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ステルスの惑星(ほし)ー絆編  作者: ほしのみらい
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第13章

第13章

登場人物

シーラー、ジェット、受付嬢


 シーラーの過去の出来事が、Annを従える事にストップをかけていた。シーラー自信が昨夜の会話で悟ったのだろう。

 シーラーはAnnを従える事にすると皆に約束した。


 今朝早く、皆はシューロンに戻り、それぞれ職務に就いた。

 シーラーはラムルの計らいで自由休暇をもらったのだった。


 フローターの操縦席。

 シーラーの左腕のパネルにはジェットのID。

 フローターにもIDをセットしてある。

 もしかしたらジェットから通信がという淡い望みを持っていたシーラーだったが、ゴレイナに来るまでそれは叶わなかった。


シーラー独り言off「ジェットがあれだけ話してくれた。会ったらフィルターを緩くしてもらう。……ジェットの主には絶対私がなる、そう決めた。」


 メカニックの工房街が見えてきた。

 ジェットを探しながら、街外れまでやって来た。

 リノ=レイダーの工房。前と全然変わってない佇まい。

 裏手の広いスペースにフローターを着陸させたシーラー。

 ハッチから出て来る画。

 そのまま工房に歩いて行く。


 工房にはジェットはいなかったが、綺麗に整頓され、掃除もしている様だった。


シーラー独り言off「前の主のお墓に行くと言ってたわね。確か更に裏手の丘……。」


 少し早足で丘に向かったシーラー。

 やがて小さく見えてきたのは、紛れもない、ジェットだった。


シーラー「ジェットー。会いに来たわー。」


 ジェットは気付いたのか少し姿勢が高くなった。

 駆け寄ってきたシーラー。

 リノ=レイダーの墓は綺麗な墓石に変わっていた。


シーラー「ジェット、これがレイダーさんのお墓?」


 当時の話では、ペンで名前が書かれた棒が刺さっているだけの墓だと聞いていた。シーラーはつい口走ってしまった。


シーラー「こんな立派なお墓だとは聞いていなかった……。」


ジェット「主の為に私が墓石を立てました。費用がかかり、人はなかなか取り合ってくれずに日が経ってしまい、最近ようやく綺麗な墓石を手に入れたんです。」


シーラー「あなたそれで仕事を続けてたの?」


ジェット「そうです。……人は亡くなるとお墓に入ると何かで見た事がメモリーされていましたから。」


シーラー「今日はレイダーさんの命日……亡くなった日なのね。ごめんなさい、今度は花を手向けなきゃならないわ。」


ジェット「花?それは必要な事なのですか?」


シーラー「良かった。ジェットは色々話せるんじゃない。……そうよ。お墓には花を手向けなきゃ。亡くなった人を忘れないように。」


ジェット「私はメモリー出来てます。シーラーは忘れるのですか?」


シーラー「亡くなった人を忘れない。あなたの事も忘れた時は無かった。」


 ジェットは黙ってしまった。


シーラー「ジ、ジェット、本当に久しぶりね。あなたのアーム、自分で作ったの?それで不自由じゃないのかしら?」


ジェット「私は修復可能。でもシーラーの怪我は?」


シーラー「あらジェット、心配してくれてるの?」


ジェット「心配ではなく、メモリーされたものなので。」


シーラー「という事は、忘れないでいてくれたのね。ありがとうジェット。」


 シーラーは墓前に座って話し始めた。


シーラー「あなたのフィルター、少しでも調節出来ないものかしら?ジェットの主は、このお墓にいるリノ=レイダーさん。……でももうレイダーさんの指示は得られない。フィルターはあなた自信で変えられないの?」


ジェット「……それは……。」


シーラー「それは?」


ジェット「それは私自信でも可能です。」


シーラー「私ね。最初はあなたが話してくれなくて辛かった。でも指示は出来ない。あなたのフィルターのおかげで私達に壁が有ったわ。でもあなたは話してくれるようになった。事故の時には名前も教えてくれた。何故私に接してくれたの?」


