一緒
そんなシムゥンに、ゲートの向こうからリムの声が聞こえてきた。
「また、置いて行った。何度言えばわかるんだ」
「分かってるよ。すぐ戻るから」
シムゥンはゲートを戻ろうとした。
振り返ると、ゲートは閉まっていた。
「……?」
この状況でゲートの向こうの音など聞こえるはずはないのだが?
シムゥンは耳を澄ませてみる。
なんか、ぶつぶつ言ってるのはわかった。
「怒んないでよ。すぐ戻るから」
リムの声が聞こえないシームァもシーザーも不思議そうな顔をする。
シムゥンは閉じたゲートの前で精神を集中させる。
さっきはなかなか上手く行かなかったが、シームァに引っ張られたのがヒントになったような気がする。
今度はすんなり別の場所へ繋ぐことが出来た。
シムゥンは扉を開けた。
その向こうは、邪神の間がある。
「また遊びに来るね」
シムゥンは、泣き止んだシームァに言う。
そこでふと思い直す。
「やっぱり、一緒に来て」
シムゥンは、シームァとシーザーの手をつかんだ。
このまま一人で帰ったら、またリムに文句を言われるに違いない。
「え!? えええっ!」
シーザーは及び腰だ。
「大丈夫。ちゃんと帰りも送ってくから」
有無を言わさずつれて行く。
「待って。私も……」
ついて来ようとしたカーラだが……
「カーラさんは伝言お願い。3人も突然いなくなったら騒ぎになっちゃう」
「え? う、うん……」
もっともな意見にカーラは渋々頷く。
そして、渋々他の人に伝えに行くのだった。
* * *
「一緒に行こうって言ったのに。一人で行くなんて……」
邪神の間に、帰って来たシムゥンにリムがそんな恨み言を言う。
剣であるリムは床に置かれたまま放置されていた。
シムゥンは剣を拾い上げる。
「ごめんって。予想外のことが起こったんだよ」
「だからこそ、一緒にって言ったんだ」
「ごめんってば」
リムの声が聞こえないシームァは不思議そうにシムゥンを見てる。
一方のシーザーはまだ信じられないという面持ちだった。




