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機械仕掛けの魔法使い~僕と邪神様~  作者: チク
僕と邪神様

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35/53

チャレンジ


 シームァは、尚もそこにいないはずのシムゥンを見ていた。

 シムゥンは今度はじっくりこちらを見ている。

 その表情はどうにも気難しい。


 これは死んだ魂が最後に挨拶に来たとか、そういうオカルト的な現象なのだろうか?

 そう思うと悲しくなる。


――シムゥン?

 シームァは呼びかけてみる。

 呼びかけても、返事するはずもなかった。


 シムゥンは困ったような顔をして、頭をぼりぼり書いて、また人差し指を振ってる……。


――何? 何してるの?


 そこでシームァは気づく。

 今、見えてるシムゥンは、脳裏に浮かんだ姿というより本当にそこにいるかのようだ。


――これって……

 シームァは、いないはずのシムゥンの姿を凝視していた。




     *


「シームァ?」

 カーラが呼びかける。

 シームァが黙り込んでるので、怒ってると思った。



「いいことって?」

 シーザーがカーラに尋ねる。


「大人になったらわかることよ。――ね? シームァ?」

 カーラはシームァの肩に手を置く。


 その表情は心ここにあらず、といった感じだった。

 シームァはどこか一点を見つめている。


 カーラも同じところを見てみる。

 それはゲートの後ろ側というか向こう側。

 だが、そこには何もない。


「シームァ?」

 シームァは思いつめたような顔つきでゲートの後ろ辺りを見ている。


 すると何を思ったか、突然ゲートの扉を開けた。



 カーラの表情が凍り付く。

 異様な魔力を感じたからだ。


 シームァは扉の中に入る。


「ダメ! シームァ!」

 何か危機感のようなものを感じ、カーラはシームァの体をつかんだ。

 カーラが力強くシームァの体を引っ張る。


「あ、あれ……?」


 すると、シムゥンもついて来たのだった。



     *


「ええええっ!?」

 大声を上げたのはシーザーだ。



「あれ、あれ?」

 シムゥンはぽかんとしていた。


 魔法使い同盟の洞窟の中、邪神の間で例の絵画のようなゲートでの移動にチャレンジしていたはずだった。

 なぜか大反対するリムを説得しつつ、移動にチャレンジしていたはずだった。


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