こいつ、本当にヤバい
読んでくださりありがとうございます!
この作品 『容姿端麗 声完璧な私ですが、生活能力はポンコツでした』 は、
完璧な容姿と声を持ちながらも、生活能力ゼロなポンコツ女子・玲奈と、
そんな彼女に振り回されながらもなぜか世話を焼いてしまう悠真の、
笑いあり、ドキドキありのラブコメディです!
今回も玲奈のポンコツぶりが炸裂!
そして、彼女と悠真の間にこれまでとは違う何かが生まれる……?
ぜひ最後まで楽しんでいってください!
透花と玲奈が何か話していたのは気になったが、玲奈の「なんでもない」という言葉を信じて、それ以上は追及しなかった。
……が、なんとなく違和感は残っていた。
(まぁ、玲奈が落ち込むとか珍しいし、気にすることでもないか……)
俺はそんなことを考えながら、学校からの帰り道を歩いていた。
翌日・学校
「悠真くん、おはようございます!」
元気いっぱいの声が教室に響いた。
案の定、玲奈だった。
「……お前、なんで俺の教室にいるんだよ」
「え? 悠真くんに会いに来たんですよ!」
「いや、普通に帰り道で会うだろ」
こいつは相変わらず距離感バグってるな……。
「悠真くん、今日もお世話よろしくお願いしますね♪」
「いや、お前の世話係になった覚えはないんだが」
「えー? でも悠真くん、私が困ったら助けてくれるじゃないですか!」
「……はぁ」
めちゃくちゃ当たり前みたいに言うな。
とりあえず、このまま教室に居座られるのは困るので、玲奈を軽くあしらって自分の席に座った。
放課後・玲奈の家
「で、なんで俺がまたお前の家にいるんだ?」
「悠真くん、私の家がどうなるかもう分かってるでしょ?」
玲奈がそう言って、ドアを開ける。
「……またかよ」
部屋の中は、前に片付けたはずなのに、すでに元の状態に戻っていた。
床には服が散乱し、テーブルにはカップ麺の容器が無造作に置かれている。
「えっと、掃除してくれます?」
「いや、なんでそんな当たり前みたいに頼むんだよ!」
「悠真くん、こういうの得意ですよね?」
「いや、得意とかの問題じゃねぇから!」
俺は頭を抱えた。
なんでこいつはこうも当然のように俺をこき使おうとするんだ……。
掃除中
「悠真くん、そっちお願いします!」
「お前もやれ!」
「私は見守ってます!」
「見守ってないで動け!!」
それでもなんだかんだで掃除が進み、部屋はだいぶ綺麗になった。
俺がソファに腰を下ろすと、玲奈も隣に座ってくる。
「はぁ~、やっぱり悠真くんがいると安心しますね~」
「お前がもうちょっとちゃんとしてれば、俺も来なくて済むんだけどな」
「それは無理ですね!」
こいつ、本当にどうにかならねぇのか……。
お風呂事件
「ふぅ~、じゃあ私はお風呂入ってきますね!」
「お、おう」
俺はようやく解放された気分で、水を飲みながら一息ついた。
だが――数分後。
「悠真くん、ちょっと手伝ってください!」
「は?」
風呂場のほうから玲奈の声が聞こえた。
「いや、俺を呼ぶな!!」
「ちょっと! シャンプーが目に入っちゃって! 見えないんですよー!!」
「……はぁ」
仕方なく、俺はタオルを持って浴室の前まで行く。
「ほら、タオル置いとくから、自分でなんとかしろよ」
「悠真くん、もっと近くで受け取らせてください!」
「いや、嫌な予感しかしないんだけど」
「いいから早く!」
「……っ!」
俺がタオルを差し出した瞬間、浴室のドアが少しだけ開いた。
次の瞬間――
「ちょ、待て!!」
玲奈の肩が見え、そのまま少し身を乗り出してくる。
髪は濡れ、湯気が立ち込める浴室の中で、玲奈は目をこすりながらタオルを手探りで取ろうとしていた。
(いや、マジで危ないだろ!!)
「お前! せめてちゃんと隠せ!!」
「え? なんでですか?」
「なんでですかじゃねぇ!!」
慌ててタオルを押しつけ、俺は全力でドアを閉めた。
……心臓がバクバクしてる。
どうしてこいつはこうも無防備なんだ。
食事タイム
その後、俺は何とか落ち着きを取り戻し、玲奈と一緒に食事をすることになった。
「悠真くん、今日は私が作りますよ!」
「……マジで言ってる?」
「ええ、さすがにお世話ばかりしてもらうのは悪いので!」
「いや、そもそも料理できんのか?」
「問題ありません!」
そう言った玲奈は、自信満々で冷蔵庫を開ける。
(……大丈夫か、これ?)
