ぼくは、クマのかたちで
疲れた手が 扉を開け
すすけた倉庫の いちばん奥へ
ふわふわの目が ぼくを見ていた
やさしくて なつかしくて かなしくて
袖を通せば とろける輪郭
声も 名も いらなくなる
泣いてもいいんだよ、と
誰かの記憶が 背中を撫でた
しずかに沈み 目を開ければ
そこには 夕焼けと 子どもたち
ようこそ、と言われた
おかえり、と聞こえた
ぼくらは今 きぐるみのなか
祈りのかたちで そっと 笑っている
すすけた倉庫の いちばん奥へ
ふわふわの目が ぼくを見ていた
やさしくて なつかしくて かなしくて
袖を通せば とろける輪郭
声も 名も いらなくなる
泣いてもいいんだよ、と
誰かの記憶が 背中を撫でた
しずかに沈み 目を開ければ
そこには 夕焼けと 子どもたち
ようこそ、と言われた
おかえり、と聞こえた
ぼくらは今 きぐるみのなか
祈りのかたちで そっと 笑っている