第20章
第20章
登場人物
ジャン、ステラ、本部オペ、ラムル
カーラントの駐機場。
ジャンは設計を終えた様だ。壁のモニターの前にいる。
ジャン「ステラ様。設計は終わりました。応答出来ますか?」
RJV本部、リラックスルーム。
ソファーに座るステラの腕のモニターパネルに受信の表示。
ステラ「あら、ジャンから受信。……ジャン、ステラよ。」
ジャンoff「ステラ様、設計が終わりました。完成想像図を構築してフローターにデータを送ってあります。今後、製作はバンの帰還を待って行いますか?」
ステラ「そうね……。任務の邪魔になるけど、フローターからバンズに通信して相談するわ。データを送って検討してもらう。ありがとうジャン。」
ジャンoff「私の設計は基本的なもので、そこからはバンの手直しが必要です。」
ステラ「分かったわジャン。じゃあまた会いましょう。」
通信を終えると、ジャンはカウルが運んできた軍の廃材のチェックに向かった。
ステラのフローター内。Annの完成想像図をさっそく見ている。
ステラ「あら、ソディナそっくり。これなら仲良くなれそう、嬉しいわ。……ここからデータを送れるかしら。」
ステラはケイドラーダのメインテーブルにデータ送信を試みたが、送信不可の表示。
ステラ「やっぱりフローターの通信では無理ね……。カッターに転送して送るしかないなぁ……。待機中だし、データ送信だけ利用しよう。」
ステラはデータを転送した後、艦船のドックに向かった。
RJV本部メインフロア。モニターに第5支援駆逐艦カッターの艦橋内が映る。
本部オペ「長官。ジーグ艦長が艦船を起動、発進待機状態です。」
ラムル「カッターが発進待機?ステラに指示は出してない。どうしたのかしら……。オペレーター、カッターにソロ通信。」
長官席のラムルはヘッドセットをして通信。
ラムル「こちら本部、ラムルよ。ステラ、発進待機なんて一体どうしたの?」
ステラoff「任務ではないのは承知しています。あるデータをケイドラーダのバンズに送りたいのです。」
ラムル「それは、ジャンの設計図ね?カウルから聞いてるわ。でもバンズは今大事な局面にいるの。後ではダメなの?」
ステラoff「私用であるのは承知の上です。長官、少しの時間だけ許可を……。」
ラムル「そのAnnは製作したらカッターに役立ってもらえるのかしら?」
ステラoff「もちろんです。補佐として役立てる様にします。」
ラムル「艦長として、正式に補佐を任命する為。やむを得ない臨時通信……としておくわ。但し邪魔になる通信は避ける様に。今はマルチ通信を開けている状態。ケイドラーダには内緒話にしておきなさいね。」
ステラoff「ありがとうございます長官。ケイドラーダのモニターテーブルにソロ通信してみます。」
一方、ゲルニア編隊の到着を待つケイドラーダメインルーム。
バンズ「ん?ソロで受信中。データが転送されてる……。ルイスさん。少しの間、テーブルの通信をソロに切り替えます。」
ルイス「どうしたのバンズ?何かあった?」
バンズ「第5支援駆逐艦からソロ通信でデータ転送が。」
ルイス「第5支援艦……カッターよ。ステラだわ。バンズ、許可します。でも少しの間よ。」
バンズ「ルイスさん、ありがとう。……こちらケイドラーダのバンズ。」
ステラoff「任務中にごめんなさい。私用のソロ通信の許可は長官にもらいました。設計図のデータ転送がフローターから出来なくて、それでカッターからソロでデータ転送したの。手短に感想を伝えて。」
バンズ「Annの為にこんな事するとはステラもかなり入れ込んでるねぇ。……うんうん、ジャンはソディナそっくりによく設計してる。あとはアタイが……と言いたいところだけど、直ぐには無理。これをマットさん宛に送信して、科研に訪ねてください。」
ステラoff「分かったわ。その様にする、ありがとうバンズ。」
通信を終えると、カッターの機関電源を落とし艦を出た。
本部のモニターでも、カッターの機関電源が落ちたのを確認していた。
ラムル独り言off「ステラの用は済んだのかしら……。」
ディゾルプ