そして数十分後――
「悠真くん、できましたよ!」
「……何これ」
目の前に置かれたのは、何とも言えない見た目の物体だった。
「スクランブルエッグ……のはずです!」
「いや、黒いんだけど」
「ちょっと焦げました!」
俺はスプーンを手に取り、恐る恐る口に運ぶ。
「…………」
味は……最悪ではない。が、普通ではない。
「悠真くん、どうですか?」
「……まぁ、食えなくはないな」
「やったー!」
玲奈は無邪気に笑う。
――まぁ、何だかんだで面倒を見ちまうんだよな、俺は。
俺は目の前の黒っぽいスクランブルエッグ(らしきもの)をじっと見つめた。
……いや、まぁ、食えなくはない。
「悠真くん、どうですか!? 私、意外とやればできる子じゃないですか!?」
「いや、意外とどころか、料理がまともにできる気配すらなかったんだが……」
「えへへ~、でも悠真くんが食べてくれたってことは、大成功ですね!」
「いや、そこは改善しろよ……」
まぁ、前向きなのは良いこと……なのか?
俺はとりあえず飲み込んで、水を口に含んだ。
(……うん、水がなかったらキツかったな、これ)
「じゃあ次は、お皿洗いですね!」
「いや、俺がやるからお前は休んでろ」
「悠真くん、何言ってるんですか! これも私の勉強です!」
「お前の勉強のためにキッチンが崩壊するのはゴメンなんだが」
「大丈夫ですよ! 任せてください!」
そう言い切った玲奈は、張り切って食器をシンクへ運び始めた。
――そして。
ガシャン!!
「うわあああ!!」
「おい!? 何した!?」
俺が慌てて駆け寄ると、玲奈はシンクの前で泡まみれになっていた。
どうやら、洗剤を入れすぎてシンクが泡だらけになり、さらに皿を落としてしまったらしい。
「ちょ、ちょっとぬるぬるして動けないんですけど!?」
「だから俺がやるって言っただろうが!!」
俺はため息をつきつつ、泡まみれの玲奈を引き上げようとした。
――その瞬間。
「きゃっ!」
「うおっ!?」
玲奈が滑ってバランスを崩し、俺の方に倒れ込んできた。
そして、俺の腕の中にすっぽりと収まる形で、玲奈が倒れ込む。
……近い。
玲奈の濡れた髪から微かにシャンプーの香りが漂ってくる。
肌の感触が直接伝わる距離。
「……あれ?」
玲奈がぽかんとした顔で俺を見上げた。
「……おい」
「悠真くん、すっごくいい匂いしますね~」
「そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!! 離れろ!!」
俺は全力で玲奈を引き剥がした。
(……こいつ、本当に距離感おかしすぎるだろ……!!)
こっちはいろいろと限界だってのに、玲奈は全く気にしてない顔をしている。
「えへへ~、なんか青春って感じですね!」
「違う! お前がポンコツすぎるだけだ!!」
「さて、じゃあ汚れちゃったしシャワー浴びてきます!」
「おう、お前がやった事だけど行ってこい……って、待て」
「え?」
「……まさかとは思うが、そのまま行こうとしてないよな?」
俺は玲奈をじっと見た。
「え? だって濡れてるし、そのまま浴びちゃおうかなって」
「……お前、着替え持ってきてないだろ」
「あっ」
「……」
「悠真くん、ちょっと待っててくださいね!」
「いや、お前まさか――」
俺が言う間もなく、玲奈はずぶ濡れのままリビングに向かおうとした。
その瞬間――
バサッ。
玲奈の部屋着の肩部分が、濡れたせいか少しズレてしまう。
「お、おい……!!」
思わず俺は手を伸ばし、玲奈の肩を引き寄せて服を直した。
――そのとき、ふと気づいた。
玲奈が驚いた顔で、じっと俺の目を見ている。
「……?」
さっきまであっけらかんとしていた玲奈が、なんだか少し赤くなっていた。
あれ……? こいつ、もしかして今になって意識したのか?
俺は自分の手が彼女の肩をしっかりと掴んでいるのに気づき、慌てて手を離した。
「と、とにかく! ちゃんとタオル巻いてから行け!」
「……う、うん……」
玲奈はなぜかモジモジしながら浴室へと消えていった。
俺は――今更ながら、自分の鼓動が妙に早くなっているのを感じてしまった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回も玲奈の自由すぎる行動に、悠真は振り回されっぱなし!
でも、二人の関係が少しずつ変化していく予感も……!?
次回、さらに賑やかになっていく二人の日常、
そして新たな展開にも注目です!
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それでは、また次回!
※この作品はAIの協力の元作成されています