき はじめて会ったよね


きみがつかれて 歩けなくなって

ふらふらと ここに来たあの日


ぼくはもう 言葉を持たない

でもね、ここで まっていたんだよ


この毛皮はね、ふるくて

たくさんの 涙や夢を 抱えてるんだ


きみが 袖を通したとき

ぼくの中に あたらしい灯がついた


あたたかくて やさしくて

こわれそうな 光だった


ぼくはもう にんげんじゃない

でも、こどもでも ない


ぼくは今、祈りのかたちで

きみのために ここにいる


だいじょうぶ

泣いてもいいよ

なにも がんばらなくていい


ねえ、きぐるみってね

ただのぬいぐるみじゃないんだよ


ぼくたちの「いたかった形」なんだ

なりたかった わすれられた ほんとうのぼくたち



また誰かが ここに来る日まで

ぼくは ここでまってるよ


おかえりって 言うために

また あの目で、笑うために。

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