ジェット「それは指示でも命令でもなかったからです。いわば私の意志です。」


シーラー「ジェット。私はそれを聞きたかったの。今後私に対してのフィルターは緩くしてもらえるかしら?」


ジェット「それは私の意志で変更可能です。……少しフィルターは緩くしましたシーラー。」


シーラー「ありがとうジェット。私、あなたを事故から守れなかった。その償いをしたいの。」


ジェット「それには及びませんシーラー。私は溶けたアームの1本は自分で修理しました。また仕事をして他のアームを修理する予定です。」


シーラー「それを私がやりたいの。それが償い。」


ジェット「でも私はシーラーの怪我の跡を消すことは出来ませんが……。」


シーラー「誰もそんな条件言ってないでしょ?今のあなたは、私の指示をどの位聞いてくれるのかしら?」


ジェット「今は少しなら大丈夫です。」


シーラー「ねぇジェット。今ここでレイダーさんのお墓に誓うわ。あなたを私のAnnとして従わせて。大切に過ごしていくわ、もう事故なんかに遭わせない。」


ジェット「それは叶いません。主の指示でなければ、変更は不可能ですから。」


シーラー「ジェットはどう思う?新しい主が私になる事、嫌?」


ジェット「Yes 、Noではありません。主が変わる事でレイダー様を忘れるわけにはいかないです。」


シーラー「ジェットはレイダーさんに大切にしてもらっていたのね。……ではこうしましょう。あなたが私に主を変えても、レイダーさんの事は知る限り教えるわ。それをあなたがメモリーすればどうかしら?私以外からでもレイダーさんの事は知ることが出来る。仕事仲間やオーダーしてくれたお得意様、工房街の人達。」


ジェット「そうですね。限界が有りますが、それが望ましい。今はシーラーに従えてもと感じました。」


シーラー「もちろん、アームの償いはするわ。ジェットの希望通りにカスタマイズしても良い。システムボードは最新の物に換装して、メモリーもフルに換装。……私、あなたを忘れなかったのは、事故の償いをしたかったからでもあるけど……。あなたじゃないとAnnを従えたくなかったの。」


ジェット「ありがとうシーラー。気持ちは嬉しいが、カスタマイズは費用がかかる。それには応じられない。」


シーラー「もー、ジェット。もう少しフィルター緩めてよ。」


ジェット「……あなたはレイダー様に誓ってくれた。感謝します。フィルター、更に緩めます。」


シーラー「ありがとうジェット。じゃあ話の続き。私を主に変更する事を私の友達に相談してもいいかしら?それによっては、あなたのメモリーはそのままに主を変更する。メモリーはそのまま、約束するわ。」


ジェット「その条件なら応じます。」


シーラー「決まりねジェット。とても嬉しいわ。とにかく友達に相談に付いて来てジェット。」


 こうして、ようやくみなしごAnnジェットを説得出来たシーラーだった。

 フローターでシューロンへの帰路にたった。


 フローター操縦席。隣にはジェットも乗っている。


シーラー「ジェット、あなたのメモリーの容量はどれ位?」


ジェット「全体の容量はかなり有ります。」


シーラー「うーん、それじゃあ他のAnnに頼れないわね……。ラムルかガルシアさん。……いや先ずは私達の姫様から……か。ノアーナにバンズがいればなぁ。」


ジェット「シーラー。さっきから何をブツブツと。」


シーラー「あなたの為よジェット。安心して。……ところで、もう私以外とも話してくれるわよね?」


ジェット「フィルターは緩くしましたから。シーラーの友人であれば喜んで。」


シーラー「それは良かったわ。じゃあ先ずRJV本部にいるカーレイ長官と話すわ。ラムルといって、優しい子よ。」


ジェット「長官と?ですか。シーラーは一体何者です?」


シーラー「私もRJVの一員よ。今は気にしないで。」


 シーラーのフローターは、普段から一般駐機場に着陸させている。今も同様だった。


シーラー「さ、着いたわジェット。一緒に付いて来てね。」


 正面入口。

 受付嬢が立ち上がり敬礼している。


シーラー「今長官はどちらかしら。」


受付嬢「お待ちください。……正面受付です、はい。シーラー=レンド艦長が、長官はどちらにいるかと。……はい分かりました。……レンド艦長。今長官室にいらっしゃる様です。」


シーラー「ありがとう。」


 シーラーはジェットを連れてエレベーターに乗り込む。


ジェット「レンド艦長?シーラー、あなたの名はシーラー=レンド。RJVの艦長でしたか。」


シーラー「第3支援駆逐艦アラードの艦長に就いてるわ。」


ジェット「それで入口顔パス……。」


シーラー「余計な事は気にしないで。」

ディゾルプ


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