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(一)

 大きな音を立てて扉が勢いよく開いた。同時に「大変だ!」と大声を発しながらエフゲニー・ゴンチャロフが部屋に入ってきた。

 この男性は貿易商を営んでおり、近隣諸国だけでなく、遠くは新ソ連やEUなどへも足を運び、商品を国内で売りさばいていた。海外へよく行くことから、情報通であった。そのため、反政府運動グループの「情報屋」として活躍してもらっていた。

「エフゲニー、何があったの?」

 その男性の姿を見てデニス・ゴローニンが声をかけた。


(続く)